イチロー選手が8月21日のブルージェイズ戦で安打を放ち、日米通算4000本安打を達成されたのを見て、どのようにすればあのような領域に達することができるのかを改めて考えていました。
なお、これまでに4000本安打に到達することができた選手は、1800年代から続いている長いメジャーリーグの歴史の中でもわずかに二人、ピートローズ選手(4256本)とタイカップ選手(4191本)しかいませんでした。
また、中には、そのピートローズ氏本人をはじめとして、「日米通算」というところに難癖をつける人もいるようですが、ならばマイナーリーグ時代からの通算で4000本安打に到達できた選手を数えたとしても、ハンクアーロン選手等、3人を加えるのみで、これまでわずか5人しか到達することができなかった偉業でした。
この記録のすごいところは、ある単発の年だけ成績が良くても絶対に達成できない、いわゆる「長年の累積」による記録であるところだと思います。
イチロー選手の場合も 20年余りにわたって継続して結果を残し続けた結果として達成されています。
20年という年月は、特にスポーツ選手の場合には「その選手生命の大半」といえる長い期間になるかと思いますが、その期間のほとんどすべてにおいて、毎年平均200本の安打を放たなくては到達できない、つまり20年間ほとんどの年において「超優秀」な成績を重ねなければ到達できない記録です。
では、どうすればそのような累積記録に到達することができるのでしょうか。
イチロー選手を見ていて思うのは、彼には「変わることを恐れない姿勢」と「絶対にぶれない、変わることのない姿勢」の両方が、適切に備わっていることがひとつのポイントではないかと思います。
「変わることを恐れない姿勢」 - これは例えばバッティングフォームですが、自分のような凡人の場合は、もしも前のシーズンで3割以上の打率で打つことができたならば(つまり成績が良かったならば)、次のシーズンも基本的には前のシーズンと同じフォームで、より精度をあげる調整だけで臨もうとすると思います。
しかしイチロー選手の場合、前のシーズンの成績とは関係なく、毎シーズン根本からフォームを見直し、軸の位置を変更するような大きな変更も積極的に取り入れてきたと思います。
「絶対にぶれない、変わることのない姿勢」 - これは例えば打席に入る際の気持ちの作り方、それを支えるルーティンワークを変えないというところです。
打席で構える際の あの一連の動作は、オリックス時代から今に至るまでずっと変わっていないと思います。
10年間ずっと、朝カレーを食べ続けてきたというところも、「変わらない」で一定のリズムを作るための基盤を作ってきた行動の一環かと思います。
イチロー選手は、そのような「変わること」と「変わらないこと」とのバランスが、極めていい人なのではないかと思います。
野球に限らず、人生におけるどんなことにも通じることだと思いますが、「変わること」と「変わらないこと」は、相反することでありながら、どちらも欠かすことのできない要素ではないかと思います。
この変化の激しい時代に、新しいことを追求せずに守りに入ることは非常に危険なこととされています。
自分の今の上司もよく「今日と同じ明日を望む人はこの会社では必要とされない」といいますが、(それを形にして結果を出すのは大変なことではありますが)やはりそれは正しく、常に変化することを恐れず、変わることを恐れないで挑戦者の姿勢を持ち続けることは、発展する未来を作ることに繋がると思います。
一方で「変わらないで維持すること」は人生の一つの基盤であり、絶対に忘れてはならないことというのは物事に必ず存在すると思います。
例えば、単純な例で言えば、会社で仕事をするうえで、顧客のことを考えて仕事をする姿勢を忘れてしまったらまずうまくいかなくなってしまう、ということがあると思います。
子供の教育なども同様で、常に新しいことを取り入れることが必要であるのと同時に、どんなことがあっても変えてはならない、他人を思いやる気持ちとか、親子の愛情とか、守り続けなくてはならないものもあるのではないかと思います。
自分の中の大きな目標を達成するために、変えていかなければならないことと、変えてはならないことを確実に見極め、変える必要があることは恐れずに変えて、変えてはならないことは絶対に守り抜く、そういう姿勢を少しでも維持したいものです。