先日、偶然ディスカバリーチャンネルを見ていたところ、ダークマター(暗黒物質)の研究の話を放送していました。
それを見て、ダークマターというものが、この宇宙の謎の一部を紐解く鍵になるかもしれないことがわかり、ワクワクしてきました。
正直なところ、ダークマターについては、これまで個人的にはあまり興味がありませんでした。
ずいぶん昔から、ダークマターの概念については広く知られていたと思います。
「今見えている物質の質量だけでは、恒星や銀河の運動を説明できない」ということで、可視化できないけれども質量のある物質が大量にこの宇宙に存在するはずであるという仮説が立てられていた、というのがダークマターが認識されるようになった原点のようです。
しかし、そのような有るのか無いのかわからないような物質のことなどどうでもいいではないかと、勝手に思っておりました。
しかしながら、今回ダークマターが面白いと思ったのは、第一に「この宇宙のあらゆるものは、原子からできている」という大原則を、ダークマターは覆す存在であるということです。
ご存じのように、あらゆる物質は、水素(H)とかヘリウム(He)とか炭素(C)等118種類の元素の組み合わせでできているとされています。それは地球上だけの話ではなく、この宇宙の何億光年先にある星であっても、結局は原子の組み合わせで構成されている物質から作られていると考えられてきました。
ところが、ダークマターはそれら118種類の元素とは関係のない、もっといえば元素・原子を構成している電子・陽子・中性子とも関係のない、全く別の存在であるらしいのです。
第二に、ダークマターの動きが、まるでこの世のものとは思えないということです。
40年ほど前には架空の存在でしかなかったダークマターですが、ここ数年の研究ではダークマターが物理的に存在することを証明する実験や観測結果が発表されています。
そのダークマターの観測の中で、科学者たちを喜ばせているのが、数億光年先で起こっている2つの銀河の衝突から観測された、ダークマターの興味深いふるまいです。
そもそも銀河がぶつかるというのはとんでもないことですが、実際にぶつかれば、衝突した勢いで銀河と銀河は止まってしまう(車と車が正面衝突したらその車は止まってしまう という現象と同じです)のですが、その周辺にあるダークマターは衝突してもそのまま止まらず幽霊のようにすり抜けてしまうという現象が確認されているということです。
ちなみにダークマターは、光をさえぎったり反射させたりといったこともしません。
まさに有るのか無いのかわからない存在と言えるでしょう。
また、さらに面白いのは、この宇宙に存在するダークマターの量は、通常の我々が認識できている物質の量よりもはるかに多いということです。
我々が認識できる物質というのは、全宇宙の中でたった4%程度しかなく、残りの96%はダークマターかもしくはダークエネルギーである言われています。
上記のことを総合すると、ダークマターというのは我々人類のこれまでの科学を根底から覆すような存在であり、幽霊のようにつかみどころのない存在であり、そしてこの宇宙の中で恐ろしく大量に存在するものであるということになると思います。
今はまだ、その存在さえも完全には認められていないダークマターですが (ビッグバン宇宙論ではダークマターの存在は必須ですが、別の理論ではダークマターの存在がなくても今の宇宙の成り立ちを説明できる理論もあります)、将来ダークマターの正体が解明されるとき、今まで偶然でかたずけられていたことの説明がついたり、地動説が初めて明らかになった時のような衝撃的な宇宙の構造を人類は知ることになるのかも知れません。