昨年、100%ボランティアでかかわった仕事がありました。
ある英語版ソフトウェアの翻訳作業でした。
自分は翻訳のプロではないですし、たとえ英語の文章を理解することができたとしてもそれを日本語の文章で書きなおすという作業はまた別の技術ですから、このボランティアは、自分の能力の範疇を越えていました。
しかし、なぜあえてその翻訳の作業をやろうと思ったかと言えば、自分の本職であるプロジェクトマネージメントの仕事に厚みをつけたかったからでした。
自分のかかわっているプロジェクトには、翻訳者の作業が大きく影響してきます。
したがって、自分が実際に翻訳者さんの立場に立って、翻訳者さんが使うツールを使って、翻訳作業をするという経験をすることで、今後のマネージメントの仕事に役立てることができると思ったのです。
ところがやはり、翻訳の経験のない人間が、突然何千語も翻訳するというのは大変な作業でした。
去年のシルバーウィークをすべて翻訳だけのために献上したり、土日もずっと翻訳ばかりして、やっとの思いでやり遂げたのでした。
終わった時は、正直もうやりたくない、と思ったものでした(笑)
そしてそのソフトウェアの日本語版が日の目を見ることになると、予想以上に反響がありました。
このソフトウェアに興味を示してくださったマーケティング担当の方が、出版社の方とのインタビューをセッティングするように話をしてくれました。
「翻訳担当者が語る・・・」みたいなテーマでした。
ところが実際に出版社の方とコンタクトを取って相談したところ、インタビューだと内容が薄くなってしまうので、ここは記事をきっちり執筆して公開した方がいいだろうということになり、久しぶりにきっちりとした原稿執筆をすることになったのでした。
この原稿執筆は、自分の仕事のプロジェクトマネージメントの方が佳境を迎えているタイミングにちょうどかぶってしまったので、大変でした。
この時期も、土日はほとんど原稿執筆に費やさざるを得ませんでした。
執筆・校正が終わった時は、正直もうやりたくない、と再度思ったものでした(笑)
そしてその記事が公開されると、今度はアメリカの本社の人達に反響がありました。
機械翻訳ツールなどを使用して、日本語で書かれたその記事を、読んでくださった方々がいました。
そして今度はこの記事を元にして、アメリカの雑誌向けに記事を書かないかという話になりました。
さらにその英語の記事は、後々スペイン語やイタリア語など、世界各国の言語に翻訳されて全世界の雑誌で公開されるかもというところまで視野に入ってきました。
とりあえず今は、週末を費やして英語で記事を書いているところです。
これが結構大変で、かなり体力を消耗しています。
これが終わったら、正直もうやりたくないですね(笑)
それでも、こういうことは大変ですし休日もなくなりますが、やっぱり自分のやったことが世界中に広まっていくのは嬉しいことですし、やりがいのあることです。
また、最初に翻訳のボランティアに手を挙げた時には、こういう展開になっていくとは夢にも思いませんでした。
もしも最初に「どうせこんなボランティアをやっても、何の意味もないのだ」と悲観的に考えて、行動を起こさなかったら何も起きませんでした。
だから、やっぱり何事もまずは行動を起こしてみること、あまり想像だけで先の展開を制限しないで、その時出来るベストを尽くすことが、先に進んだ時に思いもかけない展開へとつながっていく可能性があるものだと、改めて思い知らされています。