倒産の概要と背景
京都市山科区に本拠を置く屋根工事業者「三善」が、2026年7月1日までに事業を停止し、自己破産の手続きを準備したと、帝国データバンク京都支店が発表しました。
負債総額は約7,000万円と見込まれているとのことです。
同社は2019年に創業し、2021年7月に法人化した経緯があります。
2025年6月期の売上高は約1億3,000万円で、資本金は300万円と小規模ながら、京都府と滋賀県の建設業者から多数の受注を得ていたとされています。
主な事業は屋根工事と外壁工事で、ユニットバスの入れ替えや塗装工事も手掛けていました。
ナフサ不足がもたらした資材調達の危機
2026年3月頃から中東情勢の悪化に伴い、石油由来のナフサが不足し、建築資材の調達が困難になる状況が広がったようです。
防水材や塗料、接着剤はナフサ由来のプラスチックや樹脂を原料としているため、供給不足は直接的に工事コストを押し上げました。
三善は得意先からの売掛金回収が不能となり、資金繰りが急速に逼迫したと報告されています。
工事件数の減少も重なり、事業継続が困難になる判断に至ったといわれます。
東京商工リサーチが2026年6月上旬に実施したアンケートでは、回答企業の8割が石油化学製品の調達に支障があると答え、6割超が資金繰りへの悪影響を認識していると示されました。
この結果は、ナフサ不足が建設業全体に波及していることを裏付けています。
業界全体の動向と今後の課題
近畿地区の建設業倒産件数は2025年上半期に1,400件を超え、4年連続で増加しているとのデータがあります。
2026年上半期の法的整理件数は1,043件、休廃業・解散は4,894件で、過去最多となっています。
帝国データバンクは、ナフサ不足が続く限り、同規模の塗装・防水・屋根工事業者でも倒産リスクが高まると指摘しています。
供給業者が従来の得意先に販売を絞るため、中小企業への資材供給が十分に行き渡っていない点が課題とされています。
ナフサ不足は2026年6月以降やや改善の兆しを見せているものの、完全に回復するまでには時間がかかりそうです。
業界関係者は調達先の多様化や代替素材の検討を進める必要があると考えられます。