FDAがペプチド規制緩和を検討中

米国食品医薬品局(FDA)は2026年4月15日に、BPC‑157を含む7種類のペプチド注射の規制緩和を検討する諮問委員会を2026年7月に開催する旨を発表した。

この委員会は、対象となる7種類のペプチドを「調剤薬局での製造が認められる物質リスト」へ追加するかどうかを審議するとされています。

さらに、2027年2月までに追加で5種類のペプチドについても審議が行われることが示されました。

連邦官報の通知によれば、会合は7月下旬に開催され、潰瘍性大腸炎・創傷治癒・炎症性疾患・肥満・不眠症などの治療目的で使用される7種のペプチドの使用可否が議論される予定です。

BPC‑157とTB‑500の現状とリスク

代表的なペプチドとしてBPC‑157とTB‑500が挙げられ、前者は創傷治癒・抗炎症・腸管保護作用、後者は組織修復・血管新生促進といった効果が期待されるといわれています。

しかしながら、両者はどちらもFDA未承認であり、ヒトにおける長期安全性データは乏しいとのことです。

FDAのウェブサイトは、BPC‑157について「人体への投与時に害を及ぼすかどうかを判断する十分な情報がない」と記載しており、科学的根拠が不足していることが指摘されています。

世界アンチ・ドーピング機関(WADA)はBPC‑157をドーピング禁止物質に指定しており、使用した場合は数年間の出場停止処分となることがあります。

日本においてはBPC‑157は医薬品として承認されておらず、治療目的での使用は未承認薬の適応外使用に該当し、個人輸入は法的にグレーゾーンとされています。

米国内ではBPC‑157は研究用化学品として購入が合法であり、Category 2のバルク物質リストに掲載されているため、調剤薬局での調合は実質的に制限されています。

販売業者は「研究目的のみ」や「人間の消費用ではない」と表示し、第三者分析証明書(CoA)やHPLC純度データを提示するケースが推奨されていますが、品質にばらつきがあることが報告されています。

市場規模と今後の展望

減量ペプチド単体の市場規模は年間550億ドル(約8.7兆円)を超えると報告され、セマグルチドやチルゼパチドの2024年売上高も同額規模が予測されています。

バイオテクノロジー企業カイレラ・セラピューティクスはペプチド肥満薬の開発を目的に6.25億ドルの資金調達を行うIPOを実施し、遠隔医療企業ヒムズ・アンド・ハーズの株価はFDAが規制緩和の可能性を示唆した報道を受けて11%以上上昇しました。

もし諮問委員会が7種類のペプチドを調剤薬局での製造が認められるリストに追加すれば、処方箋に基づく調合が可能になる見込みです。ただし、この変更はFDA承認を意味せず、臨床試験が未実施のままです。

専門家は、長寿・回復・認知機能向上といった効果がソーシャルメディアで大々的に宣伝されているものの、ヒトを対象とした安全性・有効性のデータが不足していると警告しています。

また、研究用として販売されたペプチド製品の30%が純度検査に不合格と報告されており、汚染物質や不純物のリスクが指摘されています。

消費者が安全に利用するためには、第三者機関のCoAを確認し、USP 797・795基準に準拠した登録薬局での調合を選択することが重要です。