ミズーリ州最高裁が共和党主導の選挙区再編を禁止し、住民投票を命令
11月の選挙では共和党が作成した新選挙区マップの使用が禁止され、2022年作成の旧マップが適用されます。ミズーリ州最高裁判所は2026年9月3日、新マップの使用を全会一致で禁止しました。
あわせて、この新マップを維持するか、あるいは拒否するかを問う住民投票を11月の投票用紙に記載することを義務付けています。
- 決定事項:新選挙区マップの使用禁止、旧マップ(2022年版)の適用、住民投票の実施
- 判決日:2026年9月3日
- 根拠:30万筆以上の適法な住民投票請願署名の受理
- 対象地域:米国ミズーリ州
戦略的な選挙区再編の背景と対立の構図
今回の騒動の核心は、共和党による戦略的な「ゲリマンダリング(特定の政党に有利なように選挙区を区切ること)」にあります。共和党は、民主党のエマニュエル・クリーバー下院議員の排除と、下院における共和党の過半数維持を目的として新マップを策定しました。
具体的には、カンザスシティ地域の選挙区を解体し、共和党支持の強い農村地域を組み込む手法が採られました。これにより、新加入有権者の約59%が共和党支持層となり、民主党議員に極めて不利な状況を作り出す狙いがありました。
この再編は、ドナルド・トランプ前大統領の要請を受けてマイク・キホー知事が特別会合を招集し、法案「HB1」を成立させたことで実現しました。これに対し、反ゲリマンダリング団体「People Not Politicians Missouri」が30万筆以上の署名を収集し、住民投票を請求しました。
しかし、デニー・ホスキンス州務長官はこの請求を「違憲である」として拒否。8月の予備選挙では新マップを強行して使用していました。
今後の政治的展開とグローバルな影響
最高裁の判決を受け、共和党側は激しく反発しています。キャサリン・ハナウェイ司法長官は「憲法危機を招く」として合衆国最高裁判所へ上訴することを表明しており、トランプ前大統領やキホー知事も判決を強く批判しています。
一方で、民主党および反対派は今回の判決を歓迎しています。全米民主党再画定委員会のエリック・ホルダー氏は、本判決で法的争いは終わるべきだと主張。People Not Politiciansのリチャード・フォン・グラン氏は「政治家ではなく人々が決定権を持つことになった」と評価しました。
この争いはミズーリ州のみならず、米国全土に波及しています。トランプ氏の呼びかけによる期中再区画化の競争はバージニア州やフロリダ州でも激化しており、今回の判決が他州における選挙区再編の法的な先例となる可能性があります。