財政・予算の現状
財務省は2027年度予算概算要求で国債費を約36.6兆円に設定する方向で調整に入っている。国債費の要求額は前年の31.2兆円から約5.3兆円増加する見通しである。想定金利は2026年度の3.0%から約3.8%に引き上げる方針が示されている。年末の予算編成時に市場動向を反映させ、最終的な国債費額を決定する予定である。
2026年度予算における国債費は償還費と利払い費の合計で31.2兆円となり、過去最大である。利払い費は13兆円で前年度比約2.5兆円増加している。償還費は18兆2086億円で金利変動の影響を受けにくいとされている。想定金利は概算要求段階で2.6%に設定され、年末編成で3.0%に引き上げられた。
国債費は全体予算に占める割合が2026年度は約25.6%である。2027年度の見通しでは約30%に上昇する可能性がある。これに伴い財政余力が減少することが指摘されている。
金利上昇と国債費への影響
想定金利は2026年度が3.0%、2027年度が3.8%に設定されている。計算は市場実勢金利に約1.1%上乗せした方法で行われている。2027年度の想定金利は1998年度以来の高水準である。
市場金利の上昇要因として日本銀行の累次利上げとマイナス金利政策の解除がある。高市政権の財政拡張路線への懸念が長期金利の急上昇を招いたと指摘されている。市場実勢金利は想定金利より約1%低い水準である。
2026年8月18日と10月18日に新発10年物国債の利回りが一時2.945%に上昇し、約30年ぶりの高水準に達した。同時に国債価格が下落し、投資家の警戒感が増大した。金利上昇と円安が同時に進行し、財政圧迫構図が強まっているとの指摘がある。
将来の課題とシナリオ
想定金利が市場実勢金利より約1%高い状態で維持されるシナリオでは、国債費は毎年約0.8兆円増加すると予測されている。財務省の試算では、2026年度の利払い費13兆円が2035年度には約45.2兆円に増加し、倍率は約3.5倍になる。これにより財政圧迫が顕在化する可能性が示唆されている。
消費税率引き下げが2027年4月から8%から1%に変更されると、税収減は約5兆円/年、2年間で約10兆円の減少が見込まれる。「強く豊かな日本」投資枠が130兆円超設定されており、財政拡張と国債費増大のバランスが課題となっている。これらの要因が財政余力をさらに圧迫するとの見方がある。
低金利時代に発行された国債が高金利で借り換えられると、利払い負担が急増し財政を圧迫するリスクがある。国債残高は約1130兆円でGDP比190%、地方債務は約1330兆円でGDP比220%という高水準にある。高水準の債務が財政の持続可能性に影響を与えるとの指摘がある。