背景と国民生活センターの取組み
国民生活センターは2026年8月19日に、ファッションサブスクリプション事業者である株式会社グラングレスの名称を公表しました。公表の目的は、解約後も請求が続く相談が相次いだことによる被害拡大防止です。同センターは同様に2023年8月19日にも名称公表を実施しています。
2016年度から2026年7月末までに、解約後請求に関する相談は約1,600件受け付けられました。相談者の大多数は女性であり、2025年度後半から解約関連の相談が顕著に増加しています。これらの相談は消費者ホットライン「188」への案内と併せて受け付けられました。
国民生活センターは国民生活センター法に基づき業者名を公表し、利用者に支払いに慎重になるよう呼び掛けました。公表に際しては、解約後も請求が続く事例が多数報告されたことが根拠とされています。以上の取組みにより、被害の拡大防止が図られています。
サービス概要と契約・解約手続き
株式会社グラングレスは東京都江東区に本社を置き、ファッションサブスクリプション「Rcawaii(アールカワイイ)」を運営しています。公式サイトによれば、会員数は60万人を超えているとされています。同サービスは利用者が好みや利用シーンを登録し、スタイリストが選定した衣服を郵送でレンタルできる仕組みです。
月額基本使用料は6,800円で「月イチ定期プラン」として提供されています。1回のレンタル上限は3点で、交換は月1回までと定められています。キャンペーン期間中でも、指定外の返却は有料となります。電話・メール・LINEでの解約問い合わせは受け付けていますが、実際の解約手続きはマイページ(Web)でのみ可能です。
返却は必着方式で、指定倉庫へ佐川急便にて送付し、到着日が基準となります。返却確認には数日から数週間を要することがあります。返却が1日でも遅れると、自動更新のリスクが生じるとされています。返却送料は顧客負担で、未精算の場合は請求が継続します。
契約は更新日0:00に自動更新され、請求が発生します。自動更新された契約は途中で解約できません。例として、2026年8月23日から9月22日までの契約は更新日が9月15日であり、退会申請は更新日前日までに行う必要があります。退会申請はマイページの「退会申請はこちら」から行い、契約更新日の7日前までに実施し、契約終了日までに全商品(付属品を含む)を必着で返却すれば当月以降の請求は発生しません。退会申請だけでは解約完了せず、全アイテムの返却と返却確認メールの受領が必要です。
破損・汚損が月額5万円未満の場合は請求されず、超過分は請求対象となります。返却が確認できない場合は弁償となる可能性があります。返却後に購入商品の代金未精算や追加送料が残っていると、請求が継続します。
トラブルの実態と改善計画
消費者からは、月額料金を支払っているにも関わらず「未払い」の督促メールが届く事例が多数報告されています。解約完了メールを受領した後でもクレジットカード請求が継続したケースが確認されています。解約手続き後に「契約更新」のメールが届き、料金督促を受けた事例も報告されています。事業者への問い合わせに対しては、回答がない、または定型文のみの対応が多いと指摘されています。
退会申請だけでは解約完了にならず、返却未了が自動更新の主因であると報告されています。返却遅延、付属品未返却、破損・汚損、追加送料未精算が請求継続の要因として挙げられています。カスタマーサポートは混雑しており、返信に時間がかかることが報告されています。以上の要因により、解約後も請求が継続するケースが確認されています。
2026年8月19日時点で、少なくとも3,429点の衣服が、1,182人の利用者から退会申請後も未返却となっています。未返却に伴う自動更新により、継続的な月額請求が発生しています。現時点で消費者庁や都道府県からの行政処分は行われていません。今後、カスタマーサポートの体制増強と返信時間短縮が計画されています。退会完了メールが届かない場合の問い合わせ窓口の明示や、退会手続き・返却状況・請求内容の表示改善が検討されています。
退会完了メールの明確化と保存の推奨が検討されています。手続き画面での退会状況や請求情報の可視化が計画されています。クーリングオフは認められていませんが、未成年者取消権の適用可能性が言及されています。