米SECが提案する暗号資産規制と免除制度の概要 | トレンドワードの解説

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米国の暗号資産規制の概要

2024年8月18日、SECは暗号資産向け新規制枠組み案を公表しました。本案は4年間で最大500万ドル、または12か月で最大7500万ドルのトークン発行を認める免除制度を設定しています。免除を利用する発行体は財務諸表の開示と継続的な報告を義務付けられます。条件を満たす暗号資産は投資契約とみなさないセーフハーバーが設けられます。官報掲載後60日間の意見募集が実施されました。

2026年3月17日、SECは暗号資産取引への証券法適用を明確化する解釈指針(本指針)を公表しました。本指針はデジタル資産をデジタル・コモディティ、デジタル収集品、デジタル・ツール、ステーブル・コイン、デジタル証券の5カテゴリに分類しています。さらに、ハウイ基準に基づく投資契約判定の具体的指針を示しています。この分類により、既存の証券規制との整合性が明確化されました。

2026年8月18日、SECは正式に「Regulation Crypto Assets」規則案を提案しました。規則案はスタートアップ免除(4年間で最大500万ドル)と資金調達免除(12か月で最大7500万ドル)の二つのトラックを設けています。免除利用時には投資家への情報開示、財務諸表提供、継続的報告が義務付けられます。州証券法上の登録・適格性要件は免除されますが、連邦レベルでの開示義務は維持されます。2026年8月13日に予定されていた規則案説明会はスケジュール上の問題で延期されました。

商品先物取引委員会(CFTC)は暗号資産、AI、予測市場をテーマにした会合を開催する予定です。デジタル資産市場の透明性向上を目的としたCLARITY法案は2026年4月に審議が見込まれ、上院は2024年8月の休会後に残された会期が14日間、2027年までに22日間と短縮されています。トランプ前大統領は第2次政権で暗号資産規制改革を優先課題に掲げ、業界から資金支援を受けています。2025年7月に成立したGENIUS法は認可発行者のステーブルコインを証券定義から除外していますが、未だ施行されていません。FRB、FDIC、OCCはトークン化証券の法的権利が従来証券と同一であれば銀行資本規制上も同様に扱う旨をFAQで示し、ホワイトハウスは銀行と暗号資産業界の代表者間の協議を仲介して規制調整を支援しています。

SECの規則案と除外制度の詳細

除外制度はスタートアップ免除として、4年間で最大500万ドル相当のトークンを一度限り発行できる枠組みを定めています。資金調達免除は任意の12か月間に最大7500万ドル規模のトークン発行を認めます。両免除を利用する発行体は監査済み財務諸表の開示、定期的な報告、投資家へのナラティブ形式情報提供を行う義務があります。発行額が一定基準を超える場合は独立監査人による監査が必須となります。

規則案は条件を満たす暗号資産を投資契約とみなさないセーフハーバーを組み込んでいます。セーフハーバーは発行体が本質的な事業努力を完了するか、恒久的に事業を終了した時点で適用可能です。該当トークンは投資契約に該当しないため、証券登録義務が免除されます。この仕組みはSEC委員長ハスター・パース氏が長年提唱した構想を反映しています。

本規則案には、暗号資産企業が有価証券登録要件を満たさなくてもSEC監督下でオンチェーン商品を試験的に提供できる「イノベーション免除」は含まれていません。世界取引所連合(WFE)は、免除措置が投資家保護を希薄化し、伝統的市場に抜け穴を生む可能性があると警告しています。デジタル・チェンバーのCEOコーディ・カーボーン氏は、提案を歓迎しSECと協力して米国内の消費者保護と業界成長を支援すると表明しました。

SECスタッフは2021年から2026年にかけて、既存の証券規制がブロックチェーン上の資産にも適用されることを再確認しています。スタッフはトークン化証券を「発行体主導型」および「第三者主導型」に分類し、第三者主導型はカストディ型と合成型に分けています。合成型トークンがデリバティブ性を有する場合、証券ベーススワップとして扱われ規制が強化されます。ハウイ基準(資金拠出・共同事業・収益期待)が満たされると、SECはそれを投資契約とみなし、違反として摘発することがあります。

市場の動向と業界の反応

2024年初頭にSECはビットコイン現物ETFを承認し、以降週次で約12億ドルの資金流出が観測されています。同年夏にはイーサリアム現物ETFが開始され、週次で約5億ドルの資金流出が報告されています。これらのETFは規制された市場構造の下で提供され、機関投資家が暗号資産にエクスポージャーを得る手段となっています。資金流出は投資家のポートフォリオ再配分によるもので、規制上の義務ではありません。

2025年9月にSECは暗号資産ETP向け共通上場基準を承認し、個別承認負担を大幅に軽減しました。2026年3月にはビットコイン上場投資信託が16億ドル以上の純流入を記録しました。同月、Ondo Financeは5つのトークン化ETFを発表し、投資家がウォレットでエクスポージャーを取得できるようにしました。これらの動向は、規制された枠組み内で暗号資産投資の選択肢が拡大していることを示しています。

SEC委員長ポール・アトキンス氏は、暗号資産の起業家や市場参加者に連邦証券法下で資本調達する明確な道筋を提供すると述べました。ブロックチェーン協会CEOサマー・マーシンガー氏は、本提案を米国デジタル資産市場が長年必要としてきた、目的に適した明確なルールへの重要な一歩と評価しました。デジタル・チェンバーCEOコーディ・カーボーン氏は、提案を歓迎しSECと協力して消費者保護と業界成長を支援すると表明しました。

ホワイトハウス暗号資産顧問パトリック・ウィット氏は、CLARITY法案が進まなければ規制当局が一気に暗号資産規制を動かす可能性があると警告しました。世界取引所連合(WFE)はSEC暗号資産タスクフォースに対し、免除措置が投資家保護を希薄化し伝統的市場に抜け穴を生む可能性がある旨の書簡を送付しています。複数の暗号資産業界幹部は、法的裏付けなしに規則が実施された場合、将来の政権が規則を撤回または強化するリスクがあると懸念しています。