エトナ山の最新噴火と観測
2026年8月17日にエトナ山が噴火し、巨大な灰と煙の柱が立ち上がったことが確認されました。灰は約6.5 kmまで上昇し、溶岩が斜面を流れ続けました。噴火は前週の大半にわたり続き、カターニア空港は閉鎖されました。その結果、航空便は数百便がキャンセルされ、大幅に減少したと報告されています。
2025年6月2日から2026年8月6日まで、火山灰の影響でカターニア空港は長期閉鎖されました。この期間に数百便がキャンセルされたことが記録されています。2025年2月8日と2月24日、2020年12月、2021年2月・10月、2022年2月・11月にも噴火が確認されています。これらの噴火は過去数十年にわたるエトナ山の継続的な活動の一部であるとされています。
噴火開始数分後にコペルニクス・センチネル2C衛星が上空を通過し、赤外線画像で溶岩流を記録したことが報告されています。INGVは熱画像カメラで撮影された噴火中の溶岩写真を公開しました。2026年8月17日の噴火前夜には継続的な地震と振動が観測されました。これらの観測は激しい噴火の引き金とみなされています。
観光と安全対策の現状
ガイド・エトナはダニエレ・ペリチェッリ氏が率いるグループで、毎晩数十人の観光客を案内しています。1日あたり約300件の問い合わせがあり、例年の約3倍に相当すると報告されています。最大で約2,000人が毎晩登山し、登山ルートは超満員状態となっています。これによりガイドの負担が大きくなっていると指摘されています。
ツアー会社への夜間ハイキングの問い合わせも例年の約3倍に増加しています。標高約2,400 mまで単独で登ることが許可されていますが、上方はガイド同行が必須です。多くの登山者がガイドを利用せずに入山し、危険が増大していると報告されています。立ち入り禁止区域やミニスカート、乳児連れ、松葉杖使用者、夏用靴の高齢者などに対する入山制限も実施されています。
2026年8月16日夕方、カンザス州出身の29歳男性が標高約1,400 mのロッカ・カプラ付近で落雷に遭い死亡しました。ヘリコプターで救助された後、同日午後9時30分に心停止状態で死亡が確認されました。イタリア消防当局は被害者が立入禁止区域でハイキングしていたと見立て、落雷が死亡要因と判断しました。同局は2026年8月17日に「米国人観光客が落雷で死亡した」と公式に発表しました。
過去数十年の統計では、エトナ山での死亡原因は火山活動よりも落雷が上回っているとされています。火山活動に直接関連した死者は最後に1987年であり、以降は落雷が主な死亡要因となっています。イタリア消防当局はハイカーの単独行動の危険性を指摘し、山を熟知したガイドと共に登るよう呼び掛けています。これらの安全呼び掛けは事故防止に重要な役割を果たすと考えられています。
歴史・地理・防災体制
エトナ山は標高約3,324 m(測定結果により3,403 mとされることもあります)で、シチリア島東部に位置するヨーロッパ最大の活火山です。成層火山であり、山麓の直径は約140 km、総面積は約1,190 km²です。周辺には数千人が居住しており、地域社会に大きな影響を与えているとされています。
歴史的な大噴火としては、1169年に約16,000人、1669年に約10,000人が死亡し、ニコロシ村全壊やカターニア市の半壊が起きたと記録されています。1979年の噴火では46人以上が死傷し、2002‑2003年の噴火では火山灰がリビアまで降下し多数の家屋が被害を受けました。2015年12月3日以降は継続的な噴火が観測され、2013年にユネスコの世界遺産リストに登録されました。
主峰部には北東火口、ボッカ・ヌオーヴァ、ヴォラージネなど複数の火口が存在します。南東火口(New South‑East Crater)は1971年に形成され、現在も活動を続けています。東斜面の「ヴァッレ・デル・ボーベ」は大凹地で、形成は崩壊か陥没かで議論されています。
INGV と地方火山観測所は24時間体制で地震、GPS・傾斜計測、ガス分析、サーマルカメラ、衛星リモートセンシングを組み合わせて監視しています。欧州宇宙機関(ESA)はコペルニクス衛星で噴火を撮影し、イタリア市民保護局は「黄色警報」(第2段階)を発令しています。イタリア消防当局は斜面広域でハイカーの立ち入り禁止措置を実施し、標高約2,400 m以上はガイド同行が必須としています。2025年6月2日から2026年8月6日までの長期閉鎖や2026年8月の噴火により、カターニア空港の航空便は数百便がキャンセルされました。