最近の長期金利の動向
2026年7月9日、新発10年物国債の流通利回りが0.035%上昇し、2.900%となりました。同日に債券価格は下落しています。前日の2026年7月8日には利回りが2.870%に上昇し、前日比0.025%の上昇で、1996年9月以降約30年ぶりの高水準となっていました。さらに2026年7月6日には一時的に利回りが2.825%に上昇したことが確認されています。
2026年5月18日には10年国債利回りが2.8%に上昇し、1996年10月以来29年半ぶりの水準となりました。2024年8月17日には利回りが一時2.925%に上昇し、同時に価格が下落しました。2025年3月には利回りが1.5%を突破し、12月には2%を超えました。2026年5月には利回りが2.5%台に達したことが報告されています。
長期金利全般では、2023年11月初頭に0.9%台で推移していました。2024年5月以降は1%超えが常態化し、2025年3月に1.5%、同年12月に2%を突破しました。2026年5月には2.5%台、7月には2.8%~2.9%へ上昇し、同月は2.81%~2.90%の範囲で変動しました。2026年8月中旬までに10年国債利回りは2.84%~2.88%となり、1か月金利は0.17%上昇しました。
金利上昇の要因と市場の見通し
中東情勢の先行き不透明感が原油先物価格の上昇を引き起こしました。原油価格上昇はインフレ懸念を再燃させ、国債売りが強まる要因となっています。インフレ懸念と原油高は長期金利上昇の主要な要因として指摘されています。
高市政権の積極財政と「骨太の方針」による財政拡張的政策が国債増発懸念を高めています。国債増発は需給緩和、価格下落、利回り上昇を引き起こすとの指摘があります。財政悪化懸念が国債売り圧力に繋がるとの見方も示されています。
日本銀行は2023年10月31日にイールドカーブコントロール(YCC)を事実上撤廃し、2024年3月に正式撤廃を宣言しました。政策金利は2025年12月に0.75%、2026年6月に約1.0%に引き上げられました。政策金利の引き上げは長期金利上昇を誘発し、変動10年国債利率に影響を与えています。
市場は日本銀行が急激な利上げを行わないと見ています。長期金利の上限は約3%前後と予測されています。金利上昇は株価下落、住宅ローン金利上昇、企業資金調達コスト増、円高傾向、債券価格下落と関連付けられています。
トレーディングエコノミクスは本四半期末に10年国債利回りが2.77%、12か月後に2.59%へ低下すると予測しています。世界的なインフレ・財政懸念が続く限り、長期金利の上昇圧力は持続すると見られています。海外金利上昇が波及すれば、一時的に3%超える可能性が指摘されています。
個人向け国債商品と今後の影響
変動10年国債は2026年7月に募集され、年利率1.80%(税引前)が設定されました。利率は半年ごとに見直され、基準金利は10年固定利付国債入札平均落札利回りです。最低保証利率は0.05%で、金利下落時でもこの水準を下回りません。購入単位は1万円、手数料は無料で、1年経過後は調整額を伴う中途換金が可能です。
固定5年国債は2026年8月に利率2.06%で発行されました。同時に固定3年国債は利率1.71%で発行され、税引後の実質利率はそれぞれ約1.64%と約1.36%となります。いずれも発行時の利率が満期まで固定されます。
新窓販10年国債は2026年8月に表面利率2.788%で発行されました。購入単位は5万円で、随時中途換金が可能です。中途換金時には元本割れリスクがあることが留意点として示されています。
利息に対する源泉徴収税は20.315%で、1円未満は切り捨てられます。個人向け国債は預金保険の対象外ですが、発行体が日本国であるため信用力は高いと評価されています。メガバンクの定期預金年率0.40%、ネット銀行年率1.20%と比較して、個人向け国債の金利は上回る傾向があります。
個人向け国債金利は市場長期金利(10年国債利回り)に連動して段階的に引き上げられます。日本銀行の政策金利引き上げは変動10年国債の適用利率上昇を促します。長期金利の上昇は住宅ローンの返済額増加や企業の資金調達コスト上昇につながると指摘されています。