軍事・攻撃
2023年11月11日夜から12日朝にかけて、ウクライナのドローンとミサイルがロシア・ノヴォロシーク港の主要穀物ターミナル2つを攻撃し、稼働が停止した。ロシア当局はこの攻撃で8歳児を含む3人が死亡し、24人が負傷したと発表した。ロシア大手穀物商社と別企業も被害を認めている。
2024年11月11日夜から12日未明に同港の2ターミナルが再度ドローン攻撃を受けた。デメトラ・ホールディング(年間輸出能力850万トン)とOZK(710万トン)が被害を認めた。被害の詳細は公表されていない。
2026年8月11日夜から12日未明にウクライナがノヴォロシーク港へ無人機攻撃を実施した。ロシア側はフリゲート2隻、ミサイル艦1隻、哨戒艦1隻を含む計4隻の軍艦が損傷したと報告している。具体的な被害状況は公表されていない。
ロシアの黒海艦隊は主にノヴォロシーク港に停泊している。2023年11月にロシアはクリミア半島の旧本拠地セヴァストポリから艦艇を撤退させ、ノヴォロシークへ移転した。これにより黒海艦隊の拠点が同港に集中した。
2026年8月にウクライナは黒海艦隊基地に対しドローンとミサイルを用いた攻撃を行い、軍艦3隻と複数の施設を標的にした。ウクライナ保安庁(SBU)はこの攻撃を公式に表明している。ロシア側は被害の詳細を公表していない。
ウクライナ大統領ゼレンスキーは「前例のない作戦」としてロケット、ジェット機、海軍ドローンを使用したと発表した。ウクライナ軍はロシア軍艦4隻に直撃したと主張している。SBUはノヴォロシークの黒海艦隊基地へのドローン・ミサイル攻撃を表明している。
物流・輸出
ロシアは世界最大の小麦輸出国であり、輸出量は世界総量の15%から20%を占めている。主要な輸出拠点は黒海沿岸港、特にノヴォロシーク港である。これらの港から大量の穀物が世界各地へ出荷されている。
ノヴォロシーク港への攻撃により、黒海港の穀物輸出能力は約3分の1減少したとロシア主要穀物ロビー団体が報告している。デメトラ・ホールディングとOZKのターミナル停止により、年間約1,560万トンの輸出能力が失われた。これによりロシア全体の輸出量が大幅に減少した。
ロシア農業省はバルト海、カスピ海、極東港、陸路への代替輸送ルートへの転換を表明している。代替ルートへの具体的な転換時期は公表されていない。代替ルートの整備が進められる見通しである。
ウクライナは黒海沿岸のオデッサ港が全輸出量の90%以上を扱う主要農産物輸出国である。ウクライナ農業相は代替輸送路が2026年8月末に本格稼働し、処理量は黒海港の約半分になると見込んでいる。ウクライナ農業連合は黒海港の輸出能力が約3分の1低下したと報告している。
原油タンカーの平均日額運賃は20万ドル強から30万ドル超へ上昇している。戦争保険料率は1%から最大2%へ上昇した。BIMCOは低輸送量が続くと世界の原油タンカー輸送量が約3%減少する可能性があると分析している。
市場・国際影響
ロシア外務省報道官マリア・ザハロワは、ウクライナの穀物・農業インフラへの攻撃が世界の食料価格上昇と穀物不足を深刻化させていると非難した。ロシア主要穀物ロビー団体は、黒海経由の穀物輸出が停止すればアフリカ・中東で飢餓リスクが高まると警告した。国連安全保障理事会は同様の懸念を表明している。
国連安全保障理事会は、黒海・アゾフ海での攻撃激化が世界の農産物市場と食料安全保障に重大な影響を及ぼすと警告した。これにより各国が食料供給リスクへの対応を検討する必要があると指摘された。国際社会は事態の拡大を防止するための協議を求められている。
シカゴ小麦先物は2026年8月12日に約3%上昇し、ユーロネクスト先物は約2.2%上昇した。シカゴ商品取引所のトウモロコシなど主要穀物先物も同日に価格が上昇した。これらの上昇は供給懸念に起因すると見られている。
2026年7月24日にシカゴ小麦先物は2年ぶりの高値まで急騰した。価格上昇は供給懸念が背景にあると指摘された。シカゴ商品取引所でトウモロコシ先物も同日に価格が上昇した。
ロシア外務省報道官は、攻撃は「軍事関連目標のみ」を対象とし、黒海での航行を不安定化させる施設への攻撃を継続すると表明した。ロシア防衛省はオデッサ港の石油・燃料インフラが意図的に標的にされたと主張した。これらの声明はロシア側の公式見解として報道された。