製品概要と技術的特徴
BYD RACCOは全長3,395 mm、全幅1,475 mm、全高1.8 m、ホイールベース2,520 mm、最小回転半径4.8 mです。車両重量は200グレードで1,160 kg、300Premiumグレードで1,230 kgです。車体の約70%に高強度鋼が使用され、ブレードバッテリーを車体フロアに直接組み込むCTB(Cell‑to‑Body)構造を採用しています。CTB構造によりねじり剛性が34%向上し、衝突安全性が高まります。
電動スライドドアが両側に標準装備され、光センサーによるハンズフリースライドドアが作動します。リアシートは左右独立スライドとリクライニングが可能で、座面高さ調整や背もたれ下げも行えます。室内寸法は長さ2,193 mm、幅1,351 mm、高さ1,404 mmです。後席使用時の荷室容量は280 L、後席を格納した場合は1,372 Lです。
計30カ所の収納スペースが設けられ、傘ベルトや雨滴受け皿が配置されています。ポップアップテーブルは耐荷重5 kgで使用可能です。これらの収納は乗員の多様な利用シーンに対応するよう設計されています。
価格・販売戦略と市場ポジション
200グレードの税別価格は215万円(2,145,000円)です。国のCEV補助金150,000円を適用すると実質価格は1,995,000円となります。バッテリー容量は22.40 kWhで、航続距離は210 kmです。このグレードは非ターボ車ユーザー向けに設定されています。
300Plusグレードの税別価格は240万円(2,398,000円)で、補助金差引後の実質価格は2,248,000円です。300Premiumグレードの税別価格は250万円(2,497,000円)で、実質価格は2,347,000円です。両グレードともバッテリー容量は35.84 kWh、航続距離は320 kmです。これらはターボ車ユーザー向けに訴求されています。
全グレードは補助金適用によりベース価格が200万円未満になるよう設定されています。販売目標は年間10,000台で、発売開始2週間で受注は1,000台を突破しました。発売は2026年7月28日で、8月1日から全国ショールームでデビューフェアが開催されます。「ラッコ楽っとプラン」では200グレードを月額19,300円から、頭金・ボーナス払いなしで5年(60回)払い、補助金分割払いが可能です。日本の軽自動車市場は年間約65万台で、主力車型はスーパーハイト軽のホンダ N‑BOXです。
競合する国産軽EVは総電力量20 kWh、航続距離180 km程度です。RACCOはスーパーハイト軽ワゴンEVとして日本初の軽EVであり、価格帯と航続性能で市場の空白を埋める位置付けです。そのためターボ車・非ターボ車双方のユーザー層に対して選択肢を提供しています。
販売体制・アフターサービス・開発背景
BYDは正規ディーラー網を100店舗超に拡大する計画で、2026年7月29日時点で78店舗が確認されています。車両本体の保証は6年または15万km、バッテリーは8年または16万kmで、延長保証により最長10年または20万kmまで適用できます。ロードアシスタンスは6年間、24時間365日提供されます。ユーザー評価はRoadSter Pilotで4.0点(評価件数2件)です。
標準装備には衝突被害軽減ブレーキ、踏み間違い抑制、ACC、車線逸脱警報・抑制、交通標識認識、ハイビームアシスト、前後パーキングセンサー、6エアバッグ、レーダー1基、800万画素カメラ1基、超音波センサー8基、幼児置き去り検知システム(CPD)が含まれます。OTA(Over‑The‑Air)アップデートとSDV(ソフトウェア定義車両)に対応し、機能拡張が可能です。これにより安全性能や利便性をソフトウェアで継続的に向上させることができます。
BYDはブレードバッテリー、モーター、インバーター、パワー半導体、車載ソフトウェアを自社で開発・生産する垂直統合サプライチェーンを構築しています。日本人技術者をプロジェクトリーダーに招聘し、開発期間は2年半で、元日産エース技術者が参画しました。プロトタイプは2025年10月29日のJapan Mobility Showで公開され、2026年2月16日に専用サイトが開設されました。2026年5月30日から全国展示キャラバンが開始され、7月14日に広瀬アリス出演のCMが放映されました。これらの活動は2026年7月28日の日本向け軽EV「RACCO」発売に向けたプロモーションとして実施されました。