MicrosoftのAI事業における財務実績と株式保有
Microsoftは2026会計年度(2026年6月末)に、OpenAIからの営業収入として241億米ドルをSECの10‑K(2026年7月29日提出)で開示しました。この収入は同社のAI事業全体売上約340億米ドルに含まれます。四半期決算(第4四半期)では売上規模の更新は行われていません。
AI事業全体の売上は、2024年12月四半期で年換算130億米ドル超、2025年3月四半期で年換算370億米ドル超と拡大しています。商業予約(RPO)は約510億米ドル増加し、OpenAIからの売上は全体の10%未満です。ただし、予約増加の主要な要因と評価されています。
情報公開後の米株式取引では株価が0.5%下落しました。KeyBanc Jackson Aderのアナリストは、クラウドサービス料と収益分配金の内訳が未解明であると指摘しています。MicrosoftはOpenAIの最大外部株主として希薄化後約27%を保有し、経済的権利は有しますが投票権はありません。2026年までに130億米ドルの投資コミットメントを行い、実績は119億米ドルです。
OpenAIの収益構造とAzure利用状況
OpenAIは2026会計年度にMicrosoftへ合計241億米ドルを支払いました。支払いは計算リソース費用、モデル開発費用、収益分配金から構成され、同社の全体売上に占めるMicrosoftからの収入は10%未満と報告されています。この金額はOpenAIの財務報告に記載されています。
OpenAIはAzureを唯一のクラウド算力提供先として利用し、算力使用料、推論料金、開発費用を支払っています。2024年の推論コストは約38億米ドル、2025年1〜9月の推論コストは約86.5億米ドルです。これらの支払いは契約に基づくものです。
Nonlinear Analytics創設者Olga Usvyatskyは、OpenAIがIPO準備の可能性を検討していることを指摘しています。OpenAIはAzure限定のAPI製品を提供し、非API製品は任意のクラウドで提供可能とする方針を保持しています。OpenAIは将来的にオープンウェイトモデルを公開できる可能性も保持しています。
提携関係・依存度低減策および市場動向
MicrosoftとOpenAIは2026年4月に協定を更新し、排他的条項を削除して他プラットフォームへの提供を許可しました。2026年6月期の規制提出書類で初めてOpenAI収益が明示されました。これによりOpenAIはMicrosoft以外のクラウドでもサービス提供が可能となります。
MicrosoftはOpenAIへの依存度低減策としてAnthropicへの投資・支援を継続し、2026年第4四半期にAnthropicから32億米ドルの利益を取得しました。フランスのAIスタートアップMistralにも投資を行い、AI事業の成長率は前年同期比123%です。AI事業全体に占めるOpenAIの比率は10%未満です。
OpenAIは2026年2月にAmazonと長期的な戦略的パートナーシップを締結し、同月にAzureサービスを2,500億米ドル相当で購入する契約を発表しました。Amazonは同時期にOpenAIへ500億米ドルの投資を行いました。これらの取引は両社の公式発表に基づくものです。