減税方針の概要と法案提出の経緯

高市首相は2027年7月27日に特別国会閉会後の記者会見で、食料品の消費税減税について速やかに法案を提出すると表明しました。

この表明は、政府と与野党の社会保障国民会議で結論を得た上で行われたとされています。

議長案は2027年4月1日から食料品の消費税率を8%から1%に引き下げ、2年間限定で実施する内容です。

1%相当分(年6,000億円強)は低中所得者向けの所得に連動した給付で先行実施し、実質ゼロ化を目指すとされています。

政府・与党は議長案を軸に最終調整に入り、首相は週内に方向性を示す見通しであるとしています。

同時に、首相は8月初めまでに減税方針を決定する考えを表明し、減税への決意は揺らいでいないとの見方が主流です。

財源確保と給付付き税額控除の構想

議長案の財源は、補助金や企業の法人税軽減などの租税特別措置の見直し、追加的な税外収入の確保により、特例公債(赤字国債)に頼らず賄うと示されています。

この財源策は、減税による税収減(年間約4〜5兆円、2年間で約10兆円)を補填する目的で検討されています。

給付付き税額控除は、税額控除と未控除分の現金給付を組み合わせた制度で、ミルトン・フリードマンの負の所得税概念に近いとされています。

野党は2027年度から社会保険料還付付き税額控除(5万円の減税)を導入し、速やかに定額給付を行うべきと主張しています。

赤羽一嘉税調会長は、食料品の恒久的な消費税ゼロを引き続き目指すとしつつ、2年間限定の減税は終了後に大幅な増税となり国民生活に大きなダメージを与えると説明しています。

しかし、議長案は給付で実質ゼロ化を図ることで、短期的な負担軽減を実現しようとする姿勢が示されています。

与野党の立場と合意形成の状況

国民会議実務者会議は同日、食料品の消費税を来年4月から2年間限定で1%に引き下げる議長案と野党の主張を併記し、「意見の一致には至らなかった」とする中間とりまとめ修正案を示しました。

与野党は合意を断念したものの、修正案は大筋で了承されたとされています。

中間とりまとめ案は2027年7月29日の実務者会議を経て、同日中に首相が出席する国民会議に報告される予定です。

この報告は、政府・与党が議長案を軸に最終調整を進める上での重要なステップとなります。

中道改革連合・公明党は2年間限定の減税に反対し、来年4月を待たずに早急に定額給付を実施すべきと主張しています。

国民民主党は消費税率を一律5%に引き下げ、年内に社会保険料の還付として約5万円を給付し、続いて住民税や所得税の減税を求めています。

小野寺五典税制調査会長は、実務者会議後に野党が食料品の1%案に反対していることを指摘しました。

古川元久代表代行は、スピード感の観点からまず現金給付に着手すべきだと述べ、合意がまとまらなかったことを「極めて遺憾」と語っています。