食料品消費税ゼロ化の提案と財源見通し

高市早苗首相は、食料品に対する消費税率を2年間限定でゼロにする「つなぎ」策を提案した。

この提案は、政府が秋の臨時国会に消費減税実施のための法案を提出する構えであることと併せて示された。

政府は、食料品の消費税ゼロ化により年間約5兆円の税収減少が見込まれると説明し、特例公債に頼らず租税特別措置や補助金の縮小、税外収入等で財源を捻出するとした。

給付付き税額控除の概要と議論の現状

高市首相は、所得税の控除額が足りない低所得者に対し、超過分を現金給付で補填する「給付付き税額控除」の導入を検討していると表明した。

給付付き税額控除は、控除額が5万円で納税額が3万円の場合は2万円が現金給付され、納税額がゼロの世帯には全額が給付される仕組みであると定義された。

政府は、給付付き税額控除の導入までに約3年を要するとし、2026年7月16日に2029年度本格導入で与野党が大筋合意したことを踏まえて、当面は税額控除を使用せず現金給付に一本化して開始する方針を示した。

国民会議の構造と政策決定プロセス

社会保障国民会議は、与野党の議員らで構成され、実務者会議と有識者会議を下位組織として持つ形式を採っている。

実務者会議は週1回程度のペースで議論を進め、2026年3月25日に国会内で開催されたことが報じられている。

有識者会議は税額控除に関する論点を整理し、実務者会議に提示している。

小野寺五典議長は、実務者会議において食料品の消費税率を2027年4月から2029年3月末までの2年間、1%に引き下げる案を提示した。

同案は、年約6千億円規模の税収を中低所得者向けの所得連動給付として先行実施し、実質ゼロ化を目指す内容であり、財源は補助金や法人税減免などの租税特別措置の見直しと追加的な税外収入で賄うとされた。

野党は、2027年度から社会保険料還付付き税額控除(5万円の減税)や速やかな定額給付を含む案を提示し、議長案に対して強く反対した。

実務者会議は、低中所得者への対応の必要性は共有したものの、具体的な案については意見の一致に至らず、給付付き税額控除の合意を優先し減税議論を持ち越すことを結論づけた。

政府は、2026年9月に法案を提出し、2027年4月から食料品の消費税率を8%から1%に引き下げる方針で調整を進めている。

同時に、2027年秋に約6千億円規模の所得連動給付を実施し、特例公債に依存しない財源確保を目指すとした。