企業価値評価(valuation)における値付け(プライシング)がいかに難しいか、

価値(バリュー)と価格(プライス)は異なり、

価値(バリュー)は、誰が買い手となり経営するかによって異なる、

ということを改めて考えさせられた。



サントリーホールディングス(SUNTORY)の佐治信忠社長は会見(8日午後)にて、
「最終的な統合比率で合意に至らなかった」
とコメントしている。

朝日新聞(2010年2月9日)によれば、「キリン1に対してサントリー0.5程度は、『サントリーの企業価値はキリンの半分』と突きつけられ、創業家社長のプライドが大きく傷ついたのだ」とある。
ブラウン管から覗く佐治信忠社長の目付き表情を見てみると、そのような感じである。
しかし、佐山展生(テレビ朝日「報道ステーション」2010年2月8日放送)が言うように、国内市場だけでは利益が限られてくる中で、今後拡大していくにはグローバル市場を視野に入れたM&Aが必要になってくる。

稼いだ利益は事業に投じるだけでなく、ホールや学芸賞などの文化活動、お客や取引先へのサービスとしても還元する「利益三分主義」を提唱していくのであれば、コカ・コーラを越えるような売上高を出せる企業体にしていかなければ、その維持向上は困難だろう。

鳥井信治郎氏の流れをくむ創業家の資産管理会社「寿不動産」に包まれたサントリーホールディングスの今のあり方と佐治信忠社長のあの目付き(視野)では、どんな企業とも折りが合わないような気がした。

【世界の主な食品メーカー売上高(2008年度)】

ネスレ(スイス)…9.9兆円
ユニリーバ(英・オランダ)…5.0兆円
ペプシコ(米)…3.9兆円
クラフト・フーズ(米)…3.8兆円
コカ・コーラ(米)…2.8兆円
キリンホールディングス(日)…2.3兆円
サントリーホールディングス(日)…1.5兆円
アサヒビール(日)…1.4兆円
味の素(日)…1.1兆円

出典:朝日新聞2010年2月9日
(海外企業の売上高は2月上旬の為替水準で換算)


※参考文献・資料
[1]アビームM&Aコンサルティング『M&Aにおけるプライシングの実務』中央経済社,2008年。
[2]アビームM&Aコンサルティング『M&Aを成功に導くビジネスデューデリジェンスの実務』中央経済社,2006年。
[3]落合誠一『わが国M&Aの課題と展望』中央経済社,2006年。
[4]落合稔『CFOハンドブック』中央経済社,2006年。
[5]朝日新聞2010年2月9日。
[6]朝日新聞(夕刊)2010年2月8日。
[7]TBSテレビ「ニュースキャスター」2010年2月13日放送。
[8]テレビ朝日「報道ステーション」2010年2月8日放送。