まいどーおおきに 河内の樹々の独り言 -2ページ目
南地 夜ばなし うさぎのうどん屋 🉂

立ち飲み屋で耳にした。
「満月の夜にやな、どっかに現れる屋台のうどん屋、ものごっつう美味いがどこに出てるか分かれへん けどいっぺん食べてみ うまいで~」

男は師走も近い十二月のはじめ立ち飲み屋で熱燗を三本、行きつけのラウンジでビールと水割りを飲んで上機嫌で店を出た。
空を見上げると満月である。 
小腹もすいたのでうどんでも食べようと思い屋台のうどん屋を探した。
畳屋町から八幡筋、三津寺筋、宗右衛門町を堺筋方面に探して歩く。
散々探しまくっているうち、堺筋のタクシー乗り場付近で一軒の屋台を見つけた。
ちょうちんも何もないずいぶん古びた屋台だ。
木でできた長椅子が二脚あるだけの質素なつくりだ。
小さな植え込みがあり、うどんの鉢を持った酔客がこちらに背を向けてうどんをすすっている。
屋台の中では四十代半ばの色白の女が一人うどんを温めている。 
品書きも何もないのでためらっていると、
「月見うどんだけなんです、申し訳ありません」と言った。
満月の夜の月見うどんも風情があってよいと思い、男は月見うどんを注文した。
待っている間に手持無沙汰なので女を観察する。
色白で細面、一杯飲んでいるようなほんのりとした赤い目が潤んでいるのが色っぽい。
着物は紺地にうさぎ模様の小紋、大変珍しい柄だ。
後ろを振り向くと植え込みの縁に腰かけている客は小柄で猫背だ。そして耳が少し長いように感じた。
「お待たせしました」
月見うどんはとてもおいしいのでお代わりを注文しようとすると
「今夜は特別にお酒をお出ししましょう」と言って冷酒をグラスに注いでくれた。
この寒い時期に冷酒?と一瞬思ったが、卑しいかな手が出てしまった。
冷えたグラスを唇に持っていき一口飲む、喉元を過ぎ胃袋に到着する頃には、全身が冷えを通り越して汗が噴き出す。
その時食べ終わった客が鉢を返しにやって来た。
人間は一人もいない、スーツやオーバーを着たうさぎだ。

「なんでやねん・・・・・」

ふり向くと女はうすら笑いを浮かべていた。


                                                          お わ り

2025.10.6  改編 孤老の樹々
















森のパン屋さん

町を見下ろす小高い丘にひときわ目立つ森がありました。
朝早くから夜遅くまで窓の明かりが灯いていました。
オーナーは豚のおじさん、ひとりでパンを焼くのでとても忙しく休む暇もありません。

森にはたくさんの動物がすんでいます。
リス、ウサギ、タヌキ、クマ、ムササビ、森の動物たちは豚のおじさんの焼いたパンが大好きです。
でもお金がないので買うことが出来ません。
ある日動物たちはみんな集まって、豚のおじさんに頼んで木の実を集めたり、薪を運んだりお手伝いをしようと話しあいました。相談がまとまると豚のおじさんの所に行って話すと「一度やってみなさい」と言ってくれました
薪が足らないので、太い木から小枝まで取ってきてほしい。太い木は薪にしてほしい。
食べられる木の実を集めてほしい。注文はどんどん増えます。森の動物たちは総動員です。
クマ君は木を倒し縄をつけて引っ張ります。
サル君やウサギさんは小枝を拾い集めます。
タヌキ君は小枝を背負うのは慣れています。
ムササビ君は森の中を飛んで連絡係です。
リス君やサル君は木の実を拾い集めています。
たくさんのパンの材料がそろいました。
明日の朝からパンの種類も増えたので大忙しです。クマ君は大きなかまどに火を入れて火の番です。
サル君とウサギさんは手袋をはめて練ったパンの生地を型に入れます。タヌキ君は出来上がったパンを入れる袋を準備します。そろそろパンが焼けはじめました。
そろそろムササビ君の出番です。本日のメニューをリュックに入れて町の上に飛んでいきました。
町の人達は旬のパンの多さに驚きました。
もう店の前は長い列ができています。開店して三時間で最初の窯のパンは売り切れです。
それから二回続けて焼きましたがすべて完売でした。
お昼過ぎには明日の準備です。
豚おじさんの所に報告に行くと大喜びです。
夕方になって豚おじさんはお昼の食事をしていないので、森の動物たちにおなか一杯食べてもらいました。
それからは豚おじさんと森の動物たちは仲良くパンを焼いて働きました。                  

    お し ま い



シニアカーで出かける事が多くなって車椅子でトイレを利用する時に知った「オストメイト対応トイレ」とは

オストメイトのための設備がある多機能トイレの入口に表示されています。






オストメイト対応トイレは、ストーマ装具を定期的に管理する必要があるため、オストメイトが安心して外出できる環境を整備しています。
また、オストメイトマークの他にもオストメイトの方の中には、ヘルプマークを持ち歩いている方もいます。ヘルプマークを持ち歩いている方もオストメイト対応トイレを利用されています。



オストメイトとは
病気や事故が原因となって手術でストーマ(排泄口)をおなかにつくり、ストーマを介して人工的に排便や排尿をしている人のことを「オストメイト」といいます。
オストメイトは自分の腸や尿管をおなかまで出し、ストーマ装具(パウチ)をつけて排泄物を一時的にためています。
オストメイトの人口は約21万人であり、人口比率は約17%※となっています。

ストーマとは
手術でおなかにつくられた便や尿を排泄する穴を「ストーマ」といいます。
ストーマには人工肛門と人工膀胱があります。
そして人工肛門のことを「消化管ストーマ」、人工膀胱のことを「尿路ストーマ」と呼び、両方ある場合は「ダブルストーマ」と 呼びます。
ストーマは腸や尿管をおなかに出している粘膜のため赤い色をしており、痛みを感じる神経はなく、触ったりしても問題ありません。
また、粘膜は常に腸液や粘液が分泌されており乾くことがありません。排泄までの過程には「ためる・便意・我慢・排泄」がありますが、ストーマを設けると無意識に排泄されます。

オストメイト対応トイレはどんなトイレ?
ストーマ装具にたまった排泄物は定期的に処理する必要があります。オストメイト対応トイレとは、処理したときに汚れたストーマ周辺と衣服の洗浄や清拭、ストーマ装具の交換・洗濯・廃棄ができる設備が整ったトイレです。
オストメイト対応トイレは、公共交通機関の施設構内、官公庁施設や商業施設内に設置されていることが多いです。