創作童話 森のパン屋さん | まいどーおおきに 河内の樹々の独り言
森のパン屋さん

町を見下ろす小高い丘にひときわ目立つ森がありました。
朝早くから夜遅くまで窓の明かりが灯いていました。
オーナーは豚のおじさん、ひとりでパンを焼くのでとても忙しく休む暇もありません。

森にはたくさんの動物がすんでいます。
リス、ウサギ、タヌキ、クマ、ムササビ、森の動物たちは豚のおじさんの焼いたパンが大好きです。
でもお金がないので買うことが出来ません。
ある日動物たちはみんな集まって、豚のおじさんに頼んで木の実を集めたり、薪を運んだりお手伝いをしようと話しあいました。相談がまとまると豚のおじさんの所に行って話すと「一度やってみなさい」と言ってくれました
薪が足らないので、太い木から小枝まで取ってきてほしい。太い木は薪にしてほしい。
食べられる木の実を集めてほしい。注文はどんどん増えます。森の動物たちは総動員です。
クマ君は木を倒し縄をつけて引っ張ります。
サル君やウサギさんは小枝を拾い集めます。
タヌキ君は小枝を背負うのは慣れています。
ムササビ君は森の中を飛んで連絡係です。
リス君やサル君は木の実を拾い集めています。
たくさんのパンの材料がそろいました。
明日の朝からパンの種類も増えたので大忙しです。クマ君は大きなかまどに火を入れて火の番です。
サル君とウサギさんは手袋をはめて練ったパンの生地を型に入れます。タヌキ君は出来上がったパンを入れる袋を準備します。そろそろパンが焼けはじめました。
そろそろムササビ君の出番です。本日のメニューをリュックに入れて町の上に飛んでいきました。
町の人達は旬のパンの多さに驚きました。
もう店の前は長い列ができています。開店して三時間で最初の窯のパンは売り切れです。
それから二回続けて焼きましたがすべて完売でした。
お昼過ぎには明日の準備です。
豚おじさんの所に報告に行くと大喜びです。
夕方になって豚おじさんはお昼の食事をしていないので、森の動物たちにおなか一杯食べてもらいました。
それからは豚おじさんと森の動物たちは仲良くパンを焼いて働きました。                  

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