PYRAMID「Brand-New Summer」 | VOZlog(ボズログ)

VOZlog(ボズログ)

VOZ Records(ボズレコード)の主宰者堀克巳がふと思ったことなど。

 鳥山雄司さんと神保彰さんのユニットPYRAMIDの新曲「Brand-New Summer」が先週8/7に発売になった。
 音源の制作は完全にお二人で作っていて、僕はレーベルとして配信の手配や宣伝など、その楽曲を広めるすごとをやらせてもらっている。

 僕が最初に関わったアルバム「PYRAMID 5」はクラウドファンディングで制作費を集め、福原みほさん、KAN SANOさん、mabanuaさん、さらささん、Millie Snowさんなどボーカルを多数フィーチャーした作品だった。

 しかし今回は、お二人の原点である”インスト”にこだわっている。
 神保さんはご存知の通り、日本のフュージョンを代表するバンド、カシオペアのメンバーだったわけだし、鳥山さんも若き天才フュージョン・ギタリストとしてキャリアをスタートさせ、当時のアルバムが海外で再発されたり再評価されている。
 
 また、PYRAMIDの作品の中でも最も”打ち込み感”の強い「PYRAMID4」(2018)の楽曲が去年あたりからSpotifyのアルゴリズムでアメリカの20代男性中心に聴かれるようになっているという状況がある。
 付け加えると、シティポップ・ブームと連動するように、カシオペア、高中正義、菊池ひみこなどの日本のフュージョン/クロスオーヴァーが海外で火がつき始めてる、という動きもあるが、常に新しく面白そうなサウンドを求めているお二人は、単に懐かしいフュージョンに回帰しようという意向は微塵もないようだ。

 そうして制作された「Brand-New Summer」は、パッと聴きするだけだと、かつての爽快な夏のフュージョンサウンドとの接点もなくはないのだが、懐かしさは感じられない。それはリズムまわりが、今の時代らしくアップデートされていることが大きい。

 そのあたりの説明は、この曲のプロモーション用にお二人からもらったコメントがわかりやすいので掲載させていただく。

「ボサノバ的なリズムだったのを倍速のドラムンベースにして、コード進行とリズムは一定で、その上に乗るメロディーが変化するようなスタイルの曲です。デモの名前が<神保ブラジル>で、そこから<ジンブラ>、<ブラジンボ>と変化し、最終的に「ブランニューサマー」という曲名になりました。手付かずの夏、ワクワク感を感じる一曲です」                                           (神保彰<作曲>)

「打ち込みのグリッドに演奏を合わせるというより演奏の臨場感を出そうとしました。
トラックはボサノバ、ドラムとギターがドラムンベース的なダブルビートという組み合わせなので、単に「爽やか」では収まらない仕上がりになったと思います」         (鳥山雄司<アレンジ>)



PYRAMID「Brand-New Summer」配信サイトへのリンク