いや、驚いた
経済学者でありアゴラ研究所代表取締役所長という肩書を持つ池田信夫氏による投稿。
その名も「スキャンダリズム」。
固有名詞の後にイズムをつけて、~主義、~説、~教を表す言葉だという(ネット検索)。しっかりとした根拠がなくとも、何かアカデミックな印象を与える便利な言葉でもある。しかし、範囲がアバウトすぎて何も語っていないか、あるいは語った気になってしまうのが残念なことだが。。。
4月28日付、JBpress配信「立憲民主党の『スキャンダリズムが政治を腐らせた』」の報道。
池田氏によると「スキャンダリズム」は野党の伝統でもあり、昭和初期から野党の戦術だったという。
さらに、今回の統一地方選挙での立憲民主党の戦い方は、55年体制の社会党の戦略を引き継いでいるとして、文頭から、事実誤認の”立民、山口4区の有田芳生候補の「下関は云々」”を挙げて、有田氏の統一教会の取り組みを非難している。この時点で池田氏は、すでにスキャンダラスな偽情報に翻弄されていたことになる。スキャンダルに弱いのは大衆ばかりではなさそうだ。
さらに、
政権を追及する争点が防衛費や少子化対策などがある中で、立憲はなぜ統一教会なのか?あるいは立憲が政権を追及する争点がそれしかないのだという決めつけには、アベイズムの真骨頂を見る思いがする。
民主主義制度の根幹でもある選挙制度がゆがめられ、政策にまで影響を及ぼしかねない統一教会の問題に、議会人として問題とするのは当然で、むしろ安倍政権が続く中でこの問題が闇に葬られていたことが悔やまれる。自民党の国会議員の自浄能力の欠如は深刻である。
また、子供が安心安全に暮らす社会、安心して子供が産める社会(少子化対策)はとりもなおさず宗教2世問題とも重なる。しかも池田氏によると、立憲が国防や社会保障のような専門的な問題は難しすぎて理解できないので統一教会のような問題でしか政権を追及できない、、、ここまでくると、言葉を失うが、池田氏にはまず時間を作ってじっくりと国会答弁を見聞され、思い込みではなく実態を把握されることをお勧めする。
2点目として、どうやら池田氏が言うところの「スキャンダル」とは、政権が触れてほしくない、隠蔽したい事案を指していることがわかる。
池田氏の野党嫌いはここまでくると「お好きにどうぞ」というほかないが、ただ、文中で取り上げている、*しょぼい話*…追及する価値のない話として森友学園・加計学園問題をあげ、安倍元首相の暗殺を野党は政治利用している云々については野党憎しの域を超え常識の範疇を超えている。
自民党の森山裕氏(勤続25年)のような包容力のある知性を前にすると、心がほどけて正常な議論も成り立つが、初めから思い込みという壁の中に閉じこもった議論では、外界からも遮断され、もちろん異論に対する包容力も望めない。
4月28日の衆院での法務委員会。「出入国管理に関する特例法の一部を改正する法律案について」の審議。
立憲の寺田学氏の質疑。2年前、入管法の審議に立っていた寺田氏自らの反省点については、誰しも思い至ることであり非常に説得力があり心打たれた。齋藤法務大臣も同様の印象を語っている。
相手をたたく、あるいは勝つための論争は無益な結果となる・・・本当にそうだと思う。