23日午後、岸田首相の施政方針演説。
何も響かない。
ことばではリキ(力)を込めているらしいが願望だけの言葉の羅列。中身がガランドウの演説に心までガランドウになってくる・・・以下23日、朝日新聞夕刊より。
首相が危機感を示す少子化。昨年の出生数は80万人を割り込むと見込まれることから「社会機能を維持できるかどうかの瀬戸際とも呼ぶべき状況におかれている」「待ったなしの先送りの許されない課題だ」「出生率を反転させなければならない」等々。
少子高齢化と言われて久しいが、これまでの自民党政権の取り組みは何だったのだろう?
また、「賃上げ」も「新しい資本主義」では、企業が収益を上げて、労働者にその果実をしっかり分配し、消費が伸びる。いわゆる経済の好循環をいっているらしいが、なんとなく、不発に終わった安倍政権のトリクルダウンが思い出される。
そして、
岸田政権肝いりの「防衛力の抜本的強化」。
岸田首相にとっての防衛力の強化とは、防衛の質よりも、いかに防衛装備に多額の費用をかけるかという、金額の多寡に関心があるらしい。米国への配慮なのか?
加えて、
珍しく自意識の発露ともいうべきセリフ。「将来世代に先送りすることなく、令和9年度(27年度)に向けて、今を生きる我々が、将来世代への責任として対応していく」・・・将来世代に先送りし続けてきたのは、ほとんど政権を担ってきた自民党政権であることを忘れているのではないか。確かにこのような政権の有りようを黙認し続けてきた国民にも責任がある。岸田首相流に解釈すれば、戦争が勃発した場合は政権だけでなく、我々国民の責任になるという事なのか。
残念ながら、力が入れば入るほど空疎な言葉になってしまう岸田首相。具体性に欠けるのは等身大で国民に向かい合っていないせいなのかもしれない。何よりハートが感じられないのは致命的である。