立憲の「外交・安全保障戦略の方向性」が公表された。
それはそれとして、
近頃、日本の浮足立った騒がしさの中にいて、沈着冷静なはずの国会議員はじめ、首相までおかしくなっている状況を横目に見ながら、周囲の状況がもっと厳しくなったらこれらの国会議員はおそらく使い物にはならないのではないかという疑念が大きくなる。威勢のいい発言にだけに注目が集まる現在の現象は歴史的に繰り返される戦争前を想像してしまう。
今回のブログ「戦略なき防衛」と題したのは、現在の日本の状況は防衛装備に目を奪われ、肝心の歴史を通じた学びが無いように思われる事から、現在のウクライナ、ロシアの状況とキューバ危機との関連性についてネットで検索していたところ、「キューバ危機(1962年)は何故回避できたか」という2017年1月19日付の保城広至氏が書かれた危機対応学に関するこの論文にたどり着いた。
<感銘を受けた本文での記述及び、二つ目は後半部分については一部削除>
「最終的にキューバ危機を回避した米国とソ連の政策決定過程に関して二つの教訓を導き出すことができる」
その一つは、
討議の重要性。ケネディ政権のように、多様なメンバーによる議論をある程度続けることが好ましい。これにより選択肢も増え、ある政策を採用した場合に生じうる結果の予想頻度も上がる。
二つ目、
この討議を可能にしたある程度の時間の必要性である。ミサイル基地が発見されてから海上封鎖が決定されるまで、4日という時間があった。この4日間で、ExCommのメンバーは様々な意見変遷を経験した。国際危機が生じたときは、即座にその対応を取らなければならず、時間的な余裕はあまりないことが多い。それでもなお、個人の即決によって政策が決まってしまえば、結果は悲惨なことになりかねない。米政府による海上封鎖の発表から、実際に封鎖されるまではさらに3日という時間があった。この3日がソ連に時間的猶予を与えたことでソ連は様々な選択肢を考慮することができ最終的なミサイル撤去へと繋がった。
私たちは愚かな歴史をしっかりと分析し、繰り返さない知恵を持つことが次世代の子供たちのためにも絶対必要なことだと思う。ちなみに。保城氏は東京大学教授。ご専門が国際関係論、現代日本外交。著書に「歴史から理論を創造する方法」がある。
もっとじっくり考えるためにももっと保城氏の著書に触れたいと思う。
「相手が日本への攻撃に着手したと判断すれば相手の攻撃拠点などを攻撃できる」素晴らしい即決速攻の日本の防衛政策人間の知恵、叡智からはあまりにも程遠く目が眩む。