11月30日。参院予算委員会(NHKテレビ)で立憲の塩村文夏氏による衆院議員、杉田水脈総務政務官に対する質疑が行われた。

 これまで委員会でも度々杉田氏のヘイトスピーチに関する追及が行われて来た。そのたびに杉田氏の時間稼ぎのような答弁が続き、岸田首相のコメントもこれまた判で押したような発言が繰り返された。杉田氏の問題発言を「過去の話」とし、今後現内閣の一員として適切に対応してほしい、つまり杉田氏の過去は問われるべきことではないという判断。

 今回の塩村氏の追及は杉田氏の弁明と岸田首相の立ち位置を明確にした点でよかったと思う。

 

過去の話といっても、FLASH(12月1日配信)報道によると、杉田氏は2014年、2016年、2018年と様々な聞くに堪えない言動を繰り返している。そして、2022年、性暴力被害を訴えた伊藤詩織さんへのツイッターの誹謗中傷に「いいね」を大量に押していた杉田氏への東京高裁判決。この件は2018年の英国BBC番組でのインタビューも、「彼女の場合は明らかに女として落ち度があった」発言。

 2014年からの杉田氏の発言の軌跡をたどってみるとその底辺にあるのは冷静な思考の結果ではなく、ほとんど執拗で冷酷な言葉の数々である。

 

葉梨氏の「死刑はんこ」発言よりも性質が悪い。

多少でも何らかの正義感からというのであれば救いはあるが、杉田氏の言動を分析するまでもなくほとんど憎悪が源流になっている。思考結果としての言葉は、政治家の政治生命に関わる大事なツールともいえる。冷静な思考のもとに言葉を紡ぐことができなければ政治家として既に終わっている。しかも55才という年齢を考えると、心の発達、成長の時期はとっくに終わっている。自分の子供だったら自責の念に駆られ大いに悔やむところではないかと思う。

 

それでも、尚

岸田首相は、2日、杉田氏について職責を果たすだけの能力を持った人物として判断した。政府の方針に従って職責に専念してもらう」と述べた(KYODO配信)と伝えている。

 

岸田氏自身、既に政治家としての冷静な思考力が無くなっているのでは?・・・外交は内政の反映でしかない。外交だけとびぬけて良いなんてことはなく、内政面における良質な判断の後ろ盾があって海外からの評価が決まる・・・この杉田氏対応。良質な判断のかけらもない。