頼りにする政権内部から腐ってゆく。

 

岸田総理にとって本当にやりきれない状況ではないかと思う。経済、安全保障環境、コロナ、災害を含む地球環境、エネルギー、少子高齢化にともなう農業を含めた国内産業の遅れ。

 ここ10年、日銀誘導の経済が続く中で、国民は本当の実体経済が分からない。対策が見えないまゝじり貧にすべてが傾いていく感覚は何を頑張っていっていいのかさえ分からず、頼りの政治は思いつくままに対策?を乱発する。目標がかすんでいる社会は全体の士気にも影響する。様々な問題が押し寄せる中で、舵を取るはずの人間の質の低下、鼻の先しか見えていない政治家の質の劣化は、国民にとってダブルに絶望的に映る。

 

そして、岸田首相。

岸田さんの慎重にも慎重な性格は現代の目まぐるしく変わる速度に追いついて行けてないのかもしれない。決断を先延ばしにすることで政権の結果責任から逃れても、皮肉なことに決断を先延ばしにしたという結果責任がついて回る。

むしろ、結果を受け止め、しっかりとした分析のもとに次へのステップへ進むことは政権としての成長につながるのではないかと思う。岸田さんを囲む人的資源の貧しさは気の毒に思うが、政権維持のために決断を先延ばしにすることで、決断すべき最適な時期を見誤り、結果、大きな代償を負う事になってしまう。

 

今回は、メディアによって政治家の発言が問題視され、本人の辞任、更迭決済となった葉梨法務大臣。むしろ決済過程においてまだ誤魔化せるかのような言い訳に終始していた。こういった人間的に?のつく政治家は、国会審議を見ていてホントにたくさんいる。

 特に、この法務大臣の発言は国民の目から見ても見過ごせず、ここに自分なりの印象をまとめておきたいと思う。

 

9日の外務副大臣のパーティでの葉梨氏の発言。①「法務大臣というのは、朝、死刑のはんこを押して、昼のニュースのトップになるのはそういう時だけ、という地味な役職なんです」。また、この発言以外に②「今回はなぜか世界平和統一家庭連合(旧統一教会)に抱きつかれてしまいました。ただ、抱きつかれたというよりは一生懸命、その問題解決に取り組まないといけないと言うようなことで、私の顔もいくらかテレビに出るようになったということでございます」、さらに③「外務省と法務省は票とお金に縁がない。外務副大臣、法相になってもお金が集まらない」

(11日付、AERAdot配信より)

 

思えば、葉梨氏が国会議長を務めた時、自民党の答弁者に肩入れし公平とは言えない議会運営についてブログに上げたことがある。

今回の事で、葉梨氏の発言撤回のながれを見ていると、選りすぐった言葉の上に執行される法の担い手としての法務大臣というイメージからは程遠い。

「はんこ」に託される人の命。そして「はんこ」という音の軽さに人の命を重ねる感性。法のノウハウには詳しいが、法以前に人間としての完成度からは程遠い。

 

このニュースで新たに分かった事実として、葉梨氏の挨拶の前段のプロローグに当たる部分「死刑のはんこ~」は、葉梨氏のお気に入りのフレーズだったらしく、これまで分かっているだけで4~5回にわたって同じことを話のネタにしたという。決して滑った失言とは言えずもともとの性格によるものだといえる。

 古い話になるが、麻生氏の日本国憲法の改憲についての講演の中でナチスのワイマール憲法を引き合いに、「ナチスの手口を学んだら~」に、聴衆(議員)から笑い声が上がったという。自民党議員の伝統芸なのかもしれない。

 

加えて、上記に並ぶ粗雑な答弁を繰り返している総務政務官の杉田水脈氏。「係争中で答えられない」を繰り返すことで杉田氏は自身を護っているつもりなのかもしれないが、かえって政治家としての誠実さが疑われることを理解しているのだろうか?

氏のLGBT発言、ジャーナリストの伊藤詩織さんを誹謗中傷するツイートに繰り返し「いいね」を押したことが名誉棄損に当たるとして東京高等裁判所から賠償を命じられていることを受け裁判所に上告しているという。

 この一連の流れは既に政治倫理、葉梨法務大臣と同様に人間としての感性,資質に問題ある様に思う。

そして、

寺田総務相、萩生田政調会長と続くが、寺田氏の始めの答弁は自信たっぷりで野党の質疑者に対する態度も少し嘲笑気味にさえ見えた。政治資金規正法を所管する大臣らしからぬ「政治とカネ」の問題。自身の政治団体が政治資金収支報告書に添付した「寺田稔」宛ての領収書でさえ偽造疑惑が出ている。当初のあの自信たっぷりないんぎん無礼ともいえる答弁を考えると恥ずかしすぎる展開になっている。

 萩生田氏については、故安倍総理に近い人間として、旧統一教会との関係の深さを一番目に指摘されていた人物でもある。その萩生田氏が同じ教団との関係で閣僚を辞任した山際氏を4日後にコロナウイルス対策本部長に就任させた。萩生田氏の説明は「コロナ対策で失政があったわけではない。今までの知見を活かして、仕事をしてもらいたい。私の判断で指名した」という。

 今まで、山際氏がコロナ対策で失政に値するような対策をしていたのかがまず問われる。また、今までの山際氏のコロナに対する知見とは何か?ほとんど教団との関係でメディアから追及され記憶に無いを繰り返してきた人物である。最後、私(萩生田氏)の判断については、教団との関係が深かった人物の判断とは何を意味するのか?自身の判断力に自信があるのであれば、宗教まがいの教団に深入りし、一方で多くの被害者(国民)を生む結果になったことをどのように自身で総括しているのだろうか?

 

ホントに今の政治家おかしいというより国民を舐めている。

この2,3日、腹立たしい事が多かった…この怒り、決して忘れないようにしようと思う。