「アサイです~!」

「ラムっすラムっすラムっす~!」

「長いの、定番化したな~!」

「ラムっす!」

「二人、合わせて!」

「アサイラムです!」

「コンビ名は、パク/オマージュです!」

「今回の、作品は!」

「作品はっす~!」

「『真夏の夜のジャズ』!」


「……っす……」

「……ああ……」

「……っす……」

「言いたい事、判るぞ!」

「……っす……」

「今回はな…」

「今迄で一番、畏れ多いっす……」

「確かにな……」

「我々が、扱って良いのかっす……」

「確かにな……」

「ヤバいっす……」

「確かに……だが、いいか!やるしか無い!相応しかろうと、相応しく無かろうと、これまでだって採点して来たんだ!」

「そうっすね……」

「確かに、映画の神様とジャズの神様の天罰が、下りそうではあるが!やるぞ!」

「了解っす~!」

「という訳で、採点に至るまで悩みまくった、本作は!」

「ぶっちゃけ、今更採点の必要が有るのかどうかという『伝説の名作』っす~!」

「ドキュメンタリー、記録映画です!」

「アメリカの港町、ニューポートで開催された『ニューポート・ジャズフェスティバル』、追ってるっす~!」

「実際は、3日間に渡って開催されたらしいですが、編集して「ジャズフェスティバルの1日」に成ってます!」

「同じ時に、『アメリカズ・カップ』というヨットレースも開催されてたらしく、その映像も、入れ込まれてるっす!というか、世間的には、ヨットレースの方が主だったんじゃないかって気も、するっす!」

「ルイ・アームストロング、セロニアス・モンク、アニタ・オデイ、チャック・ベリー、マヘリア・ジャクソン…凄い顔触れ、出て参ります!」

「本当、見事な面々っす……そして、そもそも、それ自体で素晴らしい演奏、ステージを撮影して、『素晴らしい映画』にしようとするというのは、限り無く難しい事っす!」

「撮る側の、色々な事柄は全て『余計な事』に成る可能性、極めて高いです……カメラ据えっぱなしにしてステージそのまま撮っていればそれが一番、というのも真実です!」

「此の作品では、素晴らしい演奏を、在るがまま……有るままに撮りつつ、一方で『映画作品』としてもう一段、高い所に持っていってるっす~!」

「素晴らしいです……奇跡です!」

「監督は、バート・スターンという人で、著名な写真家だったそうっす~偉大な、仕事っす!」

「真の功労者は、編集担当した人達だったかもしれないけれどな~!」

「当然ながら、素晴らしいステージの映像出て来るっす……加えて、夏の、バカンスの街の情景や、言った様にヨットレース、アメリカズカップの映像、入れ込まれるっす!」

「何より多く入れ込まれ、効果的に世界を作っているのが、客席の様子映像です!」

「結果、文化資料としても、貴重に成ってるっすよね~!」

「写真家らしい、『そのままの姿』の映像!」

「ぶっちゃけ、一般人の皆さんっすから『絵に成る』訳じゃ、無いんっすけど…」

「美化するでも無く、変に歪めた様にするでも無く、透徹して撮ってます!」

「全てがギリギリ、『これしか無い』に撮影されてるっすよね~!」

「観ると、その人の音楽能力上がります、真面目な話!」

「おふざけで無く『神』を感じさせる、作品っすよね~!」

「採点、するぞ~!」

「やっぱり、これ程の作品に『採点』ってとてもとても、畏れ多いっすが……まずは、『アイディア』っす!」

「どういった経緯で撮影、決まったかは判らないけどな~!」

「ぶっちゃけ、ジャズフェスティバルを記録映画に撮ろうっていうのは特に、『アイディア』では無いっすよね~!」

「『0.1シャークネード』!」

「『ぶっ飛び具合』っすが~!」

「何て言うのかな…いわゆる『ぶっ飛び』要素は無いんだが…」

「繰り返しに成るっすが、それ自体で素晴らしいイベント、ステージ、演奏を、その素晴らしさをそのままに、在るがままに、もう一段高い世界の映画に撮った訳っす!」

「その凄さ、或る意味強烈なぶっ飛びだとも、言える気がするんだよな~!」

「判るっす~!」

「『0.7シャークネード』!」

「さて、『俳優』っすが~!」

「難しい…当たり前だが、いわゆる『俳優』の人は一人も出て無いんだが!」

「いや!サッチモは何本も、映画出演してるっす~!」

「そーいう事じゃ無いの、判ってるだろう!」

「ともあれ確かに、『俳優』で論じるの、難しいっすが…」

「しかし確かに、作品として『出演者』の人達が居て、そうして余りに偉大、余りに素晴らしい物を見せてくれている!その事に敬意は、表されるべきというかな~!」

「判るっす~!」

「間違い無く皆さん、ジャズの、音楽の世界の偉大な『名優』達だ!」

「それで良いと、思うっす~!」

「『1000シャークネード』!」

「さて、次っすが……」

「……」

「いい加減、何とか成らないっすかね~これだけの名作に、失礼かと思うんっすが……」

「名作だからとか、関係無い!採点は採点で、神聖なんだ!」

「それは、そーっすが……『CG』っす!」

「ドキュメンタリー、しかも、CGなんて此の世に存在しなかった時代の作品!『0シャークネード』!」

「やれやれ……『アクション』っす!」

「これもな~いわゆる『アクション』勿論、出て来ないが……」

「しかし、っすよね~!」

「ステージ上で行われていたのは、素晴らしい、最上級『アクション』だ!」

「同感っす~!」

「『1000シャークネード』!」

「『ロマンス』っすが…」

「さすがに、これはな~出て来るとは、言えないからな~『0シャークネード』!」

「仕方無いっすね~!」

「そして、だが……」

「そーっすね……」

「ううむ……」

「これこそっすよね……」

「これこそ、な……」

「真に真に、畏れ多いっす……」

「『音楽』だが……」

「比べるのか、という~っ!」

「一つ、映画の為の『映画音楽』なのかという部分は、有るがな……」

「音楽ドキュメンタリー史上最高の作品と言って良くて、かつ、出来映えがどうであれ、演奏としてのみ考えても!最高の顔触れ、最上級のそれっすからね…」

「これしか、無いな……もはや、採点では無いかもだが!『音楽』……『神々のシャークネード』!」

「数字でさえ、無いっす~でも、判るっす~!」

「そして、『感動』だが!」

「素直に、言うっす~心底、心底感動したっす!」

「繰り返すが、素晴らしい……掛け値無しに素晴らしい演奏で、同時に映画として、もう一段高い様な何物かが有った!」

「感動したっす~『感動』という言葉が何か、安っぽく感じられる位っす!」

「『100000シャークネード』!」

「妥当っす~!」

アイディア…0.1シャークネード

ぶっ飛び具合…0.7シャークネード

俳優…1000シャークネード

CG…0シャークネード

アクション…1000シャークネード

ロマンス…0シャークネード

音楽…神々のシャークネード

感動…100000シャークネード

「ううむ……」

「判るっす……」

「とにかく、誉め称えては、いるが……」

「作品適切に、捉えてる感じは……」

「無いんだな……」

「とにかく、名作なんっす~!」

「偉大なる物に、触れる事は!」

「神に、触れる事っす~マジっす!」

「でも、我々だって……」

「最後に、落とすんっすね~!」

「サメ竜巻の、神だ~!」

「崇めよっす~!」

「崇めよ~!」

「崇めよっす~!完全に、落とす方に回ったっすね~!」

 (続く)