「ジャッキーは神、偉大にも偉大なる神、そしてスタントマンの皆さん、全員神」


 観て、参りました!

 ジャッキー・チェン、『ポリス・ストーリー 香港国際警察』です!


 うおおお!

 うおおお!


 今更説明するまでも無い、代表作の一つです!


 最新作『ライド・オン』公開に合わせてのキャンペーンとして、過去の三作品が限定に特別上映されまして。

 その、一つでした。


 『ポリス・ストーリー』もう一度!

 スクリーンで、観れる!

 行かない理由、有りません!


 『ポリス・ストーリー』!

 ジャッキーのいわゆる香港時代、ゴールデン・ハーベスト作品です。

 あらゆる映画会社のタイトルの中でも、最上にカッコいいあのオープニングも観れまして、瞬間、少々泣いてしまいました。


 かつての、香港映画!

 イギリスから返還される、以前。

 政治的な様々は、さておきまして。

 とにかく、特別に強烈に活気、ヤバい感じ有りまして。

 ジャッキーも若く、肉体的にも一番元気だっであろう時代。


 観に行ったのは随分昔、改めて初見に近い感じに座席に、座りましたが。

 さて。

 さて。

 うおお!

 うおお!

 判っては、いましたが!

 判っては、いましたが!

 やはり、凄いです!

 素晴らしいです!

 うおお!

 うおお!


 此の時代の、香港のアクション映画の特徴、明らかに、安全規定といった物を吹っ飛ばしている所に有ります。

 或いは少なくとも、今の感覚と全く違います。

 言ってしまえば、怪我の危険を恐れないというのは今も無論、そうかと思いますが。

 こちらは、怪我を厭わない、でも無く。

 怪我は当然、みたいなスタントと言いますか!

 いや安全対策、全くしていないという事では無いでしょうが!

 しかし感覚、全く違っております。

 ジャッキー自身、幾つも怪我を負っております。

 繰り返しますが、怪我前提と言いたく成るスタント。

 そして同時に、身体を張る事を最大限に生かした、凄まじく見せ方の上手いスタント。

 投げ飛ばされ、吹っ飛ばされ、落っこちます。

 落っこちます。

 落っこちます。

 改めて観てみますと、これを楽しむ事は道義的に正しいのかという所も無いでは無く。

 危険に飛び込んでいく、スタント。

 ジャッキーも、他のスタントの人達も。

 そして、登場人物ほぼ全員、女性陣含めて、スタント有ります!


 あの時代の香港だから出来た、というのは、危険や怪我を考えた時、良い面という事だけで語る訳にいかなそうでもあり。

 しかし、間違い無く。

 時代を越え、月並みですが永遠に色褪せない、熱さ!

 胸を滾らせる、打ち震える、熱さ!

 最高にも、最高です!


 優秀ですが、おっちょこちょいな所も有る警察官のジャッキーが、仲間達と、麻薬を取り扱う大物マフィアを逮捕せんと大掛かりな作戦決行する所から、始まります。

 一般人らしい服を着込み、道路を素早くトレーラーで封鎖、といった辺りの描写中々、迫力有ります。

 撃ち合い、逃走と追跡が始まる辺りから一気に、アクション全開に成って参ります。


 アクションです!

 アクションです!

 全ては、アクションの為に!


 証人として、秘書の女性を保護するエピソード絡んだり、恋人とのドタバタ有ったりしつつ。

 当時の香港映画ならでは、といった感じも有りますが所々整合性や理屈飛ばしたり、人間模様や伏線やらにまとまり付けなかったりしつつ。

 全てを吹き飛ばして、全開に、色々全開に繰り広げられる、アクション!


 アクション!

 アクション!


 ジャッキー、神としか言い様無く。

 そして、全てのスタントの人達、神としか言い様無く。

 そして、出演者殆ど皆、スタントしてたりします。


 動き!

 殺陣!

 受け身!

 そう、受け身です!

 皆さん、投げ飛ばされ、叩き付けられ、落とされます。

 現場に、撮影の道具の中に、クッションやマットといった物は存在しておりません、ほぼ間違い無く。

 幾つかの場面本当に、無事だったか心配に成ります。

 身を守る物は受け身の技術のみ、多少の怪我は必然、危険な怪我は、した方が悪いといった、アクション。


 色褪せる事無く、魂の奥底まで打ち震えます。

 繰り返しますが、これを楽しむというのは倫理的に正しいのか多少、疑問が浮かんで来る位に、身体を張った世界。

 ひたすら、素晴らしい世界。

 凄いです!


 そうして、荒唐無稽も多い中に時々突然、容赦無い鋭さみたいなのぶっ込んで来る、侮れなさ。


 とにかく!

 ジャッキーは神なのだと認識して来た、我が映画体験。

 正しかったのだと!

 裏切られはしなかったと確認させてくれる最高の、時間でした!

 本音、ジャッキーの凄さ知らない人も多い今の時代、あらゆる皆に、観て欲しかったです!

 有難う、ジャッキー!

 有難う、スタントの皆さん達!

 全員、神です!




 『目次』 


 最初から読む


 前回・『第三章・その2「旅立ち」』

 

「泳ぎたくなりませんか」


 エノシマが軽口らしき物を発したのは初めてだったので、ヒョウとアルトナルドは少々意外に感じると同時に、嬉しくも成った。


 再び三人は船の上、海の上に居た。陽射しは程が良く、波も穏やかだった。


「揺れさえしなければ」


 ヒョウは、顔をしかめた。


「お嫌いですか」


 ライオレアの動きは、早かった。宴が終わる前に家令を呼び、命令を下していた。

 さすがに驚きは隠せない様だったが、異議が唱えられる事は無かった。

 四日後には、船出していた。


 無論それまでに、ヒョウ達は、新たな雇い主であり旅の仲間である赤覇エルフの貴族について、様々な話を聞き集めていた。

 印象通りライオレアは、ガイゴリアの者達と交わる事無く暮らしていた。

 もっとも、出入りする商人であるとか、関わり有る者達の評判は、悪く無かった。

 金払いがしっかりしているのみならず、当人も使用人達も物腰が良く親切で、何より得難い事に、仕事の良し悪しに対する眼力が有った。


 家令は、細身で白髪の人間の男だったが、バルゥルルクという名だった。

 家令と言われて思い浮かべそうな、主に振り回される実直な人物、というのが最初の印象だったが。

 何日か接している内に、懐が深く底を見せない、動じない資質が見えて来た。

 その気に成れば、ライオレアに言う事を聞かせられる自信も有る様だった。

 ヒョウ達に対して、というより誰に対しても容易に心情は見せない印象だったが、どうやら嫌われてはいないとヒョウは、感じていた。

 いきなり、アイカリアに戻る旅をする事に成ったについてどう考えているかも、判らなかった。


 護衛隊長のジャノスは、肌の白い銀族エルフだった。やはり寡黙だったが、心情を隠す感じでは無かった。


「お前達、良く判らん……だが、腕は有りそうだ」


 初めて顔を合わせた時の、一瞬の探り合い、試し合い後の第一声が、これだった。

 ヒョウ達も、目の前のアイカリアの兵士に腕が有るのを見て取っていた。

 エノシマとは特に、互いに通じ合う物を覚えている様だった。

 「元々エノシマも、主君に仕える戦士だから」ヒョウは、心の中で呟いた。


 ライオレアに仕える者達で一番興味深かったのは、料理人だった。

 腕は、確かだった。

 ケルという名前のその人間の男は、完全に剃髪した頭が目を引いたが。ずっとライオレアに仕えていた訳で無く、アイカリアの者でも無いらしかった。

 突然フラりとやって来て売り込んで来て、その前に別の貴族の所で働いていたのを雇われる事に成ったが。

 過去については語らないがどうやら、あちこち放浪しつつ、働き口を転々としているらしかった。

 四年前の事で、それから辞めていないのは当人の、最長との事だった。

 腕前は、ヒョウ達も舌で確認していた。


 船長に関しては、皆の評価は低かった。

 緊急に雇い入れ、たまたま空いていたのが此の船だったという事だったが。逆に言えば、だから空いていたのかもしれなかった。

 無論、仮にも船長を務めるからには、仕事を心得ていないという事は無かったが。

 ライオレアに対し、当人が喜ばない所のおべっかを使う傾向が有り、一方ヒョウ達に対しては、自然と見下して来る印象だった。

 ガイナルト船長と比べてしまう為に余計に、キツい見方に成ったというのは、有ったかもしれない。


 気楽な船旅、といった趣も有ったが。

 無論、そういった物では無かった。


 イスキオールと共に、旅をしている。


 ヒョウが感じていたのは、恐怖というより緊張だった。


 謎の存在は、厚手の布で何重にもくるまれ、頑丈な木箱に入れられ、船倉に在った。

 他にも、関係無い様々な物が、或いは同じ布で厚くくるまれ、或いは別の布でくるまれ、或いは剥き出しに、入れられていた。

 似た木箱が他に、幾つか有った。


 それを手に入れる為に大勢の血が流された存在の仲間と、旅をしている。


 ザイゴリアの動向も、忘れてはならない。


 死への恐怖は無論有ったが、それよりも、何か刻限に追われている訳では無かったが、焦りに似た気持ちが有った。

 とにかく、謎が多過ぎた。

 死ぬ事はさておき、それらに一応の形も付かない内に、何も判らないまま此の世を去るという事はしたくなかった。


 自分では大半どうにもならない、大きな何かに流されている感覚。

 外目には、落ち着いて見えたかもしれない。


 (続く)


    


「超A級なる、C級作品?」


 観て、参りました!

 『ゴジラxコング 新たなる帝国』!

 いや、楽しかったです!

 楽しかったです!


 ゴジラとキング・コング、ガッツリ共闘するらしく。

 それだけで、楽しくない筈が無く。

 仲良く二人が、青春友情ドラマの如く激走しているポスター、予告映像、興奮しない筈が無く!


 そうして、観てみますと!

 はい、楽しかったです!

 楽しかったです!

 中身、有って無い様な感じでもありつつ。

 それも又、良きです!


 シリーズ化されての、最新作。

 状況設定、説明、ほぼ省かれつつ。

 冒頭からガンガン話、進んで参ります。

 あ、最初に言っておきますと!

 我々はどうしても、ゴジラに思い入れ中心に、観てしまいますが。

 これは、アメリカ製作の映画。主役完全に、コングです!


 コング、地底世界なる場所に暮らしています。

 と書きますと、地下の暗闇でコング、生活しているのかと思われるでしょうが。

 今作の主要な舞台となる、地底世界なる場所。

 通常思われそうな地底と全く、違います。

 映像では押し切れそうですが、言葉、文章ですと。どうしても、引っ張られてしまいそうですので一旦、地底という語、頭から外した方が良いかもしれません。

 地底世界、広さ地上と同じ位?それ以上?

 空が有る、と言って良い位の広い空間。

 狂暴さ強めの印象ですが、豊かな生物体系。

 豊かな自然、植生。

 植生?

 そう、地底世界、地上と変わり無く光も、有ります!

 何故なのかの説明、今作には出て参りません。

 移動手段含めて、異次元の別世界の座標がたまたま、地球の地下に有るとでも理解した方が良い感じです。


 ともあれコング、地底世界で取り敢えず平和に、但し孤独に暮らしています。

 突然同族っぽい叫び声聞こえて来まして、思わず呼応しつつ探しに行ってみますと、地底世界のウシガエルみたいな生き物だったという場面には切なさ、有りました。

 一方地表ではゴジラ、他の怪獣と戦ったりしつつ自由に、活動しております。

 ローマの円形闘技場にすっぽり丸まって寝ている場面、絶品です!

 一応何やら訳が有るのか、何となく色々、活性化しているみたいな所も有りまして、地底世界と関係しているのでしょうか?


 そして、コングに新たな出会い、待っております。

 勿論、新たな危険の到来でもありつつ。

 地上の危機に、繋がっていたりもしつつ。


 大分顔触れ変わった印象ですが、怪獣を監視、研究する組織モナークの面々も、一方でゴジラの活動も意識しつつ、地底世界に参戦して参ります。


 とにかく色々暴れ回り、冒険するコング!

 とにかく戦ってる、ゴジラ!

 走り回る、人間達!

 一応ドラマ要素も有りますが、正直添え物です、はい!


 ゴジラ作品が、怪獣同士のプロレス的世界に成ってた時代、ハリウッドが甦らせたといった声を、耳にしてましたが。

 確かにかなり、その趣有ります。

 そして、その時代の特撮、着ぐるみ感余り隠していない印象でしたが。

 こちらも、CG感隠されていない印象です。

 お金と手間の掛かったCGアニメに、実写も取り込んであるといった?

 ただそれで、不満は無く。


 スカー・キングなる、悪役。

 人類存亡にも関わる強大な敵、といった事に成ってはおりますが。

 これも、そういった声耳にしておりましたが、成る程。

 何とも魅惑的なる、小物感といいますか。

 いや、悪の親玉は間違い無いのですが!

 最終的な敵役というより、前半で偉そうに登場しつつ、主人公の引き立て役にやられてしまう存在っぽいといいますか?


 とにかく、沢山沢山暴れるコング、堪能!

 そもそも知能、高い訳ですが。

 武器を使いこなし、罠を作り。

 人間の言葉喋らないだけで、猿型の少々大柄な英雄戦士の冒険観ている趣です。

 そして、ゴジラとの共闘!

 あの怪獣も、参戦します。

 新顔の怪獣も、参戦します。


 豪快!

 豪快!

 ひたすら勢いと、勢いと勢いで全て吹っ飛ばして進んで参ります。


 直接描写は無いものの、怪獣達の戦いで甚大な被害出ている部分に関しては妙に、容赦無い所も。


 楽しかったです!

 薄いと言われれば薄いかもですが、それが気にならない爽快なる、映画体験。

 世の中には、C級作品、D級作品、Z級作品といった物が有ります。

 それらにはしばしば、実際と全く合致しない、壮大な内容想像させる盛りに盛ったポスター、パッケージ、付随しておりますが。

 そういったパッケージから想定される豪快、超大作な世界を、手間を掛け、予算掛けて製作してくれたみたいな、本作でした!

 有難うございます!

 ゴジラ、万歳!

 コング、万歳!

 色々、万歳!

 万歳!