『目次』


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 前回『第三章・その4「想念」』


 銀鋲号は、トーキア島に錨を下ろしていた。

 双子の島とも呼ばれている、というのは。似た様な二つの島が並んでいる、といった話では無い。

 そこまで大きくは無いが、それなりに豊かな島である。

 現在の領主トーケル一族の初代当主は、双子の片割れだったという。そして、その子、孫と双子が続き。

 その後もしばしば一族に、双子が産まれているという。

 縁起が良い、とされているが。

 現在の当主は、そうでは無い。


「目出度いんだろうが」


 そういった事をエノシマに話しつつヒョウは、やや皮肉な表情を浮かべた。


「どっちを世継ぎに、するか…揉め事だよな」


 エノシマは、笑わなかった。


 ゴツゴツした岩場の岬が、二つ。

 港の有る入り江を囲む様に、伸びていた。

 海鳥の群れが、突端の辺りの上を飛び回っていた。

 港自体は、然程の広さで無く。他に停泊しているのは軍船が、二艘のみだった。

 港も船も中々良く、手入れされていた。

 交易の拠点では、無い。

 銀鋲号が入港したのも、風と潮の都合に過ぎなかった。なるたけ早く、クー・カザルまで戻りたいのがヒョウ達の、本音だった。

 ただ、ヒョウに限って言えば。中休みにもせよ陸地を踏みしめられるのは、有り難かった。


 アイカリアの貴族ライオレアの、来訪である。社交が様々発生するのは、言う迄も無かった。


 城は、船着き場を見下ろす高台に有って。

 武骨ながら、見栄えは良かった。

 周りには、家並みが有ったが。街という程では無かった。

 こうした場合に、護衛を務めるのは。

 正規の職務であるジャノス達なのは、言う迄も無い。


 ヒョウ達は、船に残っていても良かったが。

 何となく、上陸していた。

 船着き場自体は、しっかりした作りだったが。港町の活気は無く、乗組員の作業を島の兵士達が手伝っているのみだった。

 城に入っていったライオレアが出て来るまでは、大分掛かりそうである。

 草地の緑が、美しかったが。島には木々は、少なそうだった。


 安心と不安、両方が有った。

 イスキオールを狙っているらしい、謎の者達であるが。

 こうして島の港に入っている時に、大勢で襲って来るというのは流石に、考えにくい。

 一方で、少数の間諜や殺し屋を潜ませておくといった事は。島の方が、可能である。

 もっともその場合、トーキア島に立ち寄る事を予見しなければならない訳ではあるが。

 有りっこ無い、と片付けてしまう事の危険性は、ヒョウもアルトナルドも良く知っていた。


 その時、湾口から新たな船が、入り江に入って来るのが見えた。

 小型の、快速船だった。



 アイカリアの王族としてライオレアは、こういった場は嫌いでも苦手でも無かった。

 トーキア島の現在の島主ヴェロは、太って大柄の、髭を蓄えた人間の男だった。

 常に相手を値踏みしている様な感じが、有った。

 力強い武将に見えなくも無かったが、気弱な資質をライオレアは、感じ取っていた。

 もっとも、決して愚かというので無く。もてなしの席もきちんとしていたし、退屈させる話しぶりでも無かった。

 本当は、ヒョウ達も連れて来たい所だったが。

 同席させていたのは、ケル船長だった。

 ライオレアとしても、高い点を与えてはいなかったが。それとは別である。

 取り敢えず、己を売り込まんとする様なお喋りをせず。大人しく、料理に専念している姿には可愛げも、有った。

 緊張の為に、余計な頭が回らないでいるだけかもしれない。


 状況は、家令らしき人物が突然入ってきて島主の耳に、何か囁いた事によって変わった。


「御許しを」


 いきなり主が中座するというのが、異例なのは言う迄も無かったが。それだけ重大事なのも、明らかであり。ライオレアとしては、好奇心の方が先に立った。


「ガルランティアで、反乱の知らせが」


 戻って来た島主は、求められている物に応える様にいきなり言った。


「大きな?」


「属領候の一人が、叛いた様です…帝国全てが揺らいだりは、しないでしょうが」


「名は?」


「カレ=ラン」


「聞かぬ名だ…しかし、嫌でも覚える事に成るのであろうな」


 帝国ガルランティアは、セトの海に直接面してはいなかった。直ちに飛び火して来たりは無さそうだったが、大国の乱が影響を与えて来ない筈は無い。


「曾祖母は」


 島主は突然、予期せぬ話を語り始めた。


「ガルランティアから、嫁いで来たのです」


「素晴らしい」


「第二皇家の、次女だったそうです…我が身には大帝国の血も、些かなりと流れております」


「どの様な、お方だったのだろう?」


 帝国の政策として、婚姻による勢力拡充、保全という事自体は極めて、普通だった。ただ、それにしても此の島は。大国の皇族の一員が嫁ぐ先として、流石に、余りに僻地ではないかとも感じられた。

 政策によって婚姻を決められるのは、宿命とは言え。流刑に処せられたと感じてもおかしくは、無さそうだった。


「かなり、奔放…自らの船を仕立てさせ、セトの海をあちらこちら、旅して回ったそうです」


「素敵だ」


「そんな訳で、ガルランティアの変事に対しては、気にしないではいられませぬ」


「当然だ」


 やり取りは、他愛無い物に戻った。


 暫く続いた落ち着きを壊したのは、再び入って来た家令だった。

 前回よりも足早に島主に近付き、耳打ちした。


「真に!御許しを!御許しを!」


 主が二度も中座するとなると、真に異例だったから。島主の謝り方に必死さが有ったのも、当然ではあった。

 ライオレアとしては、好奇心が先に立った。




「なるべく早く、出帆したいだろうな」


「どの様な、厄介事ですか?」


「話が早い」


「見ておりましたから」


 風が強まり、停泊中であるが船は、そこそこ揺れていた。

 銀鋲号に戻るとライオレアは、直ちにヒョウ達を呼んだ。

 当然、予期されている事ではあった。

 ヒョウ達は、岸壁に着くやいなや小型船から、使者と見て取れる人物が急ぎ足に城に向かうのも、見ていた。

 暫くして、島の奥の方から。早馬の兵士が一目散に、城に向かって行くのも目にしていた。大型の丸盾を背負い、腰の剣は大振りだった。

 関わる事に成るのは、島の奥からやって来た知らせの方だろうとも。見当が付いていた。


「流石だ」


「お話を」


「レ・アダンの獣について、知らないなどという事は無いであろうな?」


 ヒョウの表情は、変わらなかった。


 (続く)




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「全ては陰と陽。」



 観て、参りました!


 ジャッキー愛誰にも負けない、などと言うつもりは毛頭、有りませんが。とにかく小学生の時に、直撃受けまして。余りの素晴らしさ、衝撃!

 愛さずに、いられなかった訳です。

 そして勿論、今も愛しています。

 ですが、言う迄も無くジャッキー、若くは無いのです。

 と言いますか、お爺さんと呼ばれる年齢です。


 流石と言いますか、身体張ったアクションに拘り続けつつ。年齢に応じてその時々、やれる事の中で作品撮って来てもいます。

 ですが無論、全盛時と同じ切れという訳にはいかない話ではあります。


 そういった中、今作!情報目にした瞬間から出来が良い、面白い感じ、伝わって参りましたし。

 公開されますと多方面から、賛辞が!

 期待と喜びと共に映画館、行って来ましたが!

 面白かったです!

 面白かったです!


 ジャッキーの、見せ場。

 色々な才能の、色々な出番での活躍。

 組み合わせ、成功しております!


 元々ジャッキー、若い人をどんどん起用し、新しい才能育てて行く映画作り、やって来ていましたが。

 結局、ジャッキーが全部持っていってしまう所有りまして。

 今作では、70過ぎて流石にパワー、少し落ちたのでしょうか?良き感じに、成っております。

 70過ぎてというのは少々、数字が狂っております、はい。


 舞台は、マカオ。

 あらゆる情報をAIが集約、分析検討するシステムによって素早い、優れた捜査対応が可能に成っております。

 しかし、ハッキングによってAI対応逆手に取り、警察撹乱して来る強盗団が。

 警官達も身体を張って必死に対応しますが、金は奪われ、逃亡許してしまいます。

 強盗団、ハッキング能力だけで無く身体能力、戦闘能力や変装等の技術、非常に高いです。

 イケメン揃いです。


 AIの弱点突かれた警察は、対抗措置として。ジャッキー演ずる伝説的な尾行捜査の天才を、復職させる事にします。

 昔ながらのアナログな尾行術生かした捜査チーム、結成されます。


 今作も無論、アクション凄いです!ジャッキーは勿論、特に強盗団の面々、格闘技やっていたり。ガッツリアクション出来る面々、選ばれています。

 一方で、もう一つの要素。

 頭脳戦。

 尾行に於いて、大事なのは。相手に一切見られない事で無く、見られても、そこに居る事が自然で当然である故に、怪しまれ無い事。心の目から、隠れる事です。

 言い換えれば如何に上手く、状況に応じて化けられるかです。

 逆に言えば強盗団も、巧みな変装術活用して来ます。


 元々ジャッキー作品、悪役が一枚二枚上手の対応見せて来る時のヤバく嫌な感じと。別人に成りすまそうとする時に、咄嗟に正体誤魔化す演技、台詞の作り方、上手い印象ですが。

 どちらもガッツリ、炸裂致します!


 そして、何と言いましても!

 強盗団の首領"影"演じる、レオン・カーフェイです!

 凄いです!

 凄いです!

 "影"、傭兵から伝説的な強盗に成り、今は、孤児達を忠実かつ優秀な強盗団に育て、首領として命令下している様です。

 子供達を育てたについては成り行きや出会いが有り、決してただ悪どい理由からで無く。

 本当に父親と成り、愛情を持ち、家族と成っていた様です。

 ですが、その為に悪事から足を洗った訳では無く。

 伝説的な犯罪者として、息子達も犯罪者の道に、育てています。

 故に、愛は拗れ、屈折しています。

 或いは、愛故にこそ?

 子供達が一人前に成る事は、父親と対決する道でなければならないかもしれず。


 とにかく、レオン・カーフェイ凄いです!

 愛と狂気と、善と悪と!

 色々変装したりも、するのですが。

 髪型や服装、ちょっとした小道具で全く違う人物に見えつつ。実は正体、"影"なんだという部分まで全部、表現してしまいます。

 そして!

 強いです!

 尋常じゃ無く、強いです!

 ターミネーター思わせる、怪物的不死身。戦闘力。

 その、恐るべき説得力!

 無論、ジャッキーの様なアクションの人で無く。若手達の体力や運動神経、持ってはいないでしょう。

 彼にやれる動き、考えられているからではあるでしょうけれど。

 絶対的演技力、殺陣に於ても発揮されます!

 恐るべき、動きです!

 ジャッキー史上でも最強の一人、掛け値無しです!


 そして無論、ジャッキーです!

 今だに、切れ切れなアクション見せてくれます!

 尾行チームに参加する、亡き同僚の娘との関係性といったドラマも、入れ込みつつ。

 安心感と、興奮と。

 重ねた年齢の重みも、有りつつ。疑似親娘関係みたいな要素にも、深み有ります。

 中盤の食卓の場面、色々重層に組み合わさりまして。緊迫の場面でありつつ、不思議に泣けました。


 強盗団の計画にもジャッキー達の捜査にも、正直突っ込み所は有りますが。気に成らない、作品としての力です。

 AI捜査を逆手に取られた為に、アナログなジャッキーの力借りる展開ですが。決してAI駄目、アナログ万歳では無く。それぞれの良さ活用しつつ、組み合わせていこうというのも、見事です。

 満足度!非常に高い、作品でした!続編の空気もガッツリ、有りますが。さて、どうなりますか?


 ともあれ、見事でした!

 有難うございます!

 有難うございます!


「違いと、違いを繋ぐ物と」



 観て、参りました!

 実は第一作の『ズートピア』、観ていなかったのですが。それでも大丈夫と薦められて、行って参りました!

 面白かったです!

 面白かったです!

 流石の、ディズニー!満足感の、半端無さ!


 言葉を話し、二本足で歩く様々な動物達が。それぞれ生態に特化したシステムにも支えられつつ、現代型社会で共存する世界、ズートピア。

 史上初めて、ウサギでありながら警察官と成ったジュディ。

 身体が小さく、戦闘力低い為にウサギは、警察官には適切で無いとされていた訳です。

 サギ師でしたが偶然、行を共にする事に成り。前作で大手柄立てた為に警察官に成った、キツネのニック。

 正式にバディを組み、活躍中と言いたい所ですが。

 組織としてはまだ新米、任務を与えられず。しかし、ガンガン手柄を立て、早く認められたいジュディ、勝手に出動!結果出していなくもないですが、大騒動に。

 お互いを思う真情は、間違い無いのですが。

 気持ちや考え方のズレ、意思疎通の、不足。

 ギクシャク、発生しております。

 そんな二人の前に、ズートピア揺るがしかねないかもしれない事件の、影が!


 とにかく、作り込み!

 凄いです!

 物語自体も、さる事ながら。

 様々な、動物達。

 現実の姿、特徴、生態、きっちり調べ上げた上で!

 アニメに、どう落とし込んでいくか。その動物達が、どう生活していくのか?ズートピアの様々な設定、描写!アイディアの、凄さです!

 パロディ、笑いも有りつつ。風刺も、有りつつ。

 どのキャラも、可愛く!

 一般的に、判り易く可愛いのも有れば、単純に言って可愛く捉えるの、難しそうな姿形も!可愛くしています。


 エンドクレジット、アニメーターの方達の名前、出て参りまして。

 成る程多いですが、思った程では無いと感じたんですが。

 その後!例えば群衆担当であるとか自然情景担当であるとか、様々な要素毎にチームが!

 やはり、膨大な数でした!


 複雑な話、というのでは無いですが。

 飽きさせない、展開。アクション。

 感動も、勿論です!

 ただ、踏み込んでいきますと、浅い部分も?有るかもしれません。

 色々、深い題材取り扱っていますが。予定調和に収まってしまう部分、無いとは言えず。だから駄目とか残念とかでは、無いですが!


 とにかく、素晴らしい映画体験でした!

 吹き替えでしたが。どの声にも、隙が無く。こちらも、見事です!


 繰り返しますが、満足度の高さ!


 更に続編も、意識されている雰囲気ですが。

 さて、どうなりますか!