映画「流転の地球 太陽系脱出計画」

5月1日の雨模様の午後,久しぶりに市の中心にある平地区に出た。
車や旅行の予約代金を銀行で済ませた後,帰りの電車迄時間があったので「いわき」駅前の「まちポレいわき」で映画を見る。時間的に「あの花が咲く丘で,君とまた会えたら」という映画もあったけど,予告編で大まかなストーリーが分かっているのでやめ,先入観なしで,おどろおどろしいポスターの「流転の地球」を選んだ。シニア料金1000円が嬉しい。
 いわき市には,ウオーターフロントのある小名浜地区にも「ポレポレいわき」という映画館がイオンの中にある。元々は「いわき」駅前だったが,小名浜地区に移り,娯楽映画専門(アニメが多い)を興行している。こちらのシニア料金は1200円だ。

  時間をみて,スターウォーズタッチの軽い宇宙ものを期待した。掲げられているポスターはアジアンで,オドロオドロらしい映画を予見される。見ると字幕の中国映画という。
終了時間が帰りの電車ギリギリ時間だったので,時間つぶし,途中で出てこようと映画館に入った。観客は私を含め3人。連休の間の平日なので仕方がないか。

      

              映画館内ポスター

この映画は確かにすごかった。
何が凄かったかって? 映画に出てくる宇宙の機械の大規模さ,スケールとスピードがである!
 開始早々,何万キロメートルの高さを持つ宇宙へのエレベータ。勿論上昇する推力は8G以上の負荷がかかるロケットエンジンで,何十分もかかる。それを破壊阻止するテロリストの高速ドローンによる飽和攻撃,迎え撃つ戦闘機とレーザー銃。とにかく画像を埋めつくす高速のドローンの飽和攻撃に圧倒される。防衛する地球同盟軍の戦士は中国拳法の達人ばかり。主人公の戦士と教官との強い信頼。最強の美人女性戦士との初々しい恋愛,結婚,家族,女性戦士の病死。生前の頭脳を他人に移し替え,記憶メモリーと同時に取り出し生前と同じように会話できる技術,AIで亡き娘との交流をする量子科学の科学者,科学者の恩師。地球同盟軍の本部(現在の国連みたい),中国人の総司令,片腕の女性官房長官。世界各国人からなるスタッフ。色々な人種が働いている。
地球の地表が危なくなったため,抽選で安全な地下都市に行ける人選を行うが,全員が行ける訳ではない。抽選に選出された人と漏れた人,家庭内で家族を思う優しさの葛藤,死に行くヒロインの希望で故郷の上海に高速機で向かうシーン。降り注ぐ巨大隕石によって次々に破壊される地上の建物,月の接近による巨大高潮の発生と都市の埋没崩壊。月の衝突を防ぐため,短時間に月面に大量の水素爆弾を設置するスリル,時間切れで責任感が強い主人公が残務処理で単独月に残る。月の内部に核融合を起こさせるため同時に水爆を爆発させようとするが,水爆の起爆装置が世界各国バラバラで時間がないスリル。やっと人数を揃えるため決死の志願者と覚悟。次々に爆破を決行する勇士たち。月から地球を移動させるべく,地球の一部に集めた核兵器の同時爆発のインターネット接続の遅れのスリル。どうにもならない遅れに対し,スタッフが何で中国人に任せたんだ!という怒声。 太陽系を離れる地球は元の環境に戻れるには何百年間宇宙を漂わなければならないが,その間現在の危機を知っている人間が残れるように,決死の志願者だった恩師の共感に助けられた主人公が冷凍人間になるべく装置に入る。
そして,地球が宇宙流浪の長い旅に出る。

 私は映画は通常の1時間半くらいの長さだと思っていたが,見ている途中に腰が痛くなってきた。その間は1時間だったでしょうか。体の向きを色々代えながら我慢して映画を鑑賞した。3時間近い長い映画だったが,話のテンポが速く,電車の時間に間に合うように途中,退場することが出来なかった。
  この映画は,状況というか背景を知らないまま,話がドンドン進んでいった。中国語の翻訳が十分でなかったのか,どういう設定(シチュエイション)の字幕説明がなかったように思う。だから宇宙ステーションへの往復の意味が分らなかったし,なぜ突然月が衝突するのかも分らなかった。多分,映画があまりに長かったので,日本向けの映画はその部分はカットされたのかもしれない。あるいは,シリーズ化作品なので,前作で語っているのかもしれない。

背景を知ったのは,ネットでの映画情報を見返してからだ。
  ネットの評判によると,2回目の観賞で理解できたという,私が感じたことと同じことをいう人がいた。
映画情報によると次のようである。
   100年後に太陽が老化によって膨張し、300年後には太陽系が消滅するという予測が立てられた。地球連合政府は1万基のロケットエンジンを使って地球を太陽系から離脱させる壮大なプロジェクト「移山計画」を始動。各国の思惑や内紛、争いが渦巻くなか、飛行士リウは亡き妻への思いを胸に宇宙へと旅立つ。一方、量子科学研究者トゥーは禁断のデジタル技術により、事故死した娘をよみがえらせようとする。そして連合政府の中国代表ジョウは、大きな決断を迫られる。

私の感想ですが,映画のスケール,スピードとテンポ・・・,時間つぶしに観た映画だったけど,素晴らしい映画だった。決死の志願者達の決意の場面は,バグダット空港封鎖を救うために志願したパイロットの場面を思い出し,感動した。あるいは,国民を守るために半ば志願した特攻隊の青年も連想した。
                                                          おわり