白内障手術後の驚き


 家内は今年の1月11日~13日の2泊3日,白内障の手術をしました。
彼女の白内障は数年前から徐々に進行して,そればかりか近視の度が段々進み,本の字が見えなくなっていったのです。そのうち視界全体が薄い霧に包まれてきて,夜間のライト光もぼやけ,視界全体がまぶしくなったそうです。車の運転も覚束なくなり,度付きのサングラスにしてみたり,偏光レンズ付きの眼鏡を購入したりしました。余りに心配になって地元の眼科医に相談するも,年を取ると誰でも白内障になると言われ,怒っていました。弟妹や隣人,友人たちにも相談しましたが,彼等は既に手術を経験していたという。その後,費用とか手術のやり方とか,交換する水晶体の種類と効果等の情報を調べたりしていて,不安からか何かと大騒ぎして,私に話しかけてきました。半月ほど悩んで手術の決意をしましたが,誰でも同じ心配をするようですね。
 眼科医院に紹介状を書いてもらい,11日早朝,福島県郡山市にある南東北病院に彼女を送っていきました。13日の退院に迎えに病院に行くと,手術した目が兎みたいに真っ赤に充血して気味悪く,悲惨な状態でした。状況を聞くと,担当医で執刀医が地元の眼科医のお嬢さんだったという。手術後視力は1.2迄回復したと喜んでいました。

 

     

 

 帰宅し暫く目薬をかけていると両目が安定しました。それで鏡を見ると,鏡には大きな皺だらけの老婆が映っていて驚いたそうです。白内障の間はボンヤリして分らなかったけど,額,下瞼のたるみ,鼻から口元にかけての太い皺,首回りの縦のたるみ・・・等々。
 私は以前から知っていたけど口にしませんでした。それまでは,私を見て,デブだとか禿げたとか言いたい放題。TVに出てくる女優に対しても,あの女(ひと)随分皺が増えたねぇ等。本当のことを反論しても仕方がないので,私も曖昧に同調していたのです。

 ところが,余りのショック状態で,今迄なぜ教えなかったのかと詰問するのです。
「人格攻撃になるし,家庭円満のため,波を立てないようにしていた」と答えました。
彼女は言葉に困っていました。その後,彼女は自分の顔だけに止まらず,家の細かい埃レベルまで気になるようになりました。
 そして,ついに皺を隠す方法を研究し始めました。最初は,額の皺をなくす化粧品で頭皮を伸ばす薬,頬のたるみや皺をなくす薬・・いずれも薬を付けて長くて2,3日の効果しかありませんでした。また,下瞼のたるみを隠すため,フレームでたるみが隠れる大きさの眼鏡を新調しました。「うん,たるみは隠れて見えなくなったよ!,これは成功」とリップサービスをしました。
次にどういう手を彼女が考えるか,楽しみに見守っている私でもあります。
                                                                      おわり

続編:その後朝日新聞に俳優の栗原小巻さんの記事が出て,素顔写真が出ました。また,映画「Perfect Days」では,小料理屋のママさん役で素顔の石川さゆりさんが出てきました。彼女たちの年相応の”それ”をみて,しばらくの日々考え込んでいました。

そして,アンチーエイジングをやめようと言ってきました。悟りの境地に達したのです。