太陽の島はインカ発祥の地で石積みの土木技術も素晴らしく,世界遺産の有名な観光地です。
ペルーとの国境のため,島に行くにはコパカバナから観光船に乗って行くしか方法がないのです。
というのは,コパカバナはペルーから陸続きの半島にあり,その半島の大部分はペルー領なので,
ボリビアからはラパス陸側の狭い瀬戸を,ティキナ港からフェリーで渡るほか方法がありません。
フェリー アルパカ
インカの皇帝
瀬戸の港には,つぶらな瞳のアルパカが繋がれていて観光客に可愛がられています。
そばにインカの初代皇帝の像が建ててあり,(アルパカに代表される)アルティプラーノから,
フェリーを渡れば太陽の島に近づきつつある実感が迫ってきます。
ところで,コパカバナにはボリビア海軍基地があるが,なぜ,内陸国なのに海軍があるのか?
それは,戦争によって太平洋岸のリットラル地方が取られてしまったからです。
瀬戸の港には,アルパカの近くに戦争のモニュメントが置いてあります。
モニュメントの上には,ラパスの方を向いた姿勢で振り向き,ペルーに向かって激しく指をさす髭面
の男(政治家?)が表現されています。像の台座の3面には絵と文句が書いてあります。
なお,説明の方向は南半球なので日本とは逆で,影が伸びる方が南です。
モニュメントの東面
モニュメントの西面
南面:ぺルー側の南面
『Don EDUARDO AVAROA Heroe de la guerra del Pacifico 23 de Marzo 1879 』
(エドアルド アヴァロア 1879年5月23日の太平洋の戦いの英雄),
その下に『 Departameto de Litral 』(リットラル県)とある。
東面:太平洋に向かって海軍将校が敬礼している。空には3機の軍用機(戦闘機,攻撃機,爆撃機),
将校の後ろにはボリビア兵と国旗を持った一般人の男,赤ん坊を背負ったボリビア女。
下には『Bolivia reclama su salida al "Mar" 』(ボリビアは海に向かう権利を貴方に要求する。)
とある。
西面:東面と同じボリビアによって,ペルーの兵隊が銃剣で殺される絵が描かれてあります。
絵の上には,
『Lo que un dia fue nuestro nuestro otra vez sera" 』
(いつの日か私たちのものがまた私たちのものになるであろう)と書いてあります。
この絵は,前回投稿したロボレの建国記念日にボリビアが失った旧領リットラル(チリとペルー
にまたがった地方)が入っていることの具体的な宣言モニュメントでした。