La Isla Bonita (Glee) 和訳 | ちょうどいい洋楽和訳

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息抜きがてら気ままに好きな洋楽の和訳をしていこうと思います。
固すぎず意訳しすぎず、ちょうどいいくらいの和訳を目指してます。
時々趣味の話もするかもしれません。

7月の第3週目、Gleeファンにとっては悲しいニュースが飛び込んできました。

Santana Lopez役のNaya Riveraさんが亡くなりました。

33歳、湖での事故のようです。

Finn役のCory Monteithが亡くなったとき、追悼エピソードでSantanaは「If I Die Young」を歌いましたが、FinnとPuckに続き、まさかご本人まで若くして亡くなってしまうとは…。

 

最初、Santanaはいやーな奴という印象でしたが、ストーリーが進むにつれて、優しい面や弱い面もあり、とても複雑な、いろいろな面を持ったキャラクターに成長していきました。

「またSantanaが裏切るんじゃないか…?」と思わされたことも何度もありますが、歯に衣着せぬ物言いでスカッとさせてくれたことも何度もありました。

私はGleeのSantanaとしてしかNaya Riveraさんを知りませんが、Gleeのキャストがまた一人亡くなってしまったのはとても悲しいです。ご冥福をお祈りします。

 

Santanaが歌った曲で一番印象に残っているのは、Sebastianとの「Smooth Criminal」かな。

ゲイとレズという設定の二人のデュエットなのに、Glee史上最も色気があると評判ですw

この時は、Sebastianにジュースをかけられて目を怪我させられたBlaineのためにSantanaが単身、敵地に乗り込んでいきました。

このデュエットの後、ジュースの中に岩塩を入れていたとSebastianに認めさせ、それをこっそり録音していたSantana。

New Directionsに戻って「おっぱいにボイスレコーダーを隠してたのよ」とドヤるSantanaさん。

「このテープを証拠にSebastianを警察に突き出すのは嫌だ」と言うKurtに、

「なんでよ、これは野蛮な手じゃないでしょ、賢いでしょ、おっぱいに隠してたんだから」

と、なぜか「I taped it to my underboob.」を強調するSantana姐。

こういうところが彼女の魅力だと思いますw

 

もう一つ印象に残っているのは、ゲスト出演のRicky Martinとのデュエット「La Isla Bonita」です。

初めて見た時、なんてカッコいい曲なんだろうと思いました。

後から聞いたMadonnaの原曲が物足りないくらい(ファンの方ごめんなさい)。

二人の色気、異常ですw

ということで今日は、SantanaとNaya Riveraさんへの追悼の意を込めて、「La Isla Bonita」を和訳したいと思います。

 

 

 

¿Cómo puede ser verdad?

これが現実のはずはない…

(※スペイン語ですが、英語にすると、”How could this be true?”でしょうか、反語ですね。)

 

Last night I dreamt of San Pedro

Just like I'd never gone, I knew the song

A young girl with eyes like the desert

It all seems like yesterday, not far away

ゆうべ、サンペドロの夢を見たの

(※サンペドロは、カリブ海辺りの島だそうです)

行ったことないはずなのに、流れる歌に聞き覚えがあった

砂漠のような瞳の乙女

まるで昨日起きたことのよう、昔のことには思えない

 

●Tropical the island breeze 

All of nature, wild and free

This is where I long to be

La Isla Bonita

And when the samba played

The sun would set so high

Ring through my ears and sting my eyes 

Your Spanish lullaby

南国と島のそよ風

荒々しく自由な自然

そんな場所に私はいたい

美しき島

サンバの調べが奏でられれば

太陽はもう沈むことはない

耳には調べ、目には刺すような光

あなたの異国の子守歌●

(※La Isla Bonitaもスペイン語です。英語では”The beautiul lisland”です。

”The sun would set so high”のsetは文の構造的に自動詞のようなので、「太陽が沈む」ですが、”set so high”なので、「高い位置に沈む」という物理的にはあり得ないことが起きてます。意訳して「沈まない」にしました。

”ring”は「リング」と訳しているサイトもあったのですが、”ears”と”eyes”がそれぞれ上の2行の「サンバ」と「太陽」に対応しているのかな、と考えると、「音楽の調べ」の方がしっくりきました。

"Spanish lullaby"はもちろん「スペイン語の子守歌」なんですが、語呂が悪いしなんか情緒がないので、「異国」と訳してみました。)

 

I fell in love with San Pedro

Warm wind carried on the see, he called to me

Te dijo te amo

I prayed that the days would last

They went so fast

私はサンペドロの虜

熱い風が海に吹き、彼は私を呼ぶ

彼は愛しているとあなたに言ったわ

こんな日々が続けばいいと祈ったけれど

あっという間に過ぎてしまった

 

●繰り返し

 

Yo quiero estar donde el sol toca cielo

Cuando es hora de siesta tú los puedes ver pasar

Caras tan bellas, sin importar nada

Where a girl loves a boy 

And a boy loves a girl

私がいたいのは、太陽が空に触れる場所

昼下がりのうたたねの時間には太陽と空が流れるのが見える

あまりにも美しい顔たち、心配事など無い場所

そこは、

異性が愛し合う場所

(※マドンナの原曲はこの部分は全部英語ですが、英語でもスペイン語でも意味はほぼ同じことを言っています。)

 

Last night I dreamt of San Pedro

It all seems like yesterday, not far away

ゆうべ、サンペドロの夢を見たの

まるで昨日起きたことのよう、昔のことには思えない

 

●繰り返し

 

 

このパフォーマンス自体も好きなんですが、さらに好きなのはこの後のシーンです。

スペイン語教師のMr.Shue(Gleeしかやってないように見ますが、実はスペイン語教師が本職なんですよねw)は、自分のスペイン語力を証明するため、スペイン語の歌を歌います。ど派手な闘牛士の衣装と、闘牛に扮した生徒を伴って。

それに対し、ラテン系であるSantanaはスペイン語教師Mr.Shueへのかねてからの不満をぶつけます。

 

 

Mr.Shue:「Santana、大人の話に首を突っ込んじゃいけない、これは僕の仕事、僕の人生なんだ」

Santana:「私だって、これは私の教育よ。お笑いじゃないの。まあ、あなたにとってはお笑いかもしれないけど?」

Mr.Shue:「何言ってるんだ、みんな僕のパフォーマンスを楽しんでたじゃないか。」

Santana:「みんな無知だからよ。あなたのせいよ、スペイン語教師であるあなたが教えるべきなんだから。あなた自身、闘牛とか、そういうステレオタイプを恥ずかしいとさえ思わないほど無知なのよ。」

Mr.Shue「僕にそれを求めるのはフェアじゃないだろ」(白人であるMr.Shueに、ラテン系であるSantanaと同等のスペイン語圏の知識を求めるのは無茶な話だ、と言いたいのでしょう。)

Santana:「そうかしら?」

 

そして、スペイン語教師としてのMr.ShueはGleeの顧問としてのMr.Shueに比べて情熱が足りない、情熱があるときのあなたは素晴らしい先生なのに、というSantanaの指摘にMr.Shueは反省します。

 

この会話を踏まえて「La Isla Bonita」のパフォーマンスを見ると、Snatanaもパートナーも、黒ずくめのシックな衣装で、照明も非常に現代的でおしゃれです。

「スペイン語=スペインではないし、あんたたちのスペイン語圏へのイメージを変えてやるわ」という確固たる意志のあるパフォーマンスだったんですね。とても格好いいと思います。

 

少し話は逸れますが、Santanaの指摘はそのまま日本の英語教育にも当てはまると思います、特に小学校の。

「英語は世界の公用語」「グローバル人材」なんて謳っておきながら、我々日本人は未だに英語=アメリカ人、という固定観念から抜け出せていません。

英語の授業になったとたん「WOW!」とか先生が叫んでみたり、普段はしないのに英語の授業の時だけやたら派手にジェスチャーをしてみたり。

英語=アメリカ人、アメリカ人=ハイテンション、という二重のステレオタイプを体現化しているのが、やたらとテンションの高い小学校の英語活動だと思います。

 

5年後くらいには、マレーシアとかにルーツを持つ英語を喋れる生徒が、

「先生、僕も僕の家族も英語しゃべるけどそんな変なハイテンションじゃないよ」

って先生に言うような日が訪れる気がします。

 

喋る言語が変わるだけで、人格まで変える必要はないと思います。

そもそも、テンションの高い日本人もいれば、暗いアメリカ人もいるでしょうに。

古文を習うときだって、和歌の一句でマジ泣きしてる貴族の描写を読んで、「昔の人はこんな価値観だったんだな、へー(共感はできんけど)」って思うじゃないですか。

別に貴族のテンションと同化したりしないですよね。

英語もそれでいいと思うんですけどね。

 

Naya Riveraさん追悼のつもりが、話が逸れてしまいました。

彼女が演じたSantanaというキャラクターは、こんなことまで考えさせてくれる、非常に味のあるキャラクターでした。

素直じゃないSantanaは、悲しんでるファンを見て「No me gusta」と言い放ってくれる気がします。

 

A mí, me gustas, Santana.

 

 

Unholy Trinity、とても好きです。

 

Gleeに詳しくない方にとっては全体的に「なんのこっちゃ」ですよね、

La Isla Bonitaの和訳が知りたかっただけの方、すみませんでしたw

和訳のみでも何かの参考になれば幸いです…。