サヨナラ逆転ホームランは
僕の場合いつだってインハイのストレートだった
インハイの135kmのストレートを渾身のスイングで打ち返し、
そしてダイヤモンドをしてやったり顏で一周する
いつも三塁ベースを蹴って小さくガッツポーズをする
そう決めていた
最高に気持ちいい瞬間だった
僕は今
今更SAYONARA HOME-RUNを打てそうにない
もうインハイも腕を上手に畳んで打てない
ましてそれどころか身体が瞬時に反応してバットを出す事さえままならない
追い詰められてしまった
追い込まれてしまったよ
あとひとの伸びなのに
オーバーフェンスはすぐそこなのに
手に残る感触がまるで木のように鈍い
爆発的に決め続けているこの現状でも足りない
届かない
『お前は出来過ぎだよ。よくやってるよ。良い経験をしてるよ。だけどまだ頑張れ』
何の評価にもなっちゃいないじゃないか
でもよく考えれば
サヨナラ逆転ホームランは運でもまぐれでもなくて
僕が家の前のアスファルトが素振りしすぎて陥没してる努力の上に成り立ったものだったのかな…と
まだ終わっちゃいない…ぜ
死の第4クォーターはそうそう生易しいもんではないらしいね
明日が勝負だ
サヨナラデットボールでも何でもいいよもはや
勝ちたいんだよ
約束を守りたいんだよ
決めた事を完遂する
それがちっぽけな僕の誇りなんだよ