工場では、製造した製品が規格に合っているかを
チェックしてから出荷するが、製造中に
失敗して不合格品が出る事がある。
この不合格品を仕損品といい、
仕損品が生じる事を仕損の発生という。
また、原料が目減りしてしまう事は減損という。

仕損には2通りある。
正常仕損
多少の失敗は仕方ない。
通常生じる程度の仕損や減損
異常仕損
通常生じる程度を超えて発生した仕損や減損
(非原価項目として処理する。
 こっちは1級の範囲。)

正常仕損や正常減損は製造において避けられない
物なので正常仕損にかかった原価
(正常仕損費)
正常減損にかかった原価
(正常減損費)は売上原価に含めて
処理する。
この時、仕損や減損が月末仕掛品の進捗度より
前に生じたか、後に生じたかで計算が異なる。

仕損の発生点が月末仕掛品の進捗度より後の場合

工程の終点(加工進捗度100%)で
仕損が発生している。このように正常仕損が
月末仕掛品の加工進捗度(80%)よりも
後で発生した場合、
月末仕掛品は仕損の発生点を通過していない。

この場合、正常仕損費を
完成品原価に含めて
処理する。
本当の完成品は100個だが、仕損品10個を
含めた110個として計算する。

完成品原価の計算
完成品は110個、
月末仕掛品は30個なので、
投入量は全部で140個となる。

加工費は
完成品が110個、
月末仕掛品が24個なので、
投入量は全部で134個となる。




月末仕掛品原価
3900+4464=8364
完成品原価
14300+20460=34760
完成品単位原価
34760/100=347.6

完成品単位原価の計算は
本来の完成品数量100で割る。

このように正常仕損費を完成品原価に含めて
処理する事を完成品のみ負担という。

仕損の発生点が月末仕掛品の進捗度より前の場合
工程の始点(加工進捗度0%)で
仕損が発生している。
月末仕掛品は加工進捗度80%なので
仕損の発生点を通過している。
この仕損は完成品と月末仕掛品を両方を
作る為に生じた物。

この場合は正常仕損費を
完成品と月末仕掛品の両方に
負担させる。
月初仕掛品と当月製造費用を
完成品100個と月末仕掛品30個で
按分する。
仕損はないものとして計算する。

完成品原価の計算
仕損の分を除いて、完成品と月末仕掛品の和で
割る
月初仕掛品と当月投入の平均単価
材料は140、加工費は201
これを完成品と月末仕掛品に
按分する。

月末仕掛品原価
4200+4824=9024
完成品原価
14000+20100=34100
完成品単位原価
34100/100=341

このように正常仕損費を完成品と月末仕掛品に
負担させる事を両者負担という。

上のケースでは正常仕損品にかかった原価
(正常仕損費)を別個に計算せず、
計算上、仕損の発生を無視している。
このような計算を度外視法という。
(正常仕損品にかかった原価を計算してから
 完成品や月末仕掛品に正常仕損費を負担させる
 非度外視法もある。
 これは1級の範囲。)



仕損品はいくらかで売れる事がある。
この時の金額を仕損品評価額という。
これがある場合、仕損品の原価から
仕損品評価額を差し引いた額が
正常仕損費となる。
正常仕損品=
仕損品の原価−仕損品評価額
完成品のみ負担の場合、正常仕損費は
完成品原価に含める。
∴仕損品に評価額がある時は、
完成品原価−仕損品評価額
本当の完成品原価となる。