本支店会計

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企業の規模が大きくなってくると各地に支店ができる。
この時に、各支店の経営効率の向上と業績比較ができるように各支店に帳簿を持たせて、各自で管理させる。
(支店独立会計制度)
本支店間の取引については、本店に支店勘定、支店に本店勘定を設ける。
本店勘定と支店勘定は常に貸借が一致する。

本支店間の商品取引は、原価を振替価額とする方法と原価に一定の内部利益をプラスした額を振替価額とする方法がある。
本支店会計では後者の方法を用いる。
ex.
本店は商品1000000を現金で仕入れた
仕入 1000000 現金1000000

本店は、商品に20%の利益を加えて支店に送付した
(本店)
支店1200000
              支店へ売上1200000
(支店)
本店より仕入1200000
                          本店1200000

直接売上と直接返品
本店が支店の得意先に
直接売上げた場合
(一旦支店を経由させる)
支店が本店の仕入先に
直接返品した場合
(一旦本店を経由させる)
直接返品の場合、本店側の処理に注意
ex.
支店は本店から仕入れた商品
振替価額1500000を
直接返品した
(支店)
本店1500000
          本店より仕入1500000
(本店)
支店へ売上1500000
                           支店1500000
買掛金1250000
                          仕入1250000

支店相互間の取引
本店集中制と支店独立制の2つがある。
本店集中制
勘定は本店だけ
支店側は本店相手に取引を行った物とみなす。
本店側は借方貸方共に支店名

支店独立制
支店側
勘定科目に支店名がある
本店側は仕訳不要
ex.大阪支店は名古屋支店に
     現金100000を送金した
(本店集中制)
大阪支店
本店100000  現金100000
名古屋支店
現金100000  本店100000
本店
名古屋支店100000
                  大阪支店100000
(支店独立制)
大阪支店
名古屋支店100000
                         現金100000
名古屋支店
現金100000
                大阪支店100000
本店
仕訳不要

ex.大阪支店は名古屋支店に商品500000を送付した
(本店集中制)
大阪支店
本店500000
       名古屋支店へ売上又は
       本店へ売上     500000
名古屋支店
大阪支店より仕入又は
本店より仕入   500000
                           本店500000
本店
名古屋支店500000
                  大阪支店500000
(支店独立制)
大阪支店
名古屋支店500000
     名古屋支店へ売上500000
名古屋支店
大阪支店より仕入500000
                      大阪支店500000
本店
仕訳不要

ー本支店会計の決算ー
支店側の当期純利益と
本店側の当期純利益は本店側の
総合損益勘定に振替えられる。
(支店)
損益  ×××   本店×××
(本店)
損益××× 総合損益××× 
支店××× 総合損益×××  

内部利益の控除と法人税等
本店から仕入れた、支店へ売り上げたなど、本支店間で商品の授受があった場合、受取側の期末商品棚卸高には加算した
内部利益が含まれている。
これは外部に販売されていないから、この利益は未実現利益である。
送った側はこの未実現利益が含まれたまま総合損益勘定に振り替えられているので、総合損益勘定でこれを控除しなければならない。

繰延内部利益控除××× 
                      繰延内部利益××× 

内部利益が期首商品に含まれているなら、全額戻し入れる
繰延内部利益××× 
              繰延内部利益戻入××× 
繰延内部利益戻入××× 
                               総合損益××× 
繰延内部利益を控除した、戻入れた、その貸借差額は税引前当期純利益となる

法人税等
税引前当期純利益から法人税等を引いた差額が繰越利益剰余金(全体の当期純利益)となる。
法人税等××× 未払法人税××× 
総合損益××× 法人税等××× 

合併財務諸表の作成
P/L
①本店、支店の費用勘定と収益勘定の合算
②期首商品、期末商品の内部利益の控除
③支店へ売上、本店より仕入勘定の相殺
B/S
①本店、支店の資産勘定と負債勘定の合算
②商品からそれに含まれる内部利益を控除
③支店勘定、本店勘定の相殺

商品評価損、棚卸減耗損がある
場合
期末商品棚卸高に内部利益が含まれていて、しかも棚卸減耗、商品評価損が発生した場合、
内部利益を控除した額で求める。
ex.
本店のA期末棚卸高
帳簿数量  300個
実地数量  290個
単価(原価)150円
正味売却価額145円

支店のA期末棚卸高
帳簿数量  200個
実地数量  195個
単価(振替)180円
正味売却価額145円
B期末棚卸高
帳簿数量  100個
実地数量  100個
単価(原価)200円
正味売却価額190円
本店は支店にAを
送付する場合、20%の利益を
加算している。
支店は独自にBを
仕入れている。

この場合の本支店合併財務諸表上の期末商品棚卸高、棚卸減耗損、商品評価損、貸借対照表価額は
期末商品棚卸高
本店
A 300×150=45000
支店
A 200×赤180÷1.2=30000
B 100×200=20000
合計95000

棚卸減耗損
本店
A(300-290)×150=1500
支店
A(200-195)×赤180÷1.2
=750
Bは無し
合計2250

商品評価損
本店
A 290×(150-145)=1450
支店
A 195×(赤180÷1.2-145)
=975
B 100×(200-190)=1000
合計3425

期末実地商品棚卸高
(貸借対照表価額)は
95000-2250-3425=89325

振替価額180
本店は支店に20%加算しているので、180÷1.2=150と内部利益を控除したこの額で計算する。