師匠の合唱指導から学ぶ | INClaireの音楽な日々

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内藤郁子INClaireが、音楽について日々思うことや生活の中の音楽の話を書きます
音楽のたくさんのジャンルで、壁を作らず線引きだけして、
どれも体験して、魅力の違いを比べるのがおもしろい
音楽って一曲ずつそれぞれの魅力だと思います


Chère Musique

モーツァルトのミサ曲、音楽工房くらによる企画演奏会がいよいよ今週末31日(日)東京オペラシティ・リサイタルホールで開催されます
長年シリーズで開催してきましたが、この15回目で最終回です。
今回のメインプログラムのミサ曲は『変ロ長調 K.275』。
その他、オペラアリア、混声合唱作品、女声ア・カペラ、管弦楽曲など、多彩なプログラムがすべてモーツァルト作品、というとても珍しい形の演奏会です。
指揮は倉岡信先生、女声ア・カペラだけは私の師匠である倉岡典子先生。
私は、倉岡門下生で構成されるモーツァルトミサ曲合唱団東京の一員として出演します。


、、、というわけで、最近は合唱とモーツァルトのことを考えている時間が長いので、今週は合唱についていろいろ思うことを書いたり語ったりしています。




この演奏会のために、師匠の合唱団へのレッスンを皆さんと一緒に受けていて。。。

レッスン初めはいつも、みんなが個人の世界に居るのに、時間が経つにつれていつの間にか大勢でひとつの世界、先生の教えるモーツァルトの世界を作り出すモードになっています。

そして、指導の手法の面でもとても勉強になります。


例えば、長く難しい曲のレッスンで、大切なところ一箇所だけを徹底的に指導される。
そして最後に曲全体を通して演奏してみると、他の似たようなところも出来るようになっている。
この方法は私も時々使いますが、受講する側に「絶対に上手くなるぞ」「このレッスンを全身で受け止めて全力で楽しむぞ」という気概があると、上手くいく気がします。
その点で、“音楽工房くら”の合唱団員の方々は意欲に満ち溢れています。


典子先生による女声部へのレッスンでは、フレーズ前の呼吸についてを大切にご指導されます。
先日のレッスンで印象に残ったアドバイス
「映像をイメージすればその息を吸える」

次のフレーズが長いからまたは難しいからここではたくさん吸っておかなくては、というようにテクニックの面だけを考えて頭を使って息を吸う時には、その音楽の世界を表現していないことが顔つきに現れます。
そして吸い方を失敗することも多いし、その後の声もあまり良いものにはなりません。

先生の言う「映像」とは、例えばモーツァルト『Ave Maria』なら、「いま私たちは教会にいる」「教会の祭壇や高い天井が見えてくる」ということ。
どう吸うかを考えるのではなく、表現に没頭すればその音楽そのフレーズにふさわしい呼吸ができますよ、と教えてくださいます。


その他数えきれないくらいたくさんのことを、先生方のご指導から学んでいます。


合唱団への一番の褒め言葉は
「皆さんいつの間にか、モーツァルトが解っている人になっているのを感じられていますか」
でした。


さて、大舞台、楽しんできます!


Musique, Elle a des ailes.