合唱団のこどもたちにリトミックレッスン | INClaireの音楽な日々

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内藤郁子INClaireが、音楽について日々思うことや生活の中の音楽の話を書きます
音楽のたくさんのジャンルで、壁を作らず線引きだけして、
どれも体験して、魅力の違いを比べるのがおもしろい
音楽って一曲ずつそれぞれの魅力だと思います


Chère Musique


今日は合唱団で歌っている子供たちの話。

8月は本当に講習会の多い月で、とても大変でしたが、でも充実した楽しい月でした。

先週は8月26日(土)のリトミックの講習会について書きましたが、その翌日8月27日(日)には児童合唱団のイベントでリトミックのコーナーを受け持たせていただきました。



児童合唱団こんぺいとうの空という、倉岡典子先生の指揮で歌っている子供たちです。

このグループは、コロナ以降メンバーの出入りが激しくて、人数の変動がちょっと不安定でした。

そこで今年は募集活動をということになり、夏休みの最後に「歌のイベントに行こう!」という感じの内容で企画されたのが今回の会です。



その募集イベントに、リトミックの先生として呼ばれました。

このところ普段の生徒さん達へのレッスンや講座だけではなく、外部からお招きいただいて講師を務める機会が以前よりぐっと増えています。



イベント本番は日曜日で、その直前の水曜日のこんぺいとうの普段のレッスン時間内に、事前体験と言うことでリハーサル的なことをしてきました。

そしてイベント当日は応募してきてくれた子供たちと親御さん達も混ざってとっても盛り上がりました。



プログラムはどんな感じだったかというと、まずこんぺいとうのメンバーによるソロの歌と二重唱のミニコンサート。
そしてその次に、応募した子供たちが加わってみんなで童謡をたくさん歌うコーナー。
そしてリトミックのコーナー。
そして最後に、典子先生から合唱のレッスンを受ける体験というコーナー。



とっても盛り上がって、最後に終わった時にはなんと5人もの方があらためて入会を決めてくれたそうです。

このイベント自体がとっても好評だったので、11月にも第二回目をやろうということになったようです。
また呼んでいただけるということなので、うれしいなぁ。




この合唱団は、ただみんなで集まって歌いましょうというだけの合唱団ではなく、あの倉岡典子先生のレッスンを受けながら一人一人が上達していくことができる、そういう合唱団。
レッスンはもちろんみんなで一緒に受けていますが、見学していると、一人ひとりのメンバーに対してとても細やかな発声指導をなさっているようです。



今回のイベントのリトミックのコーナーでは、リトミックというものを習ったことがある子や今も習っているという子もほんの数人いましたが、ほとんどがリトミックって一体なんだ?という感じでした。

ですからもちろん詳しい説明などはせずに、とにかく30分間目一杯体動かしていただいて、なんだかよくわかんないけど楽しかった!と言ってもらえるような、そんなカリキュラムを計画しました。



最初は極端に違う三種類の音楽でただ歩くだけ。
これは私のレッスンでは一番多く使うイントロダクションです。
部屋の中を散歩しながら、でもそこにコミニケーションなど副次的な内容も含めて、ただただ歩くだけというメニューです。
ひとつひとつがとても違うジャンル、時代、演奏形態の音楽で。



子どもって、当たり前なのですが、その本人にとっての“音楽”という世界は、とってもまだまだ狭いです。
とっても小さい範囲の中で「これが音楽だ」というふうに無意識に思い込んでいる。
それが年齢を重ねるにつれてだんだん視野が広がっていくわけなんです。

そういう意味からも、そんなに違うタイプの三種類の音楽を、同じ「歩く」ということをしながら聴く体験は、初めてだったのではないでしょうか。

とてもうれしかったことに、やっぱり音楽好きな子どもたちが集まっているだけあって、そんなに大きく声かけをしなくても自然と歩き方がまったく変わっていました。



そんな感じのイントロダクションから入って、そしてフレーズを感じるというメニューをやったり、あとはビートをクラップやステップでいろいろな方法で感じるという複雑なソルフェージュ体験をやってみたり。

最後に一曲、誰でも知っている曲を使って、音楽の場面の変化を、いろいろな教具を使って動きで現す、ということをやりました。




今回のこのリトミックのコーナーでは、とにかく30分間目一杯体動かしていただいて、楽しかったな!と言ってもらえるような内容にしました。

たった30分間でしたしリトミック初めての方が多かったので、難しいことをやったりとか、それをやったからといって何か速攻的に効果が出るとか、そういう狙いではないです。

なんだかたくさん動いて体を動かして、楽しかったなぁという、そんな感じ。



リトミックやその中のプラスティックアニメをやる一番の目的というのは、音楽を聴く耳が育つ。
耳といってもこの頭の横についてる耳だけではなく、体の奥底、心の奥底の耳ですね。

音楽を感じる、聴く耳が育つというのが、大きな目標の一つです。
音楽を聴く内的聴覚が育つということは、そのまま精神の活性化、注意や集中の能力の維持につながります。



そんな効果を出すためには毎週、毎月などコンスタントにレッスンを受けて行かないと、そうはならないです。

そういう意味では今回は、初めて体験した方でまだまだ音楽はただの伴奏に過ぎなかったという方も、当然たくさんいらっしゃるようです。
ですが、初めて体験していただいて「一体あれは何だったんだろう?」と心に留めておいていただくだけでも、大きな一歩と言えますね。



歌がとても上手な、とってもきれいな声を持っている子どもたちなので、少しでも表現力が増すと良いと思っていらっしゃる典子先生の思いを汲んで、私も心込めてレッスンさせていただきました。

11月の二回目を、私もとっても楽しみにしています。



Musique, Elle a des ailes.