真っ暗の中で、駐車場のワゴン車の中から見える景色には、路頭に迷う人たちが見えていた。

毛布にくるまり、脅えながら近くの体育館に非難してゆく人々。
行き交う車もなく、遠くでサイレンがなり響いていた。
「どうなるのかな…」

何時間たっても、待機の状態は変わらないし、情報も入らない。疲れもピークになろうとしていた。

「あんた達には安全な場所に移ってもらう」
副署長から言われたとき、違和感を感じた。

「周りの人は苦しんでいる。なのに、犯罪者である私は移管されようとしている。これは理不尽ではないのか?不公平ではないのか?」

そんな私の抱いた疑問は、時間ともに大きくなっていった。

「なぜなんだ?なぜ守られる?なぜ生かされる?」
それがなぜ起きたかもしらないまま、私は葛藤していた。

深夜、裁判所からの移管命令が出て、私は安全な警察署へ移管された。
この時、これが大いなる気づきのきっかけになろうとは、思いもよらなかった。

深夜に移管され、次の日に目覚めた私は、抱いた思いと葛藤していた。

「私には守られる資格はない。私は落伍者なんだ」
そんな思いが支配していました。

毎日回覧されてくる新聞には、昨晩の地震の規模が記されていて、ラジオでもその情報一色だった。
被害の大きさを知るにつけ、私の自責の念は次第に強くなっていった。

「助けられない、手を貸せない」状況と、「守られた」という自責の念が、私の中で交差して、ただ、ひたすら詫びていた。

「苦しむのは、私でいい。死ぬのは私でいいじゃないか。なのに、なぜ他の人の命を奪う?」
そんな思いで、号泣する毎日。
「生き残ってしまった事」への後悔で、私は「自分」を責め続けていた。

そして…

「生きる意味がないなら、今すぐ私の命を奪えば良い!価値がないなら、殺してくれ!!」そう叫んでいた。