拘留期間は、既に二ヶ月を過ぎようとしていた。
10月も末が近づき、風も晩夏から秋の深まりを告げていた。
房は、基本的には独房だ。だが、時に「部屋不足の為」に二人部屋になることがある。無論、そうなっても、殆ど話すことは許されてはいないが。
ある時、1日だけ二人部屋になった時がある。その人は「窃盗」で逮捕された、私より10歳も若い人だった。
「なんでバレるんですかね?」
その言葉を聞いたとき、「あぁ、またこの人は繰り返すんだな」となんとなくわかった気がした。
私はこの二ヶ月を学びながら過ごした。少なくとも知識は蓄えられ、私の中に芽生えた「新しい価値観」を通して、物事を見ることができるようになってきていた。
「確実に変わりはじめている」そんな実感があった。
そして…あの日を迎えた。
10月23日。
警察署の裏にある銀杏の木に、当時は毎日物凄い数のムクドリがとまり、煩い程の鳴き声をいつもなら聞くはずだが、その日は鳴き声は全く聞こえず、不気味な静けさが広がっていた。
時間だけか過ぎていき、普通に一日が終わると思われたが、突然の轟音と共に静寂は破られた。
「ゴ…ゴゴゴゴ…」
地響きと共に、体が浮き上がる程の地面の突き上げを体験した。
「ドーン!!!」
爆音と共に体が揺れた。地震だ。それも今まで体験したことのない規模の。
強烈な縦揺れは、一瞬で夕食の弁当の容器を簡単に吹き飛ばし、湯飲みをひっくり返した。
そして、激しい縦揺れの後、今度は横揺れが襲ってきた。
何かにつかまらなければ、立っていられない。丁度、電車が発車するときに体が揺れる感じ。
一瞬で停電となり、暗黒となった留置場は、警官達の怒号だけが、聞こえていた。
どれくらい続いただろう?ようやく揺れがおさまったとき、ロッカーはメチャメチャ。机は本来の位置からかなり動いていた。
留置場に通じる廊下は、左右からのロッカー、棚の倒壊により通れない。
警察所長が非常口から入ってきた。
「無事か?」
「ここは危険だから、駐車場に出てもらう」
手錠を覆いで隠し、腰紐を結ばれた私を含む三人は、前後を警官に挟まれながら、正面の駐車場に移動した。
ワゴン車に乗り込んですぐ、第二波を体験した。
10月も末が近づき、風も晩夏から秋の深まりを告げていた。
房は、基本的には独房だ。だが、時に「部屋不足の為」に二人部屋になることがある。無論、そうなっても、殆ど話すことは許されてはいないが。
ある時、1日だけ二人部屋になった時がある。その人は「窃盗」で逮捕された、私より10歳も若い人だった。
「なんでバレるんですかね?」
その言葉を聞いたとき、「あぁ、またこの人は繰り返すんだな」となんとなくわかった気がした。
私はこの二ヶ月を学びながら過ごした。少なくとも知識は蓄えられ、私の中に芽生えた「新しい価値観」を通して、物事を見ることができるようになってきていた。
「確実に変わりはじめている」そんな実感があった。
そして…あの日を迎えた。
10月23日。
警察署の裏にある銀杏の木に、当時は毎日物凄い数のムクドリがとまり、煩い程の鳴き声をいつもなら聞くはずだが、その日は鳴き声は全く聞こえず、不気味な静けさが広がっていた。
時間だけか過ぎていき、普通に一日が終わると思われたが、突然の轟音と共に静寂は破られた。
「ゴ…ゴゴゴゴ…」
地響きと共に、体が浮き上がる程の地面の突き上げを体験した。
「ドーン!!!」
爆音と共に体が揺れた。地震だ。それも今まで体験したことのない規模の。
強烈な縦揺れは、一瞬で夕食の弁当の容器を簡単に吹き飛ばし、湯飲みをひっくり返した。
そして、激しい縦揺れの後、今度は横揺れが襲ってきた。
何かにつかまらなければ、立っていられない。丁度、電車が発車するときに体が揺れる感じ。
一瞬で停電となり、暗黒となった留置場は、警官達の怒号だけが、聞こえていた。
どれくらい続いただろう?ようやく揺れがおさまったとき、ロッカーはメチャメチャ。机は本来の位置からかなり動いていた。
留置場に通じる廊下は、左右からのロッカー、棚の倒壊により通れない。
警察所長が非常口から入ってきた。
「無事か?」
「ここは危険だから、駐車場に出てもらう」
手錠を覆いで隠し、腰紐を結ばれた私を含む三人は、前後を警官に挟まれながら、正面の駐車場に移動した。
ワゴン車に乗り込んですぐ、第二波を体験した。