※ネタバレ及び自己考察注意。
※今回ちょっと長いんで二つに分割させてもらいました。引き続き、29話「パパラチア」の感想になります。
「パズルが難しくなっている」
そういいながらパパラチアの身体にルビーを填めてゆくルチル。さて、問題は動くかどうかだ。二人が息を飲んで見つめるなか、唇が微かに動きパパラチアが瞼を開いた。何とも豪奢な目覚めの瞬間。陽光に煌めく髪を靡かせ、パパラチアは欠伸をひとつ。自らの身体を眺めて口を開く。
「おやおや 今回はずいぶん 派手だなあ」
驚くルチルと会話を交わし、目覚めはかれこれ231年と11ヶ月1日ぶりだという。その間の施術は30万30回だというからもう目眩がしてくる。
リアルにこんな顔になった。
ルチルは悔しさを滲ませながら「すべて私が無能なせいです」と吐露する。
「俺の運がないからさ」
「いいえ あなたの不運を克服できなければ 私の医術は何の意味もありません」
気後れしたような表情で二人を見守るフォスに気づいたパパラチアが「ん?」と視線を向ける。そのままルチルに新入り?と聞くが、最後に起きていたときフォスはまだ70歳くらいだし、成長したフォスを知らないのも無理もない。その最中で先生にひっついていた幼いフォスを思い出したらしく、「雰囲気変わったな」と笑いかける。合金の腕を俺みたいだと同情するパパラチア。特異体質同士、思うところがあるのだろうか。
苦労したな、と優しくフォスを撫でるパパラチアお兄様。なんっっだこのイケメンはぁ!?(イエロー回振り二回目)
眠り姫どころか王子様である。
そんなパパラチアに何かを感じたのか、フォスは訊きたいことがあると彼を誘う。外出許可を下ろせるルチルはというと激務が祟りその場で寝てしまっていた。
場面変わって、草原にて。
身体に埋め込まれたルビーは光を反射し、美しく煌めく。シャツのボタン全開のセクシーなパパラチアお兄様はフォスと共に、久々の外を堪能していた。二人はポツポツと会話を交わす。
「いい季節だ」
「うん」
「ちゃんと寝てるか?」
「あんまり……」
「先生の言うこと 聞いてるか?」
「あまり…」
「悪い子だな」
「たぶん」
ははは、と軽く笑うパパラチア。イエローもそうだけど、この世界の年長者は皆、穏やかで優しいよね。
「月人と話してみたい」そう呟くフォスに思わず目を瞠る。
「そして 自分で本当のことを 見極めたいと思ってる それもやっぱり 悪いことかな…」
その言葉を聞いたパパラチアは大振りの刀を地面に突き刺し、話し始める。
「例えば」
「俺は ルチルに 俺のパズルを諦めて欲しいと思ってる」
「ラクさせてやりたいんだ」
「でも あいつはどう受け取るだろうな」
「清く正しい本当が」
「辺り一面を傷付け 全く予想外に 変貌させるかもしれない」
「だから 冷静に 慎重にな」
体質という逃れられない不運を背負った先輩から同じく不運の体質を持つ後輩へと贈られる言葉。それはフォスの勇気を奮い立たせるのに充分過ぎるほどだった。冷静に、慎重に。フォスは選んでいかなくてはならない。
言い終えたパパラチアはゆっくりと倒れこみ、また永い眠りへとついてしまった。美しく儚い宝石たちの中でも、更に儚いパパラチア。そっと触れようとしたフォスの背後から投げ掛けられたのはルチル医師の声だった。
「訊きたいことは訊けましたか」
「天気の話しかできなかった」
ルチルは怪訝そうに眉を顰めた表情から、瞬時にいつもの冷静な表情へと変えて「そうですか」と呟いた。
ラストは横たわるパパラチアの元へ歩み寄るルチルのシーンで括られる。「何事も諦められない」と言うルチルに「諦めて欲しい」パパラチア。これから、ルチルは更に医術の腕を発展させてゆくのだろう。
月人とは会話出来ませんでしたが、指針を手に入れたフォス。30話に続きます。
【追記】
パパラチアってなーに?
今回、イエローニキとほぼタメというイケメン宝石、パパラチアニキが登場しました!
ってか、最初からいたんだよね!前回の宝石まとめで「一切なぞ」とか言ってたらあっさり解明されたね!今回はそんなパパラチアについてちょっと調べてみました。
パパラチアサファイア(Padparadscha Sapphire)とは、サファイアの一種で桃色と橙色の中間色のもの。日本語表記ではパパラッチャともいう。パパラチアはシンハラ語で「蓮の花」「蓮の花の蕾」という意味である。産出量が少く幻の宝石とされている。後述の人工的に色を引き出した表面拡散処理パパラチアも存在する。
(Wikipediaより)
はえ~すっごい…「幻の宝石」とかカッコよ杉内。あの身体に穴ってのは蓮の花イメージなのかな?この、身体の穴ってなんか、市川先生の短編集にあった「月の葬式」を思い出す。
次に目を覚ますのは何年後か、何百年後か。パパラチアさんに期待ですね。
最後に、そんなパパラチアさんの宝石言葉をどうぞ。(パワーストーン辞典様より)
「あなたへの愛は深まるばかりだ。」「あなたの過去も、今も、未来も愛している。」「あなたが何者であろうと、愛する思いは変わらない。」「あなたに出会って永遠の愛を見付けた。」「あなたの窮地を救うのはこの私だ。いつでも側にいてあなたを守ります。」
これは惚れますね間違いない。(名推理)


