10年位前にレッスンに来ていた生徒Nちゃんが、久しぶりにお稽古に来てくれました。体調不良が多く一年くらいでやめられてしまった生徒だったと記憶しています。シンガーソングライターとして変わらず演奏をずっと続けているとのことです。東南アジアやヨーロッパを、ギター片手に長期間路上演奏でまわったりという、なかなか自由人です。
長く演奏活動を続けて行く中で、新たに自分の足りない部分を感じたり、必要を感じたりって言う時に、時々お稽古や、メンテナンスに来てくれる人たちが、結構います。忘れないで、必要な時に思い出してくれる人たちがいると言うのは、トレーナーとして、とても嬉しいことですね。
Nちゃんは、声量がない、息が続かない、高い所、低い所の音程が安定しない、時々ひっくり返ってしまうのが悩みとのことでした。
彼女の演奏を聴かせてもらいましたが、とても優しい、とつとつとした味のある歌です。いわゆる「うまへた」ってやつです。(^^A
テクニカルとしては、上手いとは言い難いのですが、とっても良い雰囲気を持っています。実はこういう人が、一番教えるのが難しいんです。
「あなたね、うまくなっちゃいけないわね。歌自体のテクニカルなトレーニングは、五万とあるんだけど、やらない方がいいと思うわ。」笑
ぽつぽつと音を切って発音するのは、本来なら歌のテクニックとしては完全にNGなのだけれど、彼女の場合、この変な音の途切れ方が、個性であり魅力になっています。呼吸の流れだけ理解できるようにすれば、ぽつぽつ途切れるクセは直さない方が良いなと思いました。
高い所でひっくり返っちゃうような不安定な感じも、魅力だったりします。
ですので、個性となっているクセを取らずに、いかにより魅力的で、彼女自身も気持ちよく楽しく歌えるかを考えて、トレーニングを処方しました。
現在ほとんど動いていない横隔膜を起して、全身の連動で呼吸できるようにするトレーニング。
リズムの感じ方に問題があったので、リズムの「流れ」を身体でとらえるトレーニング。
首から上で歌うのではなく、全身をつなぐ練習。
さらに言いたいことや、言葉、気持ちを、その流れに乗せるというトレーニングをやってもらいました。
ライブなどやっていると、色んな人に言われるのでしょう。
声量の無さをとても気にしていたので、
「声が大きければ良いってもんじゃないのよ。」と言いました。
物理的なデシベルの大きさが必要なのではなく、いわゆる「通る」声、自分の言いたい事が「相手の心に伝わる」波動が出せればよいわけです。それには、強い息も、強い腹筋の力も必要がありません!!
バランスと連動力 すべては、これに尽きると思います。
彼女独特の歌のテクニカルは一切変えないで、呼吸と全身のつながりの意識だけで、音楽の自然な流れと、説得力が出ました。歌っていて楽な感じも感じてもらえたようでした。
彼女の場合今日はいわゆる発声のテクニカルトレーニングをしていませんが、一日で声の安定度が、かなりアップしたと思います。
言いたいことが、ストンと伝わる、益々ステキなシンガーを
めざして欲しいと思います。(^^)v
私のレッスンは、生徒一人一人全くレッスン内容が異なります。
人によって、必要なものと必要でないものが、違うのは当然ですね。
がっつりテクニックが必要な人には、むちゃくちゃ厳しいですよ。笑
一人一人ジャンルもタイプも違う個性的な生徒さんが多いので、
トレーニング処方も毎回真剣勝負です。(^^)
今日もぽちっと、よろしくお願いします
【荒井皆子ヴォイストレーニングSTUDY】
https://araiminako-voicetraining.jimdo.com/
荒井皆子Official Web Site
http://am-bmine.wixsite.com/araiminako
荒井皆子次回のライブスケジュールは
3月3日(金) 【25次元空間の入り口で考える猫たち】
佐藤桃まつり~春はすぐそこ~
荒井皆子(Vo.) Shezoo(Piano) 佐藤桃(Tuba)
今回は、桃の節句にちなんでフューチャリング佐藤桃でおおくりします。
横濱エアジン 19:30-
http://am-bmine.wixsite.com/araiminako/live-information
こちらのユニットは、クラシック・現代音楽をモチーフにしている
グループ。私としては、珍しく日本語の歌を歌ったりします。
ぜひいらしてください。
2月19日(日) 18:00-21:00
インナーマッスルが目覚める究極エクササイズ
<バルーンメソッド>Ⅰセミナー
場所:世田谷区用賀 【参加費】5,000円
お申し込みはこちらから↓
http://balloonmethod.konjiki.jp/
<バルーンメソッド>DVD好評発売中です
呼吸と身体連動メソッドです。ヴォイストレーニングのもう一つ
前のフィジカルの状態を整えない限り、歌の上達は望めません。
身体の使い方そのもののベースを見直すことで、劇的に
パフォーマンスがUPします。