「美しい日本語に危機感」
岩波書店調べによると、正しい言葉遣いへの関心は弱まってきている、といいます。
言葉は時代によって変わる。
仕方のないことですが、言葉を使うことには常に意識を持っていたい。
スピーチプレゼンの本番では、普段言葉をどう扱っているか、が不意にあらわれるものです。
女優の草笛光子さんがご自身を「わたくし」と呼んでいました。
わたし、ではなく、わたくし。
たった一文字のちがいですが、背筋をシャンと伸ばしたくなる響き。
お話の一言一言に、品と潔さを感じました。
そして、ふとこんなことを考えました。
草笛さんのように言葉を丁寧に扱う方は、
きっと「すみません」を連発しないのではないかなあ・・・と。
「すいませ〜ん、これください」ではなく、
「恐れ入ります。こちら、いただけますか」。
立ち去る際は「すみません、失礼します」ではなく「ごめんください」。
感謝の気持ちは「すみません、ありがとうございます」ではなく「ありがとう存じます」。
文字だと雰囲気が出にくいですが、聞いて心地よく、佇まいのちがいがあります。
「すみません」はどんな場合にも使える便利な言葉。
ですが、
使い勝手の良さゆえに頼りすぎると、言葉の扱いが雑になる気がします。
丁寧な言い回しや言葉遣いには、滅多に出会えないのが現実です。
それゆえ、岩波書店のデータにあった正しく美しい日本語への意識が薄れていくことも、
仕方ないのでしょうか?
以前読んだ本を思い出しました。
言葉と丁寧に接する。
これは、人と丁寧に触れ合うことに通づるでしょう。
やはり、正しい、美しい言葉は大事にしたいなあと感じました。
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