和物の習い事が、増えた・・・年(とし)か。
いやいや、すべて仕事につながっているからこそ、やろうと思ったのだ。
単なる習い事ではない。年ではない。
私なりの勉強、研究なのだ。
能、そして、小笠原流礼法。
いずれも古式ゆかしい日本の伝統である。
能の声は・・・すごい!
舞台で聞くのもすばらしいが、稽古でダイレクトに聞くとこれまた格別!五臓六腑にまで染み渡る。
私が稽古をしていただいている先生はバリバリの能楽師でいらっしゃるが、
私が声の仕事をしていることを理解してくださっていて、
稽古中、さりげなく様々に教えてくださる。
ありがたい。
先生のお声は・・・もうこれはなんと申し上げようか、これまでに聞いたことのないような、
すごいお声である。
強く美しく、それでいて繊細。
声だけで心情や状況が見えてくる。
仕事柄、声フェチになっているのか、
先生の声に、うう・・・涙が出そうになるが、稽古中ゆえぐっとこらえる。
檜の稽古場に朗々と響き渡る先生の声を聞くだけでも、大変にありがたい時間。
能も演劇、いろいろな作品がある。
初めて習うものにも順を追って学ぶことができるよう、作品が教本になっている。
初心者の私はまだその1冊目をやっている、ひよっこ。
前回の稽古では「土蜘蛛」という作品を習った。
少し慣れて来たかな?と思ってきていた矢先、
先生はズバリそこを見抜かれて、私のうたい方に優しく注意をしてくださった。
先生の仰るような声を出そうと、
インナーマッスル(骨盤底筋群)をいつもよりぐぐっと引き締め、
子音と母音の出し方をさらに正確に発声してみた。
ものすごくエネルギーを消費し、汗だくになった。
そのとき、「あ、こうやって出すのだな?」と新たな発見があった。
小笠原礼法は、声というより、身体の動きのために習い始めた。
スピーチプレゼンでは、無駄な動きはすべて「ノイズ」になる。
礼法では、その無駄が一切ない!
身体本来の機能を活かした動きの方法論が完成されている。
美しきこと、この上ない。
例えば、座るときは「水に沈むが如く」と言う。
上体を揺らすことなく、すうっと座る。
膝、足の指そして足首、これらをぐいっと折らねば座れない(正座など)。
やってみるとわかるが、普通は上体が前後左右に揺れる。
揺れる動きは無駄。
ゆえに身体、筋肉を上手く使い、動かさぬよう、すうっと座らねばならぬ。
逆に、立つときは「煙が立ち昇るように」すうっとまっすぐ上へ。
上体を余計に動かさない。
表現は美しいのだが、
この動き、やってみると相当にタフネスが必要なのだ。
関節の柔らかさ、筋肉の強さが大切で、きちんとやると立派な筋トレ!
日常生活の中で一日何度となく正しく繰り返せば、ジム通いは不要。
昔の人はよく考えたものであることよ・・・このシンプルかつ美しき礼法に感動中。
でも身体は確かにキツイ。
で、つい先日。
仕事でお客様をトレーニングしているとき、
発声トレーニング最中、ふとひらめいた。
このふたつ、能の声の出し方と、礼法の身体の使い方を一緒に、やってみたらどうだ。
すると!
なんと!
「これだ!」
という声が出たのである。
お客様も実施され、声のちがいを即実感されていた!
キター Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒(。A。)!!!
いままで西洋式の声の出し方ばかりをやっていたが、
日本古来の伝統の技を合わせて、発声ができる!
日本式であれば、日本語の言葉にピッタリすることは間違えがない!
日本式発声法!
日本語にぴったりの、発声法!
声の違いが実感できる、発声法!
キタ━━━(゚∀゚)━━━!!!
ふふふ。これからは、これでトレーニングをやっていく。
どうぞ、楽しみにしていただきたい。
森 裕喜子