聞き手を魅き付けるツカミ<ベーシック編> | 社長のスピーチコーチ 森 裕喜子のプライベートブログ

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経営者やトップアスリートのスピーチコーチ、森裕喜子が日々のプライベートな出来事などを綴ります。(2021年8月よりプライベート版に改定)

「ツカミ」

舞台に立つ人が、どうやって即座にお客さんのココロをツカムか?
これが転じて一般化した言葉でしょう。

スピーチプレゼンでは、どうすれば最初に聞き手の心をつかめるのか?



・・・聞き手の心をツカム、
というとなんだかちょっと一方的?でひと昔前の印象が

・・・私だけでしょうか^^;

ここでは、聞き手に敬意を表す意識を持ちながら、書いてみます。


<つかみ ベーシック編>

話し手が、話し始めの冒頭ですべきこと。
以下3点に要約できるでしょう。

①聞き手との関係性を構築する

②今この場所に居る意味と価値を改めて理解してもらう

③話を聞く目的を再認識してもらう



自分が誰なのかを伝え(自己紹介)、
聞き手にとって自分がどういう関係性を持つ人間なのか。
これを明らかに伝えることです。

講演であれば、主催者が演者(話し手)を招いた理由と目的が必ずあります。
それが関係性です。
言い換えれば、そこにこそ、話し手と聞き手の共通点があるのです。

目の前に居る話し手が聞き手にとって「どこからともなく突然現れたスピーカー」ではなく、
「私にとって大切なことを伝えに来た、私に関係がある人」であること。
そうすれば、自ずと聞こうという気持ちが開いていきます。



聞き手に、たった今ここにあなたが居ることには価値があるのだ、
と認識してもらうこと。

よく米大統領のスピーチではこんなふうなフレーズが出て来ます。

「XX年前の今日、この土地で、XXさんという女性がバスに乗っていました。
彼女は、ただバスに乗っていたのではありません。歴史を変えたのです。
私たちはいま、そのことを改めて思い出しているのです」

物理的に今、この場所に居ることの意味を、改めて認識してもらうのです。
話を聞きに来るという行動を起こしたことに対して、敬意を表し、価値を見出すことになりますから、
「今日ここに話を聞きに来たことは、よかったのだ」と聞き手は思います。
より積極的に聞けますね。



聞き手は、多かれ少なかれ必ず何らかの目的を持って話を聞きに来ています。
ですが、
それが漠然としている場合がある(日本人には特に多い)。
話を聞く目的を敢えてその場で言葉にし、明確にし、目的を確認するのです。




「ツカミ」というと、ちょっと聞き手を笑わせたい、という方も多いですね。
初めて会ったのに、すぐ笑いが出るというのは、聞き手が気を緩めた証拠。
ですが、これを意図的に行うのは高等テクニック。


まずは、ベーシックな正攻法として、上記3点で取組まれることをおすすめします。

自己紹介し、なぜ今日ここに集まったか。それを改めて冒頭でしっかり伝える。

当たり前のことばかりですが、スピーチも何事もやっぱり基本が大事、ですね。



次回は<つかみ 応用編>を書いてみたいと思います。


森 裕喜子