「ツカミ」
舞台に立つ人が、どうやって即座にお客さんのココロをツカムか?
これが転じて一般化した言葉でしょう。
スピーチプレゼンでは、どうすれば最初に聞き手の心をつかめるのか?
・・・聞き手の心をツカム、
というとなんだかちょっと一方的?でひと昔前の印象が
・・・私だけでしょうか^^;
ここでは、聞き手に敬意を表す意識を持ちながら、書いてみます。
<つかみ ベーシック編>
話し手が、話し始めの冒頭ですべきこと。
以下3点に要約できるでしょう。
①聞き手との関係性を構築する
②今この場所に居る意味と価値を改めて理解してもらう
③話を聞く目的を再認識してもらう
①
自分が誰なのかを伝え(自己紹介)、
聞き手にとって自分がどういう関係性を持つ人間なのか。
これを明らかに伝えることです。
講演であれば、主催者が演者(話し手)を招いた理由と目的が必ずあります。
それが関係性です。
言い換えれば、そこにこそ、話し手と聞き手の共通点があるのです。
目の前に居る話し手が聞き手にとって「どこからともなく突然現れたスピーカー」ではなく、
「私にとって大切なことを伝えに来た、私に関係がある人」であること。
そうすれば、自ずと聞こうという気持ちが開いていきます。
②
聞き手に、たった今ここにあなたが居ることには価値があるのだ、
と認識してもらうこと。
よく米大統領のスピーチではこんなふうなフレーズが出て来ます。
「XX年前の今日、この土地で、XXさんという女性がバスに乗っていました。
彼女は、ただバスに乗っていたのではありません。歴史を変えたのです。
私たちはいま、そのことを改めて思い出しているのです」
物理的に今、この場所に居ることの意味を、改めて認識してもらうのです。
話を聞きに来るという行動を起こしたことに対して、敬意を表し、価値を見出すことになりますから、
「今日ここに話を聞きに来たことは、よかったのだ」と聞き手は思います。
より積極的に聞けますね。
③
聞き手は、多かれ少なかれ必ず何らかの目的を持って話を聞きに来ています。
ですが、
それが漠然としている場合がある(日本人には特に多い)。
話を聞く目的を敢えてその場で言葉にし、明確にし、目的を確認するのです。
「ツカミ」というと、ちょっと聞き手を笑わせたい、という方も多いですね。
初めて会ったのに、すぐ笑いが出るというのは、聞き手が気を緩めた証拠。
ですが、これを意図的に行うのは高等テクニック。
まずは、ベーシックな正攻法として、上記3点で取組まれることをおすすめします。
自己紹介し、なぜ今日ここに集まったか。それを改めて冒頭でしっかり伝える。
当たり前のことばかりですが、スピーチも何事もやっぱり基本が大事、ですね。
次回は<つかみ 応用編>を書いてみたいと思います。
森 裕喜子