防犯カメラにぼんやり映った映像でも、 歩く姿から個人が特定出来るソフトが開発されたという。 指紋、瞳の虹彩、そして声紋も聞いたことがあったが、 ついに、歩き方まで! その新聞記事によれば、 姿勢や歩幅、歩き方には個人個人の特長によって識別するという。 確かに、 歩き方には明らかに「個性」言い換えると「癖」が出る。 歩き方の元は、姿勢である。 姿勢とは、つまるところ、背骨のS字カーブと骨盤の、角度。 これらの角度については、明確な角度(若干の振り幅はある)があるが、 そのとおりになっていないと都合が悪い。 つまり、身体のゆがみや痛みになる。 しかし、日々の活動によって誰しもが簡単にゆがみ、 それをほぐさないでいると、いつしか身体の「癖」になったり、 さらには身体に支障が出るようなことにもつながる。 歩き方は、 それらのゆがみや癖を持ったままの行動なので、 それが「個人を特定する」につながるというのも、うなずける。 歩き方がその人の人間性を表しているとは言い切れないが、 表していない、とも言えない。 先ほど書いた通り、 歩き方は姿勢、姿勢は背骨や骨盤など自律神経等にも関係があるとなれば、 姿勢がメンタルへ影響がないとは言えない。 従って、歩き方にも、人間性が現れる、と私は思っている。 すべての身体表現あるいは動き(歩く、話す、立つ、などなどなど)は、 その人らしさを伝える表層的サインなのである。 スピーチプレゼンのトレーニングでは 姿勢や立ち方、そしてジェスチャー等もトレーニング範疇。 当然話の内容も含まれてくるため、 その方の人間性にまで深く触れていることになる。 単に、人前で話す、ということではないのだ。 大きな責任を感じると同時に、 この仕事の奥深さを実感する。 さて、 歩きながらスピーチプレゼンすることは、 スティーブ・ジョブズの影響もあってか、 かなり定着してきたようだ。 しかし、 多くの日本人は、歩いてスピーチプレゼンすることには 十分に気をつけるべきだと思う。 言いにくいのだが、日本人の歩き方は、格好が良くない。 格好悪い歩き方とは、 歩幅が狭く、膝が曲がっており、かかとを引きずり姿勢が悪い「ずるずる引き」。 これは、個人的な考えでは、草履の生活だったからだと考えている。 このずるずる歩きと姿勢では、顔が輝かない。 声も喉声になる。 ジェスチャーも目線も、どうにも決まらずやりようがない。 日本人が悪い、のではない。 草履から靴の生活に変わったのだから、 それに合わせて、歩き方もカスタマイズする必要がある、ということなのだ。 しかしそれに対する啓発や教育は、なされていないのだ・・・・ だからこそ、ウオーキングレッスンというのは、 必須なのではないかなあ。。。。。 少々辛辣で恐縮だが、ずるずる歩きのままならば、 スティーブ・ジョブズを目指してステージで歩きながら話すのは、 あきらめるほうがよい。 先日も書いたが、人は、動くものに目を奪われる。 ずるずる歩きが聞き手の目を奪い、 話の内容が耳に入らない可能性があるのだ。 歩いて話さなくても、伝わるスピーチプレゼンをする方法は、 沢山ある! 無理に歩くスタイルをやろうとするよりは、 まず、 自分に合った「伝わる」方法を見つけるために時間を割くほうが、 得策であろう。