1999年、マイクロソフト社アジア圏担当エグゼクティブであった著者ジョン・ウッド氏は
旅先のネパールで出会った子供たちに本を届けたい!と思い立つ。
その決意の下、会社を辞め、生き方を変え、
やがてその活動は、Room to ReadというNPO法人となって
世界を変えて行く。
本書はその自叙伝である。
これまでにもこういった本には出会ったが、
この著者の出している結果のサイズやスピードが、ものすごい。
NPO界のマイクロソフトを目指す、というだけあって、圧巻である。
初版は2007年。
今年は2013年だ。
私はつい先日まで、Room to Readはおろか、この本さえも知らなかった。
既に本書の第二弾も出ており、4月には、日本での講演等もあったようだ。。。。。
知らなかった。。。。。
気がつけば、
世間では、
多くのNPO法人、社会起業家という人たちが
それぞれのやり方で世界を変えていっている。
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先日、小学校の教科書を見て驚いた。
大変に美しい装丁で、まあ~~きれい!!!!
贅沢なほどに、美しい、これが教科書とは。
手に取って勉強する小学生達は、その贅沢さには驚かないのかもしれない。
むしろ、これがあたり前、と受け取っているに違いない。
だからといって、
子供たちがその豊かさに比例して豊かに成長しているのか?
と言えば、うんうんそのとおり!とは言えない。
なぜなんだ。
大人はどう?
なんでも揃う豊かな世界で、豊かに生きてる?
この本を読んで、複雑な気持ちだ。
この生き方~決断と行動に憧れ、励まされながらも、
まずその前に、ショックでもあった。
いろいろな思いが浮かびながら、一気に読み終えてしまった。
こんな生き方がしたいのだ、わたしは。
生きるために必要な基礎は、充分に豊かになった今、
次は、
それを世界に還元するし、周囲と、自らの心を豊かにするときだ。
あれこれ考える前に、動く。
すると、思っても見ないケミストリーが起きて、
自分が思っていたよりもすごいことが、起きる!
案ずるより産むが易し。
走り出してから考える。
ウッド氏の生き方はまさにこれだ。
なぜか読後には、蓮の花の話を思い出した。
仏教の経典についてはほとんどちゃんとした知識がないが、
法句経のなかに、こんな一説があると聞いた。
都大路に
棄てられし
塵芥(ちりあくた)の
堆積(つみ)の中にも
げに
香り高く
こころ楽しき
白蓮は生ぜん
白い蓮の花は、塵芥(ごみの山のようなひどいところ)から、咲く。
まっ黒な混沌の中から、
清く咲く白い蓮の花は、生まれ出る。
塵芥だけを見ていたら、そこから美しい花が咲くとは思えないだろう。
しかし、蓮は、そこから生まれ、美しく花を咲かせる。