何年も何年も生きてきたと思ふ程自惚れてゐる訳ではないが、歳を重ねるといふことは、何人もの人々に助けられ支えられ、迷惑をかけてきたといふことでもある。
さういふことは、何時もついつい忘れがちになるものなのだが、一年を通して何度かは一段区切りの度に思ひ出し、過去の出来事を添削したり修正出来たならばと考え、鬼に笑われるやうな来年のあり方等を想像したりするものだ。
さうして、ここぞとばかり感謝する気持ちを出してくる。
ありがたうといふ相手を喪つて、初めて本心を開いたり、もつと早くに何故言わなかつたのだらうかと後悔したりする。
そんなことが今迄流れるやうに過ぎてきて、また思ひ返す日がやつてきた。
師走に似合わない暖かい一日が、昨日迄と少し違うやうな気がした。