前回の「若くてかわいいベトナム人女性と結婚する方法」の続きだが、どうしてもと言うのなら、方法は大きく分けて2つだと思う。

 一つ目は、身近に気に入った子がいたらアプローチしてみること。同じ職場に技能実習生がいる場合もあるだろうし、アルバイトとして留学生が働いている場合もあるだろう。


 ただ、技能実習生や留学生は20代が大半なので、自分が40代や50代だと相当な年の差になってしまい、結婚相手として考えてもらえる確率はかなり低い。


 それでも、うちのベトナム嫁のように年の差はまったく気にしないという女性もごくまれにいるので、最初からあきらめる必要はないと思う。



 

 これで交際が成立した場合の利点は、相手が日本語をある程度使えると考えられること。
 国際結婚の最大の障害はやはり言葉だと思う。まともに話が通じないのに深く長続きする愛情を育むのは相当難しいだろう。結婚生活を維持するのも大変だ。


 だから、日本で暮らすなら、お相手となるベトナム人が日本語を話せるかどうかがとても重要だ。もちろん、日本人側がベトナム語を学んで意思疎通できるレベルにまでなれるならそれでもいいが、正直これは至難の業だと言える。

 一般的な40代、50代の日本人が未知の外国語を学び始めて使えるレベルにまで上達するには並大抵の努力では無理だ。ましてベトナム語は日本人にとって習得が難しい言語に属する。


 ベトナムに10年、20年暮らしている日本人でも、ベトナム語は片言しか話せないという人はいくらでもいる。その人たちも、若かりし頃ベトナムに住み始めた当初はベトナム語をマスターしようと勉強に励んだはずだ。しかし、それほど経たないうちに挫折してベトナム語を身につけることをあきらめてしまった。

 


 その最大の原因はベトナム語の発音の難しさにある。学んだベトナム語を実際に使ってみると、ベトナム人から「はぁ?」という反応をされる。ごく簡単な単語でさえ通じない。そのうえ、向こうの言うことがさっぱり聞き取れない。


 かなりの人がこの段階で心が折れてしまう。ベトナム現地に住んでいる20代、30代でさえそういう人が珍しくないのだから、日本に住み、日々忙しく仕事をしながら40代、50代がベトナム語をマスターしようというのがいかに困難か想像できるだろう。

 


 だから、交際相手のベトナム人が日本語をそこそこ話せるなら、日本語を共通言語としてお互いの理解を深めていくことができてとてもいいと思う。


 ベトナム人は一般的に外国語習得に関して才能がある(うちのベトナム嫁のような例外もいるが……)。今はそれほど上手でなくても、何年か付き合っているうちに日本語がペラペラになるだろう。そうすれば日本で夫婦として暮らしていくうえで何の支障もない。


 だからこの方法はお勧めだ。まあ、その前に相手に気に入ってもらえなければどうしようもないのだが……。

 私は50代で2回り年下のベトナム人と結婚した。
 「そんな若い子を嫁にできるならオレもベトナム人と結婚したい!」という人もいるかもしれないので、今回はそのへんのことについて書いてみたい。


 まず私自身はどんな人間なのかというと、しがない個人事業主で、収入は少ないうえに不安定だ。実家が金持ちということもない。そして、この年まで独身だったことから想像がつくように、見た目もさえないうえにコミュ力も低い。
 なにしろ、ベトナムに十年以上住みながらついに結婚することなく帰国した男なのだ。ベトナムでは日本人男性はモテると言われており、実際、私と同じくらい長くベトナムに住んでいてベトナム人と結婚していない日本人男性などほかに知らない。いかに私が女性にとって魅力のない男であるかわかるだろう。


 一方ベトナム嫁はというと、数年前に介護を学ぶ留学生として来日し、今は職員として介護施設で働いている。美人とは言えないけれどそれなりにかわいい。介護施設には男性職員は少ないからたしかに出会いは多くないだろうが、私などよりいい男を見つけるのに大して苦労はしないだろう。



 

 第1回にも書いたように、出会いのきっかけは知人の紹介だった。この紹介に至る道のりは偶然の連続で、二人が出会ったのは奇跡のようなものだ。そしてさらに嫁が2回りも年上の私のことを気に入るという奇跡が起きたのだから、奇跡の2乗と言えるだろう。
 先に結論を述べてしまうと、私が嫁と結婚できたのは奇跡の2乗のおかげだ。だから、「こうすれば若いベトナム人と結婚できますよ」なんていうアドバイスをすることは私にはできません。ごめんなさい。


 ただ一つ言えるのは、「結婚したいのでいい人がいたら紹介してほしい」ということを人に伝えるのはいいことだと思う。私の場合も、もしそうしていなかったら嫁と出会うこともなかった。
 ベトナムに住んでいるころにも何度か紹介してもらったことがある。でも、どうにも恋愛感情がわかず(相手もそうだったろうが)、付き合いには発展しなかった。そして、紹介してもらったのにこちらから断るのが心苦しく、ほんの数回の不成功の後、人に紹介をお願いするのはやめてしまった。


 それが今回、ふと思い立って紹介をお願いしてみたら、トントン拍子に結婚にまで至ったのだから人生とは本当に不思議だ。

 ベトナム嫁はいま妊娠30週目くらい。ビックリするほどお腹が大きくて丸い。思わず手のひらで撫で回したくなる。職場でも触らせてほしいという人が後を絶たないそうだ。

 


 「旦那! 旦那!」と呼ぶので行ってみると、寝室で嫁が布団に寝転んでいる。触れと言われて丸いお腹に手を当てる。すると、中で赤ちゃんが動くのがはっきりと感じられる。ときに弱くときに強くその動きが手のひらに伝わってくる。
 「おーっ! すごい!」
 嫁のお腹の中で別の生き物が育っているというのはとても不思議な感じがする。嫁自身はどう感じているのだろう?


 お腹の大きさを見れば当然ともいえるが、妊娠前と比べて嫁は体重が7キロくらい増えた。あまり体重を増やしすぎるとよくないと産婦人科のお医者さんから言われていて、本人も気にしている。


 そんなにたくさん食べているようには見えないのだが、体重増加のペースは2週間で2キロ超とたしかに早い。助産師さんからは、出産時点で7~10キロ増が理想と言われているので、現時点で7キロ増はやや増えすぎと言える。


 前回の妊婦健診以来、夕飯には米を食べないと宣言して、実際にそうしている。米は栄養があるし、食べすぎはよくないけれど食べた方がいいよと言っても嫁は聞かない。一度こうと決めるとそれを守るタイプだ。


 嫁が太りすぎるのもたしかに問題だが、それ以上に赤ちゃんに栄養が行き届かないことの方が私にとってははるかに心配だ。


 それなら栄養のバランスの取れた食事を用意してあげるのが私の役目なのだろうが、なかなか実行できずにいる。その理由は、まず第一に作れる料理のレパートリーが少ないこと。次に、嫁の方が先に帰宅する日が圧倒的に多いことだ。

 


 嫁の料理はそれなりにうまいのだが、レパートリーはあまり多くない。また、だいたい一品しか作らない。一人暮らしで自炊をしているときに、ご飯と肉か魚プラス野菜一品という夕飯に満足していた私だから特に不満はないが、一般の日本人夫婦家庭で夕飯のおかずが一品だけだったら相手は文句を言うのではないだろうか。栄養のバランスという点でも好ましくない。
 これからはできるだけ私が夕飯をつくるようにしようと思う。

 嫁がベトナム人だといろいろ面白いことが多くて退屈しない。それでも、「ああ、嫁が日本人だったらなあ」と思うこともときどきある。


 私は映画が大好きで、大学生の頃はしょっちゅう映画館に通っていた。そのころは名画座では2本立て、3本立てがふつうだったし、土曜日や祝日の前日にはオールナイトもやっていた。

 


 就職してからは映画を観る回数がガクッと減り、ベトナムに住むようになってからはほとんど観なくなった。日本に帰国後もそんなに観ることはなかったのだが、数年前にAmazon Primeに加入してからは無料なのでぼつぼつ観るようになった。


 映画は一人で観るものと前から思っている。それでも、せっかく嫁がいるのだからときにはいっしょに映画を楽しみたい。けれども、ベトナム嫁とではほぼ不可能だ。


 私がいちばんよく観るのは洋画なので、役者はふつう英語を話し、日本語字幕がついている。嫁は英語はまるでわからないし、日本語も映画を聞き取れるレベルからは程遠い。もちろん邦画もダメだ。となると、候補に残るのは、ベトナム語字幕入りの外国映画かベトナム映画だ。

 

 


 しかし、いくら私がベトナム語ができるといっても、ベトナム人同士のナチュラルスピードの会話を聞き取れるほどではない。ベトナム語字幕なら読めばほぼ理解できるが、読むのが追いつかないだろうし、仮に追いついたとしても映像を見る余裕がまったくないだろう。それでは何のために映画を観るのかわからない。


 結局、二人とも楽しめるのは日本語字幕付きのベトナム映画かベトナム語字幕付きの日本映画ということになる。ご想像どおり、そういう映画はとても珍しい。


 一度だけ、新宿の映画館でベトナム映画を上映していたのでいっしょに観に行ったことがある。もちろん日本語字幕付きだったので私にも理解できた。映画自体の出来はイマイチだったが……。

 


 いずれにしても、私が観たいと思うような映画を自宅で嫁といっしょに観るということはほぼできない。もし嫁が日本人だったら、趣味の違いがあったとしても最大公約数的なところを探ればいっしょに観ることのできる映画はたくさんあるだろう。見終えてから感想を述べあうのも楽しそうだ。


 まあ、ないものねだりをしても仕方がない。いつか嫁が日本語ペラペラになっていっしょに日本映画を楽しめる日が来ることを祈るとしよう。

 前回嫁を怒らせた件は、嫁の方から詫びを入れてきてほぼ解決した。「ほぼ」というのは、その後も「夜中に寝室から出て行ったときどうして探しに来なかったんだ」としつこく問い詰められたからだ。
 疲れる……。



 

 それはさておき、先日2週間おきの産婦人科検診に行ってきた。赤ちゃんの体のサイズなどは標準とのこと。また、初めて4D超音波で赤ちゃんの顔を見ることができた。今までは下を向いていたりして顔がよく見えなかったのだ。たまたま顔の向きが悪くて確認できなかっただけなのに嫁はずいぶん心配していた。だから今回顔をはっきり見ることができてすごく喜んだ。
 「『今日はお母さん、お父さんに顔を見せてね』とお願いしたらちゃんと見せてくれた。聞き分けのいい子だ」とニコニコ顔だった。


 この産婦人科病院を初めて訪れたとき、一組の若いベトナム人の夫婦がいた。だから、この病院にはベトナム人の妊婦も多いのかなと思ったのだが、その後一度もベトナム人に会っていない。ベトナム人以外の外国人も2組くらいしか見かけていない。今の外国人滞在者の多さを考えるともっとたくさん外国人がいてもいいように思うが、たまたま会っていないだけだろうか?


 子どもを産むために自分の国に里帰りする人も多いのかもしれないが、今の時期、帰国もそう簡単ではないはず。航空券も高そうだし。


 日本語ができればまだいいが、日本語がほとんどできないのに日本で出産するのは不安だろうなあ。ましてや、このコロナ禍では入院時にだれも付き添うことができないのだから。
 うちの嫁の場合も大して変わらないから、やはり不安は大きいだろう。夫が日本人だというので多少は心強く感じてくれているかもしれないが……。


 嫁だけでなく自分にとっても初めての体験なので、出産前後のことを考えると心配事が山のようにある。嫁の両親も自分の両親も頼ることはできない。どうにかして二人で乗り切っていかなければ。