「FNSうたの夏まつり」には、たくさんの歌手が出演した。このブログで取り上げている歌手も出演したし、今後取り上げたいと思う歌手も何人かいた。
その中で最も印象に残ったのがジャニーズJr.内ユニットSixTONESのメンバーである京本大我だった。
 
本当に恥ずかしいことながら、私はこの日までこの京本大我という人の存在すら知らなかった。
彼を意識したのは、デュエットする前、SixTONESのパフォーマンスを観た時だった。
それぞれに個性的なメンバーがパフォーマンスしていたが、その中でなぜかセンター後ろにいる人が目についた。それが彼だった。グループ音楽の常で6人がスイッチしながら歌うために、歌声に惹かれたということでもなかった。なぜか目についたのだ。
 
その後、彼はミュージカルメドレーの中で「ライオンキング」の「愛を感じて」を昆夏美とデュエットした。
正直、驚いた。
彼がソロで出てきた事にも驚いたが、さらに驚いたのは、彼は非常に歌が上手かったのだ。
しっかりとした伸びやかな歌声が耳に響いた。
 
 
ジャニーズの各グループを意識して聞いた事がない為、他にも歌が上手い人はいるのかもしれない。だが全体的な印象として、私の中の評価は必ずしも高くない。
しかし彼は違った。発声がアイドル出身から出ているミュージカル歌手とは全く違った。
非常に伸びやかでいい声をしていると思った。
さらにデュエットにおける音楽性も素晴らしいと感じた。それは自分の音楽をしっかりと提示していたからだ。
 
他の人のデュエット曲でも書いたことがあるが、デュエットには2つの方法がある。
1つは、お互いがお互いの歌声や音楽性をよく聴いて同じ方向性の音楽で合わせていくという方法。
もう一つは、お互いの音楽を尊重しながらも合わせるのではなく、それぞれの音楽を提示し交錯した中で1つの音楽を作り上げていく方法である。
どちらが優れているというよりは、スタンスの違いであり、歌手は楽曲やコラボする相手によって、どちらのスタンスも歌える事が望ましい。
 
この日の京本大我と昆夏美のデュエット曲には、2人の音楽性が伸び伸びと提示され、その上で合わせるところは合わせるという音楽の作り方がされており、非常に上手いと感じた。
特に京本大我の歌にはアイドル特有の癖がなかった。ミュージカルの舞台にいくつも出ているという経歴を読んで納得した。
さらに京本政樹の息子という評価と戦いながら、ひとりの歌手として存在する為に努力し続けてきた、ということも知った。
 
まだ24歳。
歌手人生の入り口にいる彼がこれから、どんな風に成長していくのか非常に興味を持った。