前回の記事『大人ってなに?』で

何となく引っ掛かることがあった方がいらっしゃって

それはどういうことかというと

 

大人が心理発達を経て成長するということは

全ての人が「ラクに」「自由に」なるということと

イコールなんですか?

 

こういう質問になってメッセージが届きました。

 

答えは Yes! です。

 

倫理規範が内在化されている大人が、苦しみ、悩みを感じるとは

自分の中に「葛藤」が生じている時だからです。

こちらの記事を参考になさってください。

→『悩み・症状の発生するメカニズム

 

その「葛藤」は、それまでの自分の倫理規範に照らすと

「絶対矛盾」に突き当たってしまうのです。

 

「絶対矛盾」とは、この場合、平たく述べると

~しなければならない、~であらねばならない

と感じ、思っているのに

それがもうどう頑張ってもできない

という自分、そういう現実に突き当たってしまう

ということです。

 

進退窮まるという状態ですね。

 

この大人が直面してしまう「葛藤」

「心理発達」を経ることによって解決することができる

だから、ラクになるし、自由を得るのです。

コチラの記事を読んでみてください。

→『葛藤解決!→悩みの解消

 

お答えになったでしょうか?(*^^*)

 

さて、ここから今日の本文です。

 

まず手始めに

人が生まれてから大人になるまでの心理発達段階を

各時期の倫理規範を参照しながら追っていきます。

 

 

【乳幼児期】

身体的感覚=お腹がすいた、美味しい、寒い、暑い、気持ちがいい、落ち着かない、不満、満足

を理解され、共有され、承認され、許可され、実現されることが基本です。

自分の欲求は満たされる、という許可をお母さんから学ぶことが

まず土台としてある、ということですね。

その土台の上に

母親の言うことに従うなどの親子関係の規範が生まれ

洗面、歯磨き、着替え、入浴、食事の時間を守るなどの

生活の規範が築かれます。

 

この時期は、ほぼ母親、またはそれに代わる養育者の

言うがままに生きることが安心に繋がります。

 

乳幼児期のお子さんを子育て中のお母さんは

常にマイペースでお乳やおむつ替えを要求してくる赤ちゃんに

体力的には大変な時期を過ごされていると思いますが

子育ての本当の大変さは

これ以降が本番なのではないかと思われます。

というのは・・・・・

 

〔第一反抗期]というのが来るからです。

俗に言うところの〔イヤイヤ期〕です。

 

この〔イヤイヤ期〕というのは

それまで移動するのも、食べることも

すべて親の手を借りてしかできなかった幼児が

自分で動き回ることができるようになる時期です。

 

これはかっこよく言い換えると「身体的自由の獲得」ですね。

そしてそれが「判断の自由」へと繋がっていきます。

つまり、言われたままではなくて自分が決める!という

ある意味、人としての独立宣言みたいなものです(*^-^*)

 

この〔第一反抗期〕〔イヤイヤ期〕

自由の拡大を意味しますので

なくてはならないものだということがわかります。

 

何を指示しても「やだっ!」と言って、言うことをきかない我が子に

子育ての行き詰まりを感じて

イライラしてしまうお母さんの悩みをよく耳にします。

 

でも、こうして意義を知ってみると

「よしよし順調に育っておる(*^-^*)」と

少し余裕が持てるのではないでしょうか。

 

 

【学童期】

そのようにして、「身体的自由」「判断の自由」を獲得した子どもが

家庭内での規範の確立の上に、社会的規範を付け加えていく時期です。

つまり保育園・幼稚園・小学校で、集団内の規範を身に付けていく訳です。

 

この時期の子どもは、お母さんから教わった生活・家庭内の規範と

その拡張形である学校の先生が教える社会的な規範に従って生きるのです。

 

ここで、大事なポイントがあります。

この時期の倫理規範は内在化されず、外的な規範のままである、ということです。

どういうことかというと、母親のいいつけや、先生の指示を守らなければ

親や先生から叱られる、叱られたら自分を責める、という形です。

 

内在化された規範が

それを守らなければ、それは誰が責めなくとも、誰にバレなくとも

自分の心の中に不安や恐怖、自責感が直接的に生じるのと比べると

外的な規範を守れなかった時の自責は

叱られたから自分はいけない、と思う点で二次的な自責と言うことができます。

 

親と先生の言うことをよくきいて

叱られないでいれば絶対安心の境地ですね(*^-^*)

 

次に迎えるのが・・・・・

 

 

【思春期】

この時期、子どもは〔第二反抗期](一般的に言われる「反抗期」)に突入します。

親や学校の先生から教わってきた倫理規範を疑うのです。

そしてそれに反抗し、修正を加え、教わったものとは違う

自分独自の生き方を作ろうとします。

 

しかし、誰もが経験のあることと思いますが

それは思ったほどにはうまく運びません(^-^;)

焦りや苛立ち、同時に夢や憧れ、独立心、大きな志などを抱きつつ

身体的な大きな変化とともに、うろうろと落ち着かなく過ごす時期でもあります。

 

今まで教わってきた倫理規範に従うのか?

批判・否定し、反抗するのか?

この二つの心の揺れの中で、思春期にある当事者もツラさを感じますが

親にしてみても、これまでよく言うことをきくいい子だと思っていたものが

いきなり口汚く反抗したりし始めるので

長子であれば尚のこと、親にとっても初めての経験で

ショックを受けたり、また親の方も感情的になったりして

親子間の対立がかなり深刻になったりもするようです。

 

しかしながら、この時期は大変に有意義で

身体的にも精神的にも親から独立した一個の人間であることの責任を

自ら認め、確立していくのです。

 

すったもんだしながら(笑)

親とも、社会的な流れとも、友達がもてはやす流行とも違った

自分独自の価値観が構築され、自分の人生観を作っていくのです。

ああ、素晴らしき哉!青春の日々・・・・

 

何とか無事に、この時期を越えられた時

「倫理規範の内在化」が起こります。

これが大人の入り口に立ったということですね。

 

 

【成人期】

さあ、いよいよここからが私たち「大人の領域」です(笑)

繰り返しになりますが、この時期に至って私たちは

自ら自分の中に規範を持って、それに自ら従い

守ることを自分に課し、それに責任を持つのです。

これが何度も出てきた「倫理規範の内在化」ということです。

 

自分の人生観はその倫理規範と一致します。

  • 人とはこう生きるべきものだ
  • 自分はこうありたい
  • 私は、こう生きていくのだ!

これがうまく機能している時

私たちは充足感を得、自分に満足し

誇りを持って生きていくことができます。

 

ところが・・・・・・

自分の内在化された倫理規範が守れなくなった時

すなわち

自分に課した規則と、実際の自分の気持ちや生き方の間に

「葛藤」が生じた時

 

私たちは悩み、苦しみ、自分を責め、自信を失い、生きることをツラく感じます。

 

これが強くなると抑うつ気分が現れます。

成人期のうつ病の心理的な発生メカニズムは、このように説明されます。

 

 

親になった成人期の心は

子どもに自分の倫理規範に従うようにと教えます。

 

これは当然のことです。

親になれば、子どもは可愛い、大切です。

ちゃんと生きていってほしい、その為に親として自分ができることは

親自身が手に入れ、培い育んできた倫理規範を子に伝えること

それだけなのですから。

 

ここで、考えてみてください。

 

親自身、自分が正しいとして生きてきた価値観、人生観が

自分を固く縛り、不自由にしている厳しすぎるものであれば

子にもそれを課してしまう、ということが起こります。

 

それで親も苦しい、子も苦しい、ということが起こります。

 

だからこそ・・・・と言うか

親になっていようといなかろうと

成人期を迎えてなお、苦しさを感じている人は

その硬く厳しい倫理規範を書き換えて

ラクに、心を広げて自由に生きる道を探すことが大切だと

私は思っています。

 

 

 

以上が、誕生から成人に至るまでの心理発達の“定型”です。

 

“定型”があるということは“非定型”もあるということです。

 

それはまた次の更新で(^-^)

 

 

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